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2章
2B-デジャヴ
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「ぬ……その者らは?」
突然現れた男が、奏太達を見てベリンガに尋ねる。
「ヴィシュガルド王国の冒険者パーティにございます、王よ」
「何!? ではこやつらがエルフを手助けしたとかいう奴らか! 噂によるとなにやらヴィシュガルドの騎士との話も出ているが本当か!?」
ベリンガから『王』と呼ばれた男は、ズームー国王と負けず劣らずの豪快な喋り口調で、奏太達に詰め寄った。
「えっと……はい」
全て事実なので、否定のしようもなく奏太が認めると――
「なにぃ~~? あの眼鏡男め! じゃからわしは獣人国が奴らと同盟を組むというのには反対しておったんじゃ!」
眼鏡男という言葉に金重が若干戸惑うが、恐らくヴィシュガルド国王の事だろう。
どうやら2人は面識があるらしい。
「あの男は初めて会った時からいけ好かん奴じゃった!
突然表舞台に出てきたと思ったら、やれエルフと仲良くしろだの、鉱山を封鎖しろだのと、よその国の内政にいちいち口出ししおって……!
ついにはわしを怒らせるために、エルフ共をけしかけおったか!」
コラグ国王が随分立腹した様子でまくしたてる。
2人の国王の間には確執があるようで、それ言わんことかと悪態をついている。
どうやら案の定、国王の差し金で奏太達が動いたと勘違いしているようだ。
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 確かに俺達がエルフに協力したのは事実だけど、国の指示やギルドの依頼じゃなく、個人的に頼まれてやっただけなんだ!」
「そ、そうです! 王様は何も悪くありません!」
「女性が助けを求める声に応じぬは、武士の名折れでござる!」
「俺は何もしてないぜYeah!」
奏太達は慌てて訪問の目的である、国王への弁明を開始した。
隆司はちゃっかり無関与を主張しているが。
「なにぃ~~!? おいベリンガ! どういう事か説明せい!」
「はっ! 実は――」
途中に奏太達の証言を挟みながら、ベリンガがコラグ国王に対し状況を説明する。
「――なんと、音楽の力でエルフ達を仲裁したとは……。にわかに信じられんな……」
コラグ国王は懐疑的な表情を浮かべつつも、一連の話に一応の納得を見せ、奏太達は喜びの表情を浮かべた。
「ヴィシュガルド王の差し金でないことはわかった。ーーじゃが、おぬしらがエルフを助けたというのは依然気に食わん!」
「「えええ!?」」
誤解は解けてホッとしたのも束の間、なおも怒りをあらわにするコラグ国王。
一体何がそこまで気に食わないのか。
「俺達はこの世界に召喚されて間もないから、ドワーフとエルフの仲についても知らなかったんだ。
仮に知っていたとしても、人助けの何がいけないんだよ」
こちらの事情を話し、なんとか理解を得ようとするも、コラグ国王の眉間のしわは相変わらず深い。
「おぬしらは召喚者か、ふん。なおさら信用が置けん。
エルフなんぞに手を貸すよそ者は、即刻この国から立ち去れぃ」
奏太達が召喚者だということが分かると、コラグ国王はなぜか更に鼻息を荒くし、国外退去を命じる。
「王よ、流石にヴィシュガルド王国の騎士を突き返したとなると、対外的に遺恨が残るかと……」
取りつく島もない状況に流石のベリンガもマズイと思ったのか、大臣として国王に忠告を入れる。
「ふん。元はといえば奴らが我らに配慮しなかったのが悪いのじゃ。
しかも召喚者の言う事なんぞ信用ならん。
本当に騎士なのかどうか怪しいものじゃ」
「しかしもし本当であるならば、コラグ王国の国王は関係国の要人をぞんざいに扱ったとふれ回る可能性もございます」
「ぬぬ……確かにドワーフの名誉に傷が付くのは、わしも望まぬが……このままでもわしの腹は収まらん!」
「では王よ。ここはひとつ、彼らの技能を試されてはいかがかと」
ええーっと、これはデジャヴだろうか……
この流れには見覚えが……。
既視感のある展開に、奏太は冷や汗を流す。
「一体何をどうやって試すのじゃ?」
「彼らは音楽に長けた騎士ということですから、我が国の音楽家と演奏を対決させればよろしいかと。
その上で我が国の音楽家より優れた技能を持っていると分かれば、この者らの主張を認め、丁重に招きましょう。
もし我が国の音楽家より劣れば、エルフに加担した俗物として国から追い返すのがよろしいかと」
「ふむ。確かにそれならば追い返す理由はこやつらに求めることが出来るな」
案の定、決闘する流れになっている。
前回とは違い、今回は剣を交えた戦いではないようだが、外国に行くたびに腕前を試される展開に、奏太達はウンザリとした表情を浮かべた。
「えーっと、何から突っ込むべきか……。音楽の優劣を一体どうやって量るんだ?
ドワーフと人間では音楽の趣向も違うだろうし、主観的観測で俺達の立場を判断されるのは困る」
奏太がまっとうな意見で、ジャッジメントの公平性に疑いをかける。
「もちろん我々も主観で判断したりはしない。
ここは速弾きによる対決で、おぬしらの技術が騎士に値するものかどうかを見極めさせてもらう」
「「は、速弾き対決ぅ!?」」
ベリンガからの意外すぎる提案に、奏太達4人は言葉を揃えて聞き返したーー
突然現れた男が、奏太達を見てベリンガに尋ねる。
「ヴィシュガルド王国の冒険者パーティにございます、王よ」
「何!? ではこやつらがエルフを手助けしたとかいう奴らか! 噂によるとなにやらヴィシュガルドの騎士との話も出ているが本当か!?」
ベリンガから『王』と呼ばれた男は、ズームー国王と負けず劣らずの豪快な喋り口調で、奏太達に詰め寄った。
「えっと……はい」
全て事実なので、否定のしようもなく奏太が認めると――
「なにぃ~~? あの眼鏡男め! じゃからわしは獣人国が奴らと同盟を組むというのには反対しておったんじゃ!」
眼鏡男という言葉に金重が若干戸惑うが、恐らくヴィシュガルド国王の事だろう。
どうやら2人は面識があるらしい。
「あの男は初めて会った時からいけ好かん奴じゃった!
突然表舞台に出てきたと思ったら、やれエルフと仲良くしろだの、鉱山を封鎖しろだのと、よその国の内政にいちいち口出ししおって……!
ついにはわしを怒らせるために、エルフ共をけしかけおったか!」
コラグ国王が随分立腹した様子でまくしたてる。
2人の国王の間には確執があるようで、それ言わんことかと悪態をついている。
どうやら案の定、国王の差し金で奏太達が動いたと勘違いしているようだ。
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 確かに俺達がエルフに協力したのは事実だけど、国の指示やギルドの依頼じゃなく、個人的に頼まれてやっただけなんだ!」
「そ、そうです! 王様は何も悪くありません!」
「女性が助けを求める声に応じぬは、武士の名折れでござる!」
「俺は何もしてないぜYeah!」
奏太達は慌てて訪問の目的である、国王への弁明を開始した。
隆司はちゃっかり無関与を主張しているが。
「なにぃ~~!? おいベリンガ! どういう事か説明せい!」
「はっ! 実は――」
途中に奏太達の証言を挟みながら、ベリンガがコラグ国王に対し状況を説明する。
「――なんと、音楽の力でエルフ達を仲裁したとは……。にわかに信じられんな……」
コラグ国王は懐疑的な表情を浮かべつつも、一連の話に一応の納得を見せ、奏太達は喜びの表情を浮かべた。
「ヴィシュガルド王の差し金でないことはわかった。ーーじゃが、おぬしらがエルフを助けたというのは依然気に食わん!」
「「えええ!?」」
誤解は解けてホッとしたのも束の間、なおも怒りをあらわにするコラグ国王。
一体何がそこまで気に食わないのか。
「俺達はこの世界に召喚されて間もないから、ドワーフとエルフの仲についても知らなかったんだ。
仮に知っていたとしても、人助けの何がいけないんだよ」
こちらの事情を話し、なんとか理解を得ようとするも、コラグ国王の眉間のしわは相変わらず深い。
「おぬしらは召喚者か、ふん。なおさら信用が置けん。
エルフなんぞに手を貸すよそ者は、即刻この国から立ち去れぃ」
奏太達が召喚者だということが分かると、コラグ国王はなぜか更に鼻息を荒くし、国外退去を命じる。
「王よ、流石にヴィシュガルド王国の騎士を突き返したとなると、対外的に遺恨が残るかと……」
取りつく島もない状況に流石のベリンガもマズイと思ったのか、大臣として国王に忠告を入れる。
「ふん。元はといえば奴らが我らに配慮しなかったのが悪いのじゃ。
しかも召喚者の言う事なんぞ信用ならん。
本当に騎士なのかどうか怪しいものじゃ」
「しかしもし本当であるならば、コラグ王国の国王は関係国の要人をぞんざいに扱ったとふれ回る可能性もございます」
「ぬぬ……確かにドワーフの名誉に傷が付くのは、わしも望まぬが……このままでもわしの腹は収まらん!」
「では王よ。ここはひとつ、彼らの技能を試されてはいかがかと」
ええーっと、これはデジャヴだろうか……
この流れには見覚えが……。
既視感のある展開に、奏太は冷や汗を流す。
「一体何をどうやって試すのじゃ?」
「彼らは音楽に長けた騎士ということですから、我が国の音楽家と演奏を対決させればよろしいかと。
その上で我が国の音楽家より優れた技能を持っていると分かれば、この者らの主張を認め、丁重に招きましょう。
もし我が国の音楽家より劣れば、エルフに加担した俗物として国から追い返すのがよろしいかと」
「ふむ。確かにそれならば追い返す理由はこやつらに求めることが出来るな」
案の定、決闘する流れになっている。
前回とは違い、今回は剣を交えた戦いではないようだが、外国に行くたびに腕前を試される展開に、奏太達はウンザリとした表情を浮かべた。
「えーっと、何から突っ込むべきか……。音楽の優劣を一体どうやって量るんだ?
ドワーフと人間では音楽の趣向も違うだろうし、主観的観測で俺達の立場を判断されるのは困る」
奏太がまっとうな意見で、ジャッジメントの公平性に疑いをかける。
「もちろん我々も主観で判断したりはしない。
ここは速弾きによる対決で、おぬしらの技術が騎士に値するものかどうかを見極めさせてもらう」
「「は、速弾き対決ぅ!?」」
ベリンガからの意外すぎる提案に、奏太達4人は言葉を揃えて聞き返したーー
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