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1章
7サビ-豪勢
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奏太達はそれぞれの新しい部屋に案内され、宿から私物をアイバニーゼの別邸に移動した。
そしてアイバニーゼから食事を振る舞うと言われ、3人は斎堂に訪れた。
「凄く豪華な部屋でした~……。」
「小生の部屋も凄かったでござる……!」
響子と金重が部屋の豪勢さに感動を漏らす。
その一方で、奏太は不穏な表情を浮かべていた。
「ーーなぁ……2人とも部屋にベッドはあったか?」
「ふえ? とても大きなベッドがありましたけど……。」
「小生のベッドも5人は寝れそうだったでござる。」
響子と金重が不思議に思いながら奏太の質問に答える。
「……おかしい。俺の部屋には何故かベッドも布団もない。」
「「ええ!?」」
「ーーあ、皆さんお揃いでしたか。今から食事をご用意致しますね。」
奏太の言葉に響子と金重が驚いていると、アイバニーゼが何食わぬ顔で斎堂に現れた。
「なぁアイバニーゼ、俺の部屋だけ寝具がないんだけど……。」
まさかこれは新手の嫌がらせか?
ひょっとして、俺を騎士にしたのも国王とアイバニーゼが俺を陥れる為では……!?
奏太が不穏な思いでアイバニーゼに尋ねると、アイバニーゼは笑顔で答えた。
「奏太様は私の騎士ですので、夜は私のお部屋で共に御就寝頂きます。」
「はぁ!?」
アイバニーゼの口から意味不明な言葉が飛び出し、奏太が声を荒げる。
「いやいやちょっと待て! それは流石にまずいだろ!」
「そうですよ!」
「ふ、不埒でござる……!」
「あら? どうしてですの? ベッドは2人でも十分寝れる大きさですよ。」
しかも同じベッドで寝るつもりかよ! お姫様と、しかもこんな15歳そこらの少女と一緒に寝るなんて、色々とヤバすぎるだろ!
美人には目がない奏太も、年頃にも満たない少女には流石に興味を持たなかった。
「えっと……お城ではアイバニーゼさんはお付きの方とご一緒に寝てらっしゃったのですか?」
「いえ……ですがその時は私専属の騎士はおりませんでしたので。騎士が護衛の為、共に寝るのは普通の事ではありませんか?」
「「普通じゃない!」」
奏太と響子が全力で否定し、金重が「あわわわ」と口を覆う。
「婚前の生娘が男と共に寝るものじゃない! 頼むから寝室は別にしてくれ!」
「そうですか……。」
アイバニーゼが残念そうにショボくれるが、こんな事があの子煩悩な国王に知れたらと思うとゾッとする。
「ではお食事も別の方がよろしいのでしょうか……。」
「いや、まぁ食事は別にいいけど……。」
アイバニーゼが悲しそうな表情で尋ねると、奏太が目を逸らしながら答える。
するとアイバニーゼの表情が一気に明るくなり、執事に食事の配膳を促したーー
ーー奏太達が気を取り直して食事の席に着くと、目の前には見たこともない豪華な料理が運ばれて来た。
1つ1つが芸術のように飾られ、この上なく食欲をそそる香りが立つ。
奏太の口から思わず涎が垂れる。
「うわぁ~!」
中でも響子が美味しそうな料理に一段と反応を見せる。
「ーーでは皆さん、頂きましょう! お口に合うと宜しいのですが……。」
「「「頂きます!」」」
アイバニーゼの合図で、3人は勢いよく食べ始めた。
「うめえ! なんじゃこりゃあ!」
「美味しいですぅ~!」
「口の中に幸せが広がるでござる~!」
3人の満足そうな顔に、アイバニーゼは「ふふっ」と笑顔を浮かべたーー
「ーー美味かった~……。」
「お腹一杯です~。」
「こんな豪華な食事は生まれて初めてでござる~。」
「ご満足頂けたようで何よりです。」
こんな美味しい食事が食べられるなら、騎士になったのも悪くないかもしれないな~。
アイバニーゼは変わった子だけど、何だかんだ豪邸に住めるし、音楽堂もあるって話だし。
「ーーあ、そうだ。アイバニーゼ、この後音楽堂を借りてもいいか? バンドの練習をしたいんだが。」
「ご自由にお使い頂いて結構ですが、その……もし宜しければ私もご一緒しても宜しいでしょうか?」
「俺は別に構わないけど……2人とも別にいいよな?」
「私は大丈夫ですよ。」
「小生も問題ないでござる。」
「有難うございます! ではすぐにご案内致しますね!」
奏太達の演奏が聴けることにアイバニーゼは舞い上がり、ルンルンと3人を音楽堂へと案内したーー
ーー音楽堂に入ると、そこにはこれまた壮大な空間が広がっていた。
宿の防音室とは異なり、オーケストラが優に演奏できるほどの広さだ。
というより、最早これはーー
「ーーどこのコンサートホールだよ……」
「観客席までありますね……。」
「誰もいないのに妙に緊張するでござる……。」
バンドの練習のために使うには余りにも大きすぎる規模の練習場に、3人は完全に固まる。
「と、とりあえずLet It Beから始めるか……。」
「はい……。」
「ござる……。」
戸惑う奏太達とは対称的に、アイバニーゼは楽しそうに3人の様子を眺めていたーー
ーー黙々と練習する奏太達を、アイバニーゼは幸せそうに見つめる。
(こんなに近くで奏太様のお歌を聴けるなんて幸せです! やはりお父様にお願いして正解でした! ですがーー)
奏太達の演奏に、アイバニーゼは何か物足りない感情を抱いた。
(ーーそうですわ!)
そして何か思い付いたように、音楽堂に置いてあるピアノの前に座ると、鍵盤に手を置き、奏太達の演奏に加わった。
突然ピアノの音が加わったことに、奏太達が驚き目を向けると、そこにはピアノを弾くアイバニーゼの姿があった。
アイバニーゼはピアニストだったのか……。
驚きながらも奏太達が演奏を続けると、先程までとは異なるバンド演奏が出来上がった。
合わせていて凄く馴染む。アイバニーゼが加わったことで、曲が完璧なものに近付いている。
まるで今まで足りなかったパズルに1つのピースが合わさったようなーー
それもその筈。奏太はピアノの代わりにアコースティック・ギターを弾いていたのだから。
より原曲に近付いた演奏に、4人は自然と感情が高まる。
4人の演奏が心地良いハーモニーを生み出し、誰もいないコンサートホールを包み込んだーー
そしてアイバニーゼから食事を振る舞うと言われ、3人は斎堂に訪れた。
「凄く豪華な部屋でした~……。」
「小生の部屋も凄かったでござる……!」
響子と金重が部屋の豪勢さに感動を漏らす。
その一方で、奏太は不穏な表情を浮かべていた。
「ーーなぁ……2人とも部屋にベッドはあったか?」
「ふえ? とても大きなベッドがありましたけど……。」
「小生のベッドも5人は寝れそうだったでござる。」
響子と金重が不思議に思いながら奏太の質問に答える。
「……おかしい。俺の部屋には何故かベッドも布団もない。」
「「ええ!?」」
「ーーあ、皆さんお揃いでしたか。今から食事をご用意致しますね。」
奏太の言葉に響子と金重が驚いていると、アイバニーゼが何食わぬ顔で斎堂に現れた。
「なぁアイバニーゼ、俺の部屋だけ寝具がないんだけど……。」
まさかこれは新手の嫌がらせか?
ひょっとして、俺を騎士にしたのも国王とアイバニーゼが俺を陥れる為では……!?
奏太が不穏な思いでアイバニーゼに尋ねると、アイバニーゼは笑顔で答えた。
「奏太様は私の騎士ですので、夜は私のお部屋で共に御就寝頂きます。」
「はぁ!?」
アイバニーゼの口から意味不明な言葉が飛び出し、奏太が声を荒げる。
「いやいやちょっと待て! それは流石にまずいだろ!」
「そうですよ!」
「ふ、不埒でござる……!」
「あら? どうしてですの? ベッドは2人でも十分寝れる大きさですよ。」
しかも同じベッドで寝るつもりかよ! お姫様と、しかもこんな15歳そこらの少女と一緒に寝るなんて、色々とヤバすぎるだろ!
美人には目がない奏太も、年頃にも満たない少女には流石に興味を持たなかった。
「えっと……お城ではアイバニーゼさんはお付きの方とご一緒に寝てらっしゃったのですか?」
「いえ……ですがその時は私専属の騎士はおりませんでしたので。騎士が護衛の為、共に寝るのは普通の事ではありませんか?」
「「普通じゃない!」」
奏太と響子が全力で否定し、金重が「あわわわ」と口を覆う。
「婚前の生娘が男と共に寝るものじゃない! 頼むから寝室は別にしてくれ!」
「そうですか……。」
アイバニーゼが残念そうにショボくれるが、こんな事があの子煩悩な国王に知れたらと思うとゾッとする。
「ではお食事も別の方がよろしいのでしょうか……。」
「いや、まぁ食事は別にいいけど……。」
アイバニーゼが悲しそうな表情で尋ねると、奏太が目を逸らしながら答える。
するとアイバニーゼの表情が一気に明るくなり、執事に食事の配膳を促したーー
ーー奏太達が気を取り直して食事の席に着くと、目の前には見たこともない豪華な料理が運ばれて来た。
1つ1つが芸術のように飾られ、この上なく食欲をそそる香りが立つ。
奏太の口から思わず涎が垂れる。
「うわぁ~!」
中でも響子が美味しそうな料理に一段と反応を見せる。
「ーーでは皆さん、頂きましょう! お口に合うと宜しいのですが……。」
「「「頂きます!」」」
アイバニーゼの合図で、3人は勢いよく食べ始めた。
「うめえ! なんじゃこりゃあ!」
「美味しいですぅ~!」
「口の中に幸せが広がるでござる~!」
3人の満足そうな顔に、アイバニーゼは「ふふっ」と笑顔を浮かべたーー
「ーー美味かった~……。」
「お腹一杯です~。」
「こんな豪華な食事は生まれて初めてでござる~。」
「ご満足頂けたようで何よりです。」
こんな美味しい食事が食べられるなら、騎士になったのも悪くないかもしれないな~。
アイバニーゼは変わった子だけど、何だかんだ豪邸に住めるし、音楽堂もあるって話だし。
「ーーあ、そうだ。アイバニーゼ、この後音楽堂を借りてもいいか? バンドの練習をしたいんだが。」
「ご自由にお使い頂いて結構ですが、その……もし宜しければ私もご一緒しても宜しいでしょうか?」
「俺は別に構わないけど……2人とも別にいいよな?」
「私は大丈夫ですよ。」
「小生も問題ないでござる。」
「有難うございます! ではすぐにご案内致しますね!」
奏太達の演奏が聴けることにアイバニーゼは舞い上がり、ルンルンと3人を音楽堂へと案内したーー
ーー音楽堂に入ると、そこにはこれまた壮大な空間が広がっていた。
宿の防音室とは異なり、オーケストラが優に演奏できるほどの広さだ。
というより、最早これはーー
「ーーどこのコンサートホールだよ……」
「観客席までありますね……。」
「誰もいないのに妙に緊張するでござる……。」
バンドの練習のために使うには余りにも大きすぎる規模の練習場に、3人は完全に固まる。
「と、とりあえずLet It Beから始めるか……。」
「はい……。」
「ござる……。」
戸惑う奏太達とは対称的に、アイバニーゼは楽しそうに3人の様子を眺めていたーー
ーー黙々と練習する奏太達を、アイバニーゼは幸せそうに見つめる。
(こんなに近くで奏太様のお歌を聴けるなんて幸せです! やはりお父様にお願いして正解でした! ですがーー)
奏太達の演奏に、アイバニーゼは何か物足りない感情を抱いた。
(ーーそうですわ!)
そして何か思い付いたように、音楽堂に置いてあるピアノの前に座ると、鍵盤に手を置き、奏太達の演奏に加わった。
突然ピアノの音が加わったことに、奏太達が驚き目を向けると、そこにはピアノを弾くアイバニーゼの姿があった。
アイバニーゼはピアニストだったのか……。
驚きながらも奏太達が演奏を続けると、先程までとは異なるバンド演奏が出来上がった。
合わせていて凄く馴染む。アイバニーゼが加わったことで、曲が完璧なものに近付いている。
まるで今まで足りなかったパズルに1つのピースが合わさったようなーー
それもその筈。奏太はピアノの代わりにアコースティック・ギターを弾いていたのだから。
より原曲に近付いた演奏に、4人は自然と感情が高まる。
4人の演奏が心地良いハーモニーを生み出し、誰もいないコンサートホールを包み込んだーー
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