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1章
2サビ-ビジネス
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「ーーそれで今に至る……と。」
このおっさん、見た目によらず結構苦労人なんだな。
「いい話です~……グスン。」
響子が感動で涙を流している。
「だからお前らが冒険者になるって話を聞いて、昔の自分を思い出してな。
この世界は分からない事ばかりだろうから、この俺が何でも教えてやるよ!」
おっさんはサングラスを『キランッ』と光らせ、親指を突き出した。
ザ・ナイスガイだな。いい人に巡り会えて良かった。少し見た目はアレだが。お言葉に甘えてお世話になるとしよう。
「サンキューおっさん!」
「だからおっさんじゃねえって!」
「ーーそういえば、楽器を作れるってことは、修理やメンテナンスもお願い出来るのか?」
いくら金重が沢山楽器を持っているとは言っても、流石に修理が出来ないのは心許ない。
「勿論出来るぜ。ちなみに何の楽器だ?」
「これなんだけど……。」
奏太は収納魔法でエレキギターを取り出す。
「こ、これは……エレキギターじゃねえか!」
奏太がギターを見せると、おっさんは突然驚嘆の声を上げた。
「お前達、ひょっとしてロックやってるのか!?」
「ああ、そうだけど。」
永吉はサングラスの奥の目を光らせる。
「いや実は俺、ロックも大好きなんだよ! ただこの世界には電子楽器が無いだろ?
だからロックが聴けずにモヤモヤしてたんだよ!
気晴らしにフォーク・ギターは作ってみたんだが、やっぱりエレキの音が聴きたくてな~!」
あのフォーク・ギターは、おっさんが作った物だったのか。
見た感じはかなり良い腕してるじゃないか。
「いや~、お前らがロックをやるなら俄然やる気が出てきたぜ!
よし!お前らの楽器の修理は俺がタダで引き受けよう!」
永吉からのありがたい申し出に、奏太達は笑顔で顔を見合わせる。
「でもいいのか? そんな事までしてもらって。」
そんな事してたら、ただでさえボロい店が余計ボロボロにならないか不安になる。
「その代わりと言っちゃあ何だが、お前らの演奏を録音させてくれよ!
それで代金代わりって事で、どうだ?」
いい話ではあるが、一体どうやって録音するのだろうか。
「いいけど、録音機材はあるのか?この世界では雷魔法とか使わない限り電子機器は使えないだろ?」
金重が蓄電池を充電した時の様子を思い浮かべる。
仮に録音機材があったとして、毎回金重が充電するのはかなり大変そうだ。
「それに関してはこれがあるから大丈夫だ。」
そう言うと、永吉は店の奥から小さな箱のようなものを出してきた。
「これは音を中に閉じ込める魔法が付与された魔法具だ。
名前は『蓄音箱』っていう。
知り合いに蓄音の魔法を使える奴がいるから、そいつに頼んでこの箱にお前らの演奏を録音出来る。」
へぇ~。魔法を使えばこんなことも出来るのか。試しに箱の蓋を開けてみる。
すると、中からクラシック的な音楽が聴こえてきた。
まるでオルゴールのようだ。
音量はスマホのスピーカーくらいだろうか。
音質はそれほど悪くない。
「もっと大きな箱に強い魔法で録音すれば、この建物中に響き渡る音量も出せるぜ。
ちなみに蓋の開き具合で音量も調節できる。」
「へぇ~、異世界にも中々便利な道具があるんだな。ちなみにこれに録音したものを売ることも出来るのか?」
「勿論だ。街の店に行けば、色んな曲が録音された蓄音箱が売られている。
庶民はそれを買って音楽を日常的に楽しむんだ。
さっき言った蓄音魔法を使える知り合いが、楽器とか蓄音箱を売り歩く行商人をやってるから、良かったらそいつに斡旋してやろうか?
幾らかマージンを渡せば売ってくれるだろう。」
「本当か!それは是非そうさせて貰いたい!」
これでもし俺達の曲が売れれば、夢の印税生活だ!
いや、絶対に売れる!
確かにこの世界ではまだロックは知られていないし、ギターも蔑まれてるみたいだが、逆に言えば競合の居ない、新たな市場があるってことだ。
そこで昔の名曲を俺達が演奏して録音すれば、かつてビー◯ルズがロックバンドとして大成功を修めたように、俺達がこの世界のビー◯ルズになれる!
「蓄音箱は、その曲を録音した人間の蓄音魔法でのみ複製可能だから、録音は1度でいいし、他の人間に複製される心配はない。
俺の方は楽器修理の駄賃としてタダで貰えればマージンは要らない。
一応その知り合いを紹介しておこう。
確かそろそろ店に来る筈なんだがーー」
永吉が店の入り口に目をやると、タイミングを見計らったかのように、店のドアが開いた。
「ヘイ Yo!永きっちゃん!今日の調子はどうかい?
俺は今日もマジでアゲアゲ爽快イェア!」
するとキャップを被った謎のラッパーが、テンションブチ上げでノリノリライムをキめながら店の中に押し入って来たーー
このおっさん、見た目によらず結構苦労人なんだな。
「いい話です~……グスン。」
響子が感動で涙を流している。
「だからお前らが冒険者になるって話を聞いて、昔の自分を思い出してな。
この世界は分からない事ばかりだろうから、この俺が何でも教えてやるよ!」
おっさんはサングラスを『キランッ』と光らせ、親指を突き出した。
ザ・ナイスガイだな。いい人に巡り会えて良かった。少し見た目はアレだが。お言葉に甘えてお世話になるとしよう。
「サンキューおっさん!」
「だからおっさんじゃねえって!」
「ーーそういえば、楽器を作れるってことは、修理やメンテナンスもお願い出来るのか?」
いくら金重が沢山楽器を持っているとは言っても、流石に修理が出来ないのは心許ない。
「勿論出来るぜ。ちなみに何の楽器だ?」
「これなんだけど……。」
奏太は収納魔法でエレキギターを取り出す。
「こ、これは……エレキギターじゃねえか!」
奏太がギターを見せると、おっさんは突然驚嘆の声を上げた。
「お前達、ひょっとしてロックやってるのか!?」
「ああ、そうだけど。」
永吉はサングラスの奥の目を光らせる。
「いや実は俺、ロックも大好きなんだよ! ただこの世界には電子楽器が無いだろ?
だからロックが聴けずにモヤモヤしてたんだよ!
気晴らしにフォーク・ギターは作ってみたんだが、やっぱりエレキの音が聴きたくてな~!」
あのフォーク・ギターは、おっさんが作った物だったのか。
見た感じはかなり良い腕してるじゃないか。
「いや~、お前らがロックをやるなら俄然やる気が出てきたぜ!
よし!お前らの楽器の修理は俺がタダで引き受けよう!」
永吉からのありがたい申し出に、奏太達は笑顔で顔を見合わせる。
「でもいいのか? そんな事までしてもらって。」
そんな事してたら、ただでさえボロい店が余計ボロボロにならないか不安になる。
「その代わりと言っちゃあ何だが、お前らの演奏を録音させてくれよ!
それで代金代わりって事で、どうだ?」
いい話ではあるが、一体どうやって録音するのだろうか。
「いいけど、録音機材はあるのか?この世界では雷魔法とか使わない限り電子機器は使えないだろ?」
金重が蓄電池を充電した時の様子を思い浮かべる。
仮に録音機材があったとして、毎回金重が充電するのはかなり大変そうだ。
「それに関してはこれがあるから大丈夫だ。」
そう言うと、永吉は店の奥から小さな箱のようなものを出してきた。
「これは音を中に閉じ込める魔法が付与された魔法具だ。
名前は『蓄音箱』っていう。
知り合いに蓄音の魔法を使える奴がいるから、そいつに頼んでこの箱にお前らの演奏を録音出来る。」
へぇ~。魔法を使えばこんなことも出来るのか。試しに箱の蓋を開けてみる。
すると、中からクラシック的な音楽が聴こえてきた。
まるでオルゴールのようだ。
音量はスマホのスピーカーくらいだろうか。
音質はそれほど悪くない。
「もっと大きな箱に強い魔法で録音すれば、この建物中に響き渡る音量も出せるぜ。
ちなみに蓋の開き具合で音量も調節できる。」
「へぇ~、異世界にも中々便利な道具があるんだな。ちなみにこれに録音したものを売ることも出来るのか?」
「勿論だ。街の店に行けば、色んな曲が録音された蓄音箱が売られている。
庶民はそれを買って音楽を日常的に楽しむんだ。
さっき言った蓄音魔法を使える知り合いが、楽器とか蓄音箱を売り歩く行商人をやってるから、良かったらそいつに斡旋してやろうか?
幾らかマージンを渡せば売ってくれるだろう。」
「本当か!それは是非そうさせて貰いたい!」
これでもし俺達の曲が売れれば、夢の印税生活だ!
いや、絶対に売れる!
確かにこの世界ではまだロックは知られていないし、ギターも蔑まれてるみたいだが、逆に言えば競合の居ない、新たな市場があるってことだ。
そこで昔の名曲を俺達が演奏して録音すれば、かつてビー◯ルズがロックバンドとして大成功を修めたように、俺達がこの世界のビー◯ルズになれる!
「蓄音箱は、その曲を録音した人間の蓄音魔法でのみ複製可能だから、録音は1度でいいし、他の人間に複製される心配はない。
俺の方は楽器修理の駄賃としてタダで貰えればマージンは要らない。
一応その知り合いを紹介しておこう。
確かそろそろ店に来る筈なんだがーー」
永吉が店の入り口に目をやると、タイミングを見計らったかのように、店のドアが開いた。
「ヘイ Yo!永きっちゃん!今日の調子はどうかい?
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