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2章 命にふさわしい
アイゼンヴァルト辺境伯領
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アイゼンヴァルト辺境伯領トッカータは、王国の最西端にある大きな街である。
ケロック達の住む東の村から馬車で6時間。草原を抜け、その後の大森林をも抜けた先にある。というか、森の中にあると言った方が正しい。
何でもかつては魔物の巣窟だったようで、7代目勇者パーティの戦士(当時男爵位)だった男が腕力に物言わせて全滅させ切り拓いたのだと言う。
『魔王倒して貴族になったし、自分の領地ぐらい欲しいのう。手付かずで良さげな場所ー・・・・・ここじゃぁっ』てな勢いで僅かな手勢を率い、強さだけなら準魔王級な森のヌシを討伐せしめたというから恐れ入る。
そこからも開拓しながらの魔物討伐、複数の古代遺跡の発掘、それらを利用した農地の開発、帝国軍からの侵攻の防衛など、数々の実績を積んだ末に、小領ながらも史上最速の辺境伯位獲得という偉業を成し遂げたのであった。
また、広大な森に囲まれ自給自足が充分過ぎるほどに発展した村は自然と要塞化していき、当時の強者達が築き上げた兵士のカリキュラムによって、以降十数代に渡り防衛線を維持している。
「トッカータの中心には泉が湧いていましてね、泉の底には【浄滅石】という聖属性の岩盤が敷かれ、汚れや濁りの元となる沈殿物が蓄積されないようになっています」
それだけならただの綺麗な水だが、実はこの泉と岩盤、古代遺跡の出土品であり、闇属性の【呪殺】に近い魔方陣が彫られている。
この岩盤までケーブルで繋がる闇の魔晶石に1日1回微量の魔力を込めると、なんと殺虫殺菌して浄化してくれるスグレモノ。しかも殺菌浄化作用がある程度持続するもんだから、風邪ぐらいなら飲めばすぐ治ってしまう。
これが川になって森の外に流れ数キロ先まで続くのだから、領民達は健康そのものだし下水処理もいらないそうだ(下水については精神衛生上よろしくないのであまり語られないが)。
ただ、聖属性の岩に闇属性の魔方陣は相反する属性なので、現代の魔法技術では再現不可能なんだとか
「トッカータでは浄化作用が強すぎて魚も住めませんが、それらを利用し水栽培や水田に力を入れています。泉の水は瓶詰めが商品化され、上流階級に高値で取引されているそうです。おかげでトッカータは『大陸一清浄な街』とまで言われています」
「・・・ベントレールさんは自分の事のように誇らしげに話しますね」
「自国の事ですから。御二人もこの素晴らしい国の素晴らしい土地の領民として誇って良いんですよ?」
二人は馬車の中でベントレールの説明を聞いていたが、彼の愛国心溢れる熱弁(特に帝国軍との防衛戦)に若干引いてしまっていた。
そんな平和な道程でも、ケロックには一つの懸念があった。
母から父の食事が入ったバスケットを渡された際。
『ケロちゃん』
『?』
『・・・フニちゃんの事、しっかり守りなさい。お兄ちゃんなんだから』
そう言われていた。
何からとは言われていないが、おそらくこのベントレールという男からだろう。
なんとなくだかそんな気がして、彼の熱弁も胡散臭く思えてならなかった。
そんなこんなで数時間が経過。
3人(と1匹?)を領主邸の玄関口で待ち受けていたのは。
「俺がぁ・・・・バルディアス・バルガ・フォン・アイゼンヴァルトだ・・・・・ぬぅん」
見事なモストンマスキュラーを決めるブーメランパンツの変態だった。
ケロック達の住む東の村から馬車で6時間。草原を抜け、その後の大森林をも抜けた先にある。というか、森の中にあると言った方が正しい。
何でもかつては魔物の巣窟だったようで、7代目勇者パーティの戦士(当時男爵位)だった男が腕力に物言わせて全滅させ切り拓いたのだと言う。
『魔王倒して貴族になったし、自分の領地ぐらい欲しいのう。手付かずで良さげな場所ー・・・・・ここじゃぁっ』てな勢いで僅かな手勢を率い、強さだけなら準魔王級な森のヌシを討伐せしめたというから恐れ入る。
そこからも開拓しながらの魔物討伐、複数の古代遺跡の発掘、それらを利用した農地の開発、帝国軍からの侵攻の防衛など、数々の実績を積んだ末に、小領ながらも史上最速の辺境伯位獲得という偉業を成し遂げたのであった。
また、広大な森に囲まれ自給自足が充分過ぎるほどに発展した村は自然と要塞化していき、当時の強者達が築き上げた兵士のカリキュラムによって、以降十数代に渡り防衛線を維持している。
「トッカータの中心には泉が湧いていましてね、泉の底には【浄滅石】という聖属性の岩盤が敷かれ、汚れや濁りの元となる沈殿物が蓄積されないようになっています」
それだけならただの綺麗な水だが、実はこの泉と岩盤、古代遺跡の出土品であり、闇属性の【呪殺】に近い魔方陣が彫られている。
この岩盤までケーブルで繋がる闇の魔晶石に1日1回微量の魔力を込めると、なんと殺虫殺菌して浄化してくれるスグレモノ。しかも殺菌浄化作用がある程度持続するもんだから、風邪ぐらいなら飲めばすぐ治ってしまう。
これが川になって森の外に流れ数キロ先まで続くのだから、領民達は健康そのものだし下水処理もいらないそうだ(下水については精神衛生上よろしくないのであまり語られないが)。
ただ、聖属性の岩に闇属性の魔方陣は相反する属性なので、現代の魔法技術では再現不可能なんだとか
「トッカータでは浄化作用が強すぎて魚も住めませんが、それらを利用し水栽培や水田に力を入れています。泉の水は瓶詰めが商品化され、上流階級に高値で取引されているそうです。おかげでトッカータは『大陸一清浄な街』とまで言われています」
「・・・ベントレールさんは自分の事のように誇らしげに話しますね」
「自国の事ですから。御二人もこの素晴らしい国の素晴らしい土地の領民として誇って良いんですよ?」
二人は馬車の中でベントレールの説明を聞いていたが、彼の愛国心溢れる熱弁(特に帝国軍との防衛戦)に若干引いてしまっていた。
そんな平和な道程でも、ケロックには一つの懸念があった。
母から父の食事が入ったバスケットを渡された際。
『ケロちゃん』
『?』
『・・・フニちゃんの事、しっかり守りなさい。お兄ちゃんなんだから』
そう言われていた。
何からとは言われていないが、おそらくこのベントレールという男からだろう。
なんとなくだかそんな気がして、彼の熱弁も胡散臭く思えてならなかった。
そんなこんなで数時間が経過。
3人(と1匹?)を領主邸の玄関口で待ち受けていたのは。
「俺がぁ・・・・バルディアス・バルガ・フォン・アイゼンヴァルトだ・・・・・ぬぅん」
見事なモストンマスキュラーを決めるブーメランパンツの変態だった。
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