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第4話
しおりを挟む自分で分かってても止めれない
ネットだけが僕の居場所、ネットが僕の世界…
僕にはもう現実で未来なんてない。
これでいいんだ、僕は一生現実でひとりぼっち。ネットの向こうの彼等さえ居れば他は要らないんだから。
僕の頭にネットしか無くなった頃、精神が完全におかしくなる手前までいくような事が起こった。
配信の時の僕の名前は和也(かずや)、女っぽいのは嫌だったからアイコンも名前も男っぽくしていた。しかし声はあんまり地声から変わっていない、中性系として過ごしていた。それなりに男も女も関わってくれて楽しかった。
その頃は配信で仲良くなってずっと繋がってくれる宣言をした女子を嫁にするのがブームだった、可愛い子と話せるし実際嫌な思いはしなかった。ある程度話せたあとは
「僕のお嫁さんに来てくれませんか?」
とどんどん嫁を増やしていった。
《和也の嫁です》
と書いて貰えて嬉しくて有頂天になったし、嫁と言う程だから長く長く繋がってくれる…そう思っていた。
なのに…
新しく僕の嫁に来た【わんこ】ちゃん、僕より年下でとてもカワボ。僕の声をイケボだと言ってくれる子だった、褒めてくれる人なんかいなかったからその子を凄く好いていた。始めは僕に呼ばれたら
《かっこよすぎてやばいですっ////》
とか言ってくれて僕は謙遜してわんこちゃんを褒めたり楽しく配信していた。でもこの子は僕の配信でコラボに来ていた【タコ】さんと言う男子の声に惚れてしまったのだ、それからと言うもの僕を褒めないし僕の配信中に
《あっタコさんが配信始めたみたいですっ!私落ちますね!!》
と来てすぐなのに落ちたり、僕を褒めなくなったり…更には
《タコさんが一番かっこいいですっ!確かに和也さんもイケボだと思いますけど…やっぱり一番はタコさんですっ!!!》
…なんて言われて、その子のフォローを外した。
確かにこんな事で、と思う人もいるかもしれないけど。ずっと好きですって言われててこんな風に比べられたらさすがに嫌だった。
後日、わんこちゃんからのフォローは外されブロックされていた。
『あぁ、褒めてたのもただのお膳立て。好きでもないのに好きって言ってたんだな…そりゃそうか』
自分にいい所はないしそんなの自覚してる、けど僕にとってはとても辛かった。
『あーあ、初めて褒められたのに嘘だったんだ…』
それからと言うもの
『ネットなんて所詮スマホ越し。メッセージだけじゃどんな人かもわかんないし嘘も簡単につける、真に受けちゃダメだ。』
…なんて思い続けて人間不信になってしまった。
自殺も考えた、現実もネットも支えにならない。信じられない…なら死んだっていいでしょ?元々死のうとしてた身な訳だしw
負のスパイラルにハマって完全に病んでしまっていた、でも大人も友達も頼れる人は僕にとっていなかった。また一人で考えて一人で苦しんで一人で泣いて…
自殺を決めてそれをネッ友に話した後死のう、そう考えていた。
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