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1章
7A-趣向
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ーー国王とアイバニーゼが奏太達への処遇について話し合っている頃、当の奏太達は宿の防音室でバンドの練習に勤しんでいた。
「ーーなぁ、そろそろ曲のレパートリーを増やさないか?」
奏太がおもむろに金重と響子に提案する。
あれから3人は既に何度も他のパーティのクエストに同行し、その度に奏太はフ◯ディに変身し、We Will Rock Youを披露していた。
ドラムの居ない間は、戦う冒険者達の士気を高めるにはこれがベストな選択だが、いい加減飽きてくるし、そろそろ音楽祭の練習にも取りかかった方がいいだろう。
「そうでござるな。」
「私もそろそろちゃんとベースが弾きたいです!」
2人も同意見のようだ。特にクエストでの響子は手拍子と足踏み、それと多少のコーラスでしか演奏に参加していない。
「す、すみません響子さん。じゃあそれぞれやりたい曲を1つずつ挙げていこう。」
「それなら私はセッ◯ス・ピストルズのAnarchy In The U.K.か~、God Save The Queenか~。あ、でもPretty Vacantも捨てがたいですね!」
「そうでござるな~。小生はAC/◯CのHighway to Hell、ヴァン・ヘ◯レンのPanama、メタ◯カのMaster of Puppets、アイアン・メ◯デンのThe Trooper……」
各々が思い思いに好きな楽曲を挙げていく。響子は予想通り、全部セッ◯ス・ピストルズだし、金重も予想通り、全部ハードロック・ヘヴィメタルバンドだ。
勿論全部の曲をやるのは不可能だが、こうやって各々の好きなバンドや曲を言い合うのは、中々に楽しい。
「俺はどうしようかな~。」
奏太のロックの趣味は幅広く、何でも聴く。
パンクは響子のようにセッ◯ス・ピストルズだけでなく、有名なものは古いのも新しいのも聴く。
ハードロック・ヘヴィメタルも然り。
最近のオルタナティヴ・ロックも好きだし、古き良きロックンロールも好きだ。
奏太の趣向は、言わば浅く広くといった感じだ。
そもそもモテる為にバンドを始めた彼にとって、ロックは大抵のものが格好良いと感じられた。
だがここは異世界。ロックンロールを世に知らしめるには、奇をてらった新しいロックよりも、古いロックンロールで人々に馴染ませて行った方が良いだろう。
ならばここはーー
「これなんてどうだろう……?」
奏太が持っているギターでリフを弾いてみせた。
「ほう……! 奏太殿、中々渋い選曲ですな!」
「私もその曲知ってます~!」
奏太が弾いてみせた曲は、ローリング・ス◯ーンズのSatisfaction。
《かつてビー◯ルズから始まった、空前のロックバンドブーム。ビー◯ルズはロックンロールにクラシックやポップ等、様々な音楽を織り混ぜた。ハードロック等の激しいロックも、彼等が生み出したと考える人達もいる。
だが主なビー◯ルズの楽曲と言えば、ポップなサウンドを奏で、「ラブ」や「抱き締めたい」といったピュアな歌詞を歌う印象。
そんなビー◯ルズと対極に位置したバンドが、ローリング・ス◯ーンズ。
彼らは「永遠の不良」と称され、汚い言葉を吐き、ドラッグに溺れ、ロック=不良というイメージを作り上げたのは彼らと言っても過言ではない。
彼らの生み出す音楽は、黒人音楽のブルースやR&Bの影響を強く表す。そのサウンドは実に泥臭く、ロックンロールの象徴とも言える。
「ロックンロールと言えばどのバンドのどの曲か」という質問には、ローリング・ス◯ーンズのSatisfactionを思い浮かべる人も数多い。
彼らは生きる伝説として、年老いた今もなおロックシーンで活躍し続けている。》
「ーーそれじゃあ各々好きな曲が決まったら、俺の精霊魔法で変身して、曲を覚えようか。」
一応ボーカルがご存命のバンドは自分で歌うつもりだが、メンバーのうちの誰かが亡くなっているバンドは数多くある。本人から歌詞や演奏を正確に把握出来れば何かと便利だし、使わない手はないだろう。
「シド・ヴ◯シャス様に変身して頂けるのですか!?」
「い、いや、セッ◯ス・ピストルズの曲は響子さんが全部覚えているし、俺が変身しなくても響子さんに教わるから大丈夫!」
「そうですか……。」
一応シド・ヴ◯シャスには既に変身済みだが、また響子に凶変して貰っては困る。
これから数人分の霊魂を呼び出せるようになる為には、精霊魔法の訓練が相当必要になるが、毎日クエストでフ◯ディに変身していれば、なんとかなるだろう。
あとは音楽祭に参加してもらう隆司にも、曲の希望を聞くとしてーー
『ガチャリ』
「失礼致します。」
奏太が今後の段取りについて考えていると、突然見知らぬ男が部屋に入ってきた。
執事のような格好をした男が、奏太達に向かって丁寧に一礼する。
「突然の訪問をお詫び申し上げます。私は国王陛下にお仕えしております使用人でございます。国王陛下から皆様にお話がありますので、明日、ヴィシュガルド城の祭壇の間までお越しください。」
突然の申し出に何事かと、奏太達は使用人の言葉に固まったーー
「ーーなぁ、そろそろ曲のレパートリーを増やさないか?」
奏太がおもむろに金重と響子に提案する。
あれから3人は既に何度も他のパーティのクエストに同行し、その度に奏太はフ◯ディに変身し、We Will Rock Youを披露していた。
ドラムの居ない間は、戦う冒険者達の士気を高めるにはこれがベストな選択だが、いい加減飽きてくるし、そろそろ音楽祭の練習にも取りかかった方がいいだろう。
「そうでござるな。」
「私もそろそろちゃんとベースが弾きたいです!」
2人も同意見のようだ。特にクエストでの響子は手拍子と足踏み、それと多少のコーラスでしか演奏に参加していない。
「す、すみません響子さん。じゃあそれぞれやりたい曲を1つずつ挙げていこう。」
「それなら私はセッ◯ス・ピストルズのAnarchy In The U.K.か~、God Save The Queenか~。あ、でもPretty Vacantも捨てがたいですね!」
「そうでござるな~。小生はAC/◯CのHighway to Hell、ヴァン・ヘ◯レンのPanama、メタ◯カのMaster of Puppets、アイアン・メ◯デンのThe Trooper……」
各々が思い思いに好きな楽曲を挙げていく。響子は予想通り、全部セッ◯ス・ピストルズだし、金重も予想通り、全部ハードロック・ヘヴィメタルバンドだ。
勿論全部の曲をやるのは不可能だが、こうやって各々の好きなバンドや曲を言い合うのは、中々に楽しい。
「俺はどうしようかな~。」
奏太のロックの趣味は幅広く、何でも聴く。
パンクは響子のようにセッ◯ス・ピストルズだけでなく、有名なものは古いのも新しいのも聴く。
ハードロック・ヘヴィメタルも然り。
最近のオルタナティヴ・ロックも好きだし、古き良きロックンロールも好きだ。
奏太の趣向は、言わば浅く広くといった感じだ。
そもそもモテる為にバンドを始めた彼にとって、ロックは大抵のものが格好良いと感じられた。
だがここは異世界。ロックンロールを世に知らしめるには、奇をてらった新しいロックよりも、古いロックンロールで人々に馴染ませて行った方が良いだろう。
ならばここはーー
「これなんてどうだろう……?」
奏太が持っているギターでリフを弾いてみせた。
「ほう……! 奏太殿、中々渋い選曲ですな!」
「私もその曲知ってます~!」
奏太が弾いてみせた曲は、ローリング・ス◯ーンズのSatisfaction。
《かつてビー◯ルズから始まった、空前のロックバンドブーム。ビー◯ルズはロックンロールにクラシックやポップ等、様々な音楽を織り混ぜた。ハードロック等の激しいロックも、彼等が生み出したと考える人達もいる。
だが主なビー◯ルズの楽曲と言えば、ポップなサウンドを奏で、「ラブ」や「抱き締めたい」といったピュアな歌詞を歌う印象。
そんなビー◯ルズと対極に位置したバンドが、ローリング・ス◯ーンズ。
彼らは「永遠の不良」と称され、汚い言葉を吐き、ドラッグに溺れ、ロック=不良というイメージを作り上げたのは彼らと言っても過言ではない。
彼らの生み出す音楽は、黒人音楽のブルースやR&Bの影響を強く表す。そのサウンドは実に泥臭く、ロックンロールの象徴とも言える。
「ロックンロールと言えばどのバンドのどの曲か」という質問には、ローリング・ス◯ーンズのSatisfactionを思い浮かべる人も数多い。
彼らは生きる伝説として、年老いた今もなおロックシーンで活躍し続けている。》
「ーーそれじゃあ各々好きな曲が決まったら、俺の精霊魔法で変身して、曲を覚えようか。」
一応ボーカルがご存命のバンドは自分で歌うつもりだが、メンバーのうちの誰かが亡くなっているバンドは数多くある。本人から歌詞や演奏を正確に把握出来れば何かと便利だし、使わない手はないだろう。
「シド・ヴ◯シャス様に変身して頂けるのですか!?」
「い、いや、セッ◯ス・ピストルズの曲は響子さんが全部覚えているし、俺が変身しなくても響子さんに教わるから大丈夫!」
「そうですか……。」
一応シド・ヴ◯シャスには既に変身済みだが、また響子に凶変して貰っては困る。
これから数人分の霊魂を呼び出せるようになる為には、精霊魔法の訓練が相当必要になるが、毎日クエストでフ◯ディに変身していれば、なんとかなるだろう。
あとは音楽祭に参加してもらう隆司にも、曲の希望を聞くとしてーー
『ガチャリ』
「失礼致します。」
奏太が今後の段取りについて考えていると、突然見知らぬ男が部屋に入ってきた。
執事のような格好をした男が、奏太達に向かって丁寧に一礼する。
「突然の訪問をお詫び申し上げます。私は国王陛下にお仕えしております使用人でございます。国王陛下から皆様にお話がありますので、明日、ヴィシュガルド城の祭壇の間までお越しください。」
突然の申し出に何事かと、奏太達は使用人の言葉に固まったーー
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