33 / 41
33・今の私は聖女ではないから
しおりを挟む
「私はセレスティアの聖女でした」
すると、ウィリアムは目を丸くします。
「セレスティアの……聖女?」
「はい。あの国には──」
私はウィリアムに、全てを打ち明けます。
セレスティアには代々、王城で勤め、“穢れ”を払う役割を担った女性がいること。
ですが、サディアスに『第二の聖女になってくれ』と一方的に言われ、腹が立ってセレスティアを飛び出したこと。
そして、隣国ベイルズ向かう道中の馬車の中で、あなたに出会った──と掻い摘んで説明しました。
「なるほど……」
ウィリアムは顎を手で撫でながら、
「セレスティアには聖女がいる……という噂は聞いたことがあったが、まさか君がそれだったとは。しかし、今までのことを考えるに、君が聖女だとするなら納得だ。君は一介の解呪師にしては、規格外の力を有していたからな」
と言いました。
「どうして、今まで喋ってくれなかったんだ?」
「……きっと、あなたに嫌われるのが怖かったから」
バレて、セレスティアに連れ戻されたくない──と最初は考えていましたが、今となってはウィリアムがそうする人じゃないことは分かっています。
なのに打ち明けなかった理由は、ウィリアムが私の正体を知り、身勝手な女だと軽蔑するかもしれないから。
それほど、私の行動は間違っていたのかもしれないのですから。
「嫌う? なにを言うんだ」
しかし、ウィリアムは優しい口調で。
「俺が君を嫌うはずがない。それに、元々悪いのはその身勝手な男だ。君は悪くない。なにがあっても、君が聖女であることには変わりないと思うよ」
「ありがとう……ございます」
ウィリアムの返答が嬉しかった。
涙が零れそうになりますが、今は泣いている場合ではありません。
「ですが……私が身勝手であったことは事実。聖女をもう一度名乗る気には、とてもなれません」
──私は聖女ではありません。
ウィリアムの母君様のような聖人で、みんなを守るためなら自分の命を投げ出そうとは思えないのです。
“穢れ”の王が復活すると聞いても、怖くて、セレスティアに向かう気にはなれませんでした。
でも。
「あなたの決意を聞いて、考えが変わりました。ウィリアム、私も連れて行ってください」
「なっ……!」
ウィリアムは言葉に詰まります。
「セレスティアには大きな忘れ物があるんです。私はそれを持ち帰るためにも、セレスティアに向かわなければなりません」
「君が行く必要なんてない!」
ウィリアムは鬼気迫る表情で私の両肩を掴みます。
「“穢れ”の王は、俺一人でも命がけの戦いになる! そんな危険な戦いに、君を巻き込むわけにはいかない!」
「それですよ」
「え?」
「先ほどから、ウィリアムは自分一人でなんとかしようとしていますよね?」
私も、元々は彼と同じ考えでした。
聖女の時も全部一人で抱え込んで、ベイルズに行く際も誰の力も借りずに生きていかなければならないと覚悟しました。
しかし、それは間違っていたとすぐに分かりました。
ここまで来るのに、何人の人の力を借りたでしょうか。
サビィちゃんがいなければ、このお店を継続できていませんでした。
〈真紅の爪痕〉との一件でも、クラークさんが私を守ってくれました。
街の住民も、ほとんどの人が私を受け入れいてくれて、優しく接してくれています。
そして、ウィリアム。
彼がいなければ、私はこの街でまだ自分の生きる道を見つけられていなかったかもしれません。
ここまで他人の力を借りているのに、一人で生きてきたとは言えません。
「きっと陛下も、そういうつもりで王子の立場を捨てるように言ったわけじゃないと思うんです」
「というと……?」
「王子の名をなくしても、付いてきてくれる仲間。そういう人たちがいるなら、行きなさいという意味だったと思います」
もちろん、これは私の想像です。
ですが、王城で一度話した陛下の顔を思い出すに、とてもじゃありませんが、ウィリアムに『死ぬなら一人で死ね』と言うとは思えませんでした。
「だから私もウィリアム王子ではなく、『冒険者ウィリアム』とセレスティアに行きます。お願いします、ウィリアム。私にあなたの手助けをさせてください」
「俺は……一人じゃなかった?」
考えもしなかったことなのか、ウィリアムの声は震えています。
「俺は……一人でも、大切な人を守れるために冒険者になった。それが間違いだったと?」
「間違っているとまでは言いません。それは、あなたの覚悟を否定することになるから。ですが、もっと肩の力を抜いた方がいいと思うんです。それとも、あなたにとって、私はそんなに頼りない存在ですか?」
微笑んで、私は首を傾げます。
少しウィリアムは考え込む素振りを見せたものの、やがて口を開きます。
「……分かった。アルマ、俺に力を貸してくれるか? 俺と共に復讐を……いや、世界を救ってくれるか?」
「もちろんです」
即答して、首を縦に振ります。
「ありがとう。だが、セレスティアに行くまでには日数がかかる。しばらくこの道具屋を開けることになるが──」
「心配するなにゃ!」
ウィリアムが言葉を紡ごうとすると、突如、サビィちゃんの声が店内に響き渡ります。
「サ、サビィちゃん!? 起きていたんですか?」
「うんにゃ。殿下とご主人様の声が聞こえたにゃ。深刻そうな雰囲気だったから、なかなか顔を出せなかったけど……話は聞かせてもらったにゃ」
サビィちゃんは拳を握り、
「ご主人様が留守の間、お店は任せろにゃ! ご主人様たちは、 “穢れ”の王をぶっ倒してこいにゃ!」
と力強い言葉をかけてくれました。
「それに……“穢れ”の王ってやつを倒せば、貴重なアイテムが手に入るかもしれにゃいでしょ?」
「ああ。魔物を倒せばそれが素材となって高値で売れるように、“穢れ”の王からもなにか手に入るかもしれない」
「だったら……それをうちの目玉商品にすればいいにゃ! 大儲けのチャンスにゃ!」
とサビィちゃんは明るく言います。
気負いすぎていた私ですが、彼女の言葉にくすりと笑ってしまいます。
「道具の仕入れに行く……それ、いいですね。いつも通りです。では、サビィちゃん。私が仕入れに行っている間、お店はお願いしますね」
「任せろにゃ!」
サビィちゃんが頷きます。
「アルマ──行こうか」
「はい。ですが……私は聖女ではありません。今の私はご覧の通り、聖女ではなく、ただの道具屋の店主。お力になれなかったら、すみません」
「なにを言っている」
ウィリアムがきょとんとした顔をして。
「今まで、君に何回助けてもらったと思っているんだ。それに……仮にそうじゃなくとも、俺は君に来てほしい。聖女の力がなくとも、君が傍にいてくれるだけで、俺は強くなれるから」
ああ──。
ウィリアムは私を聖女としてではなく、一人の人間として求めてくれます。
それは今、私が一番欲しかった言葉。
こういうことを言ってくれるから──私はこの人を好きになってしまいそうになります。
すると、ウィリアムは目を丸くします。
「セレスティアの……聖女?」
「はい。あの国には──」
私はウィリアムに、全てを打ち明けます。
セレスティアには代々、王城で勤め、“穢れ”を払う役割を担った女性がいること。
ですが、サディアスに『第二の聖女になってくれ』と一方的に言われ、腹が立ってセレスティアを飛び出したこと。
そして、隣国ベイルズ向かう道中の馬車の中で、あなたに出会った──と掻い摘んで説明しました。
「なるほど……」
ウィリアムは顎を手で撫でながら、
「セレスティアには聖女がいる……という噂は聞いたことがあったが、まさか君がそれだったとは。しかし、今までのことを考えるに、君が聖女だとするなら納得だ。君は一介の解呪師にしては、規格外の力を有していたからな」
と言いました。
「どうして、今まで喋ってくれなかったんだ?」
「……きっと、あなたに嫌われるのが怖かったから」
バレて、セレスティアに連れ戻されたくない──と最初は考えていましたが、今となってはウィリアムがそうする人じゃないことは分かっています。
なのに打ち明けなかった理由は、ウィリアムが私の正体を知り、身勝手な女だと軽蔑するかもしれないから。
それほど、私の行動は間違っていたのかもしれないのですから。
「嫌う? なにを言うんだ」
しかし、ウィリアムは優しい口調で。
「俺が君を嫌うはずがない。それに、元々悪いのはその身勝手な男だ。君は悪くない。なにがあっても、君が聖女であることには変わりないと思うよ」
「ありがとう……ございます」
ウィリアムの返答が嬉しかった。
涙が零れそうになりますが、今は泣いている場合ではありません。
「ですが……私が身勝手であったことは事実。聖女をもう一度名乗る気には、とてもなれません」
──私は聖女ではありません。
ウィリアムの母君様のような聖人で、みんなを守るためなら自分の命を投げ出そうとは思えないのです。
“穢れ”の王が復活すると聞いても、怖くて、セレスティアに向かう気にはなれませんでした。
でも。
「あなたの決意を聞いて、考えが変わりました。ウィリアム、私も連れて行ってください」
「なっ……!」
ウィリアムは言葉に詰まります。
「セレスティアには大きな忘れ物があるんです。私はそれを持ち帰るためにも、セレスティアに向かわなければなりません」
「君が行く必要なんてない!」
ウィリアムは鬼気迫る表情で私の両肩を掴みます。
「“穢れ”の王は、俺一人でも命がけの戦いになる! そんな危険な戦いに、君を巻き込むわけにはいかない!」
「それですよ」
「え?」
「先ほどから、ウィリアムは自分一人でなんとかしようとしていますよね?」
私も、元々は彼と同じ考えでした。
聖女の時も全部一人で抱え込んで、ベイルズに行く際も誰の力も借りずに生きていかなければならないと覚悟しました。
しかし、それは間違っていたとすぐに分かりました。
ここまで来るのに、何人の人の力を借りたでしょうか。
サビィちゃんがいなければ、このお店を継続できていませんでした。
〈真紅の爪痕〉との一件でも、クラークさんが私を守ってくれました。
街の住民も、ほとんどの人が私を受け入れいてくれて、優しく接してくれています。
そして、ウィリアム。
彼がいなければ、私はこの街でまだ自分の生きる道を見つけられていなかったかもしれません。
ここまで他人の力を借りているのに、一人で生きてきたとは言えません。
「きっと陛下も、そういうつもりで王子の立場を捨てるように言ったわけじゃないと思うんです」
「というと……?」
「王子の名をなくしても、付いてきてくれる仲間。そういう人たちがいるなら、行きなさいという意味だったと思います」
もちろん、これは私の想像です。
ですが、王城で一度話した陛下の顔を思い出すに、とてもじゃありませんが、ウィリアムに『死ぬなら一人で死ね』と言うとは思えませんでした。
「だから私もウィリアム王子ではなく、『冒険者ウィリアム』とセレスティアに行きます。お願いします、ウィリアム。私にあなたの手助けをさせてください」
「俺は……一人じゃなかった?」
考えもしなかったことなのか、ウィリアムの声は震えています。
「俺は……一人でも、大切な人を守れるために冒険者になった。それが間違いだったと?」
「間違っているとまでは言いません。それは、あなたの覚悟を否定することになるから。ですが、もっと肩の力を抜いた方がいいと思うんです。それとも、あなたにとって、私はそんなに頼りない存在ですか?」
微笑んで、私は首を傾げます。
少しウィリアムは考え込む素振りを見せたものの、やがて口を開きます。
「……分かった。アルマ、俺に力を貸してくれるか? 俺と共に復讐を……いや、世界を救ってくれるか?」
「もちろんです」
即答して、首を縦に振ります。
「ありがとう。だが、セレスティアに行くまでには日数がかかる。しばらくこの道具屋を開けることになるが──」
「心配するなにゃ!」
ウィリアムが言葉を紡ごうとすると、突如、サビィちゃんの声が店内に響き渡ります。
「サ、サビィちゃん!? 起きていたんですか?」
「うんにゃ。殿下とご主人様の声が聞こえたにゃ。深刻そうな雰囲気だったから、なかなか顔を出せなかったけど……話は聞かせてもらったにゃ」
サビィちゃんは拳を握り、
「ご主人様が留守の間、お店は任せろにゃ! ご主人様たちは、 “穢れ”の王をぶっ倒してこいにゃ!」
と力強い言葉をかけてくれました。
「それに……“穢れ”の王ってやつを倒せば、貴重なアイテムが手に入るかもしれにゃいでしょ?」
「ああ。魔物を倒せばそれが素材となって高値で売れるように、“穢れ”の王からもなにか手に入るかもしれない」
「だったら……それをうちの目玉商品にすればいいにゃ! 大儲けのチャンスにゃ!」
とサビィちゃんは明るく言います。
気負いすぎていた私ですが、彼女の言葉にくすりと笑ってしまいます。
「道具の仕入れに行く……それ、いいですね。いつも通りです。では、サビィちゃん。私が仕入れに行っている間、お店はお願いしますね」
「任せろにゃ!」
サビィちゃんが頷きます。
「アルマ──行こうか」
「はい。ですが……私は聖女ではありません。今の私はご覧の通り、聖女ではなく、ただの道具屋の店主。お力になれなかったら、すみません」
「なにを言っている」
ウィリアムがきょとんとした顔をして。
「今まで、君に何回助けてもらったと思っているんだ。それに……仮にそうじゃなくとも、俺は君に来てほしい。聖女の力がなくとも、君が傍にいてくれるだけで、俺は強くなれるから」
ああ──。
ウィリアムは私を聖女としてではなく、一人の人間として求めてくれます。
それは今、私が一番欲しかった言葉。
こういうことを言ってくれるから──私はこの人を好きになってしまいそうになります。
408
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!
幸之丞
ファンタジー
2023/11/22~11/23 女性向けホットランキング1位
2023/11/24 10:00 ファンタジーランキング1位 ありがとうございます。
「うわ~ 私を捨てないでー!」
声を出して私を捨てようとする父さんに叫ぼうとしました・・・
でも私は意識がはっきりしているけれど、体はまだ、生れて1週間くらいしか経っていないので
「ばぶ ばぶうう ばぶ だああ」
くらいにしか聞こえていないのね?
と思っていたけど ササッと 捨てられてしまいました~
誰か拾って~
私は、陽菜。数ヶ月前まで、日本で女子高生をしていました。
将来の為に良い大学に入学しようと塾にいっています。
塾の帰り道、車の事故に巻き込まれて、気づいてみたら何故か新しいお母さんのお腹の中。隣には姉妹もいる。そう双子なの。
私達が生まれたその後、私は魔力が少ないから、伯爵の娘として恥ずかしいとかで、捨てられた・・・
↑ここ冒頭
けれども、公爵家に拾われた。ああ 良かった・・・
そしてこれから私は捨てられないように、前世の記憶を使って知識チートで家族のため、公爵領にする人のために領地を豊かにします。
「この子ちょっとおかしいこと言ってるぞ」 と言われても、必殺 「女神様のお告げです。昨夜夢にでてきました」で大丈夫。
だって私には、愛と豊穣の女神様に愛されている証、聖女の紋章があるのです。
この物語は、魔法と剣の世界で主人公のエルーシアは魔法チートと知識チートで領地を豊かにするためにスライムや古竜と仲良くなって、お力をちょっと借りたりもします。
果たして、エルーシアは捨てられた本当の理由を知ることが出来るのか?
さあ! 物語が始まります。
女神に頼まれましたけど
実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。
その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。
「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」
ドンガラガッシャーン!
「ひぃぃっ!?」
情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。
※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった……
※ざまぁ要素は後日談にする予定……
わたくしを追い出した王太子殿下が、一年後に謝罪に来ました
柚木ゆず
ファンタジー
より優秀な力を持つ聖女が現れたことによってお払い箱と言われ、その結果すべてを失ってしまった元聖女アンブル。そんな彼女は古い友人である男爵令息ドファールに救われ隣国で幸せに暮らしていたのですが、ある日突然祖国の王太子ザルースが――アンブルを邪険にした人間のひとりが、アンブルの目の前に現れたのでした。
「アンブル、あの時は本当にすまなかった。謝罪とお詫びをさせて欲しいんだ」
現在体調の影響でしっかりとしたお礼(お返事)ができないため、最新の投稿作以外の感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
私を陥れたつもりのようですが、責任を取らされるのは上司である聖女様ですよ。本当に大丈夫なんですか?
木山楽斗
恋愛
平民であるため、類稀なる魔法の才を持つアルエリアは聖女になれなかった。
しかしその実力は多くの者達に伝わっており、聖女の部下となってからも一目置かれていた。
その事実は、聖女に選ばれた伯爵令嬢エムリーナにとって気に入らないものだった。
彼女は、アルエリアを排除する計画を立てた。王都を守る結界をアルエリアが崩壊させるように仕向けたのだ。
だが、エムリーナは理解していなかった。
部下であるアルエリアの失敗の責任を取るのは、自分自身であるということを。
ある時、アルエリアはエムリーナにそれを指摘した。
それに彼女は、ただただ狼狽えるのだった。
さらにエムリーナの計画は、第二王子ゼルフォンに見抜かれていた。
こうして彼女の歪んだ計画は、打ち砕かれたのである。
七光りのわがまま聖女を支えるのは疲れました。私はやめさせていただきます。
木山楽斗
恋愛
幼少期から魔法使いとしての才覚を見せていたラムーナは、王国における魔法使い最高峰の役職である聖女に就任するはずだった。
しかし、王国が聖女に選んだのは第一王女であるロメリアであった。彼女は父親である国王から溺愛されており、親の七光りで聖女に就任したのである。
ラムーナは、そんなロメリアを支える聖女補佐を任せられた。それは実質的に聖女としての役割を彼女が担うということだった。ロメリアには魔法使いの才能などまったくなかったのである。
色々と腑に落ちないラムーナだったが、それでも好待遇ではあったためその話を受け入れた。補佐として聖女を支えていこう。彼女はそのように考えていたのだ。
だが、彼女はその考えをすぐに改めることになった。なぜなら、聖女となったロメリアはとてもわがままな女性だったからである。
彼女は、才覚がまったくないにも関わらず上から目線でラムーナに命令してきた。ラムーナに支えられなければ何もできないはずなのに、ロメリアはとても偉そうだったのだ。
そんな彼女の態度に辟易としたラムーナは、聖女補佐の役目を下りることにした。王国側は特に彼女を止めることもなかった。ラムーナの代わりはいくらでもいると考えていたからである。
しかし彼女が去ったことによって、王国は未曽有の危機に晒されることになった。聖女補佐としてのラムーナは、とても有能な人間だったのだ。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる