変人とアナニスト~イケメンCEOに求婚されましたが下半身丸出しの変態でした~

篠崎笙

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パートナーがヤンデレです。

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「郁。まだサインをしてないのか?」
篠塚さんは婚姻届を見て、肩を竦めた。

「……ぼくは別に、いいけど。し、……賢吾さんは社長さんなんだよね? 大丈夫なの? 男と結婚なんかして」
表立って言ったら差別になるから言われないだろうけど。

まだ、マイノリティには厳しい世の中だと思う。有名人なようだし。
叩かれるんじゃないかと思うとこわい。


「社長ではなく、chief executive officer、CEOだ」

理事会または取締役会の下ですべての業務執行を統括する役員、執行役員。最高経営責任者。
つまり、社長よりもずっと偉い人なわけか。

「なら、もっとまずくない?」
「何故? 文句を言われたら差別主義者として訴えてやるさ。それにもう、会社には男性相手の結婚を表明している」

「…………へ?」


本当だった。
経済ニュースのトップ記事になってて。このマンションはコンシェルジェが24時間待機してるので、マスコミが侵入できないけど。
外にはいっぱい待ち構えてるようだ。

ぼくは引きこもりだから、よく知らなかったけど。
篠塚さんって、ここまで有名人だったんだ。


……どうしよう。


★☆★☆★


眠っていて。
気がついたら篠塚さんに、後ろからズコバコ犯されていた。


「な、何して、……あぅ、」
ズン、と奥まで突き上げられる。

「やっと気がついたのか?」
くすりと笑う気配。

「寝顔が可愛らしくて悪戯していたら、その気になってしまった」


いや、相手に許諾なくするのって、犯罪ですよ?
家庭内DVだってば。

あれ? ドメスティックなバイオレンスだから普通にDVでいいんだっけ? いや、そもそも普通のDVって何だ。
デートDVとかあったような……。


まあしょっぱなから不法侵入の上、初めては強姦だったので、今更犯罪とか言うのも何だなって感じだけど。
勝手にイタズラしといて、その気になっちゃった責任は身体で取れ、とか勝手なこと言って。
あんたはBLの自己中攻かと。


「ん、」
でも。気持ち良いし、いいか。

などとすぐにどうでもよくなってしまう。
我ながら快楽に弱い身体である。篠塚さんが上手すぎるのがいけない。


「……やはり起きている時の方が反応がいい。よく締まる」
耳朶を甘噛みされる。

「け、賢吾さん。そろそろ、日課の日光浴の時間じゃ、」

朝日にちんこを当てないと調子が狂うんだとか言って、毎朝上はスーツで下半身マッパ、という変質者的スタイルで。
朝食の時も下半身フルモンティなので、ソーセージが食えなくなりそうだった。


「……郁の中に入れてる方が、朝陽を浴びるよりも調子が良くなると気付いてね。やはり君は、私の太陽だ」

上手い事言った、みたいなドヤ顔が想像できる言い方だった。
いや、上手くないから。

「さあ郁。私のミルクを飲み込みなさい」


ぼくは篠塚さんと付き合うことになって、色々と知りたくなかった事実を知ってしまった。
精液は色も味も、ミルクになんか少しも似てません。


ああ、こんな変態で、変人なのに。
何でぼくは、こんな人を好きになってしまったのだろう。謎だ。


★☆★☆★


……今日もマンションの前にはマスコミがうろうろしている。


編集部からの進展伺いのメールでも、近所だし、会ったことある? とか、何か知らないかと探りを入れられたくらいだ。
見掛けたことはあって、イケメンだったから漫画のモデルにしちゃった、くらいで返しといた。

バレたらえらいことになるな。
ましてや、最近になっての路線変更。色々と深読みされてしまうに違いない。

バリバリノンケの男性向けエロ漫画家まで受けにしてしまう、魔性の攻め! 篠塚賢吾、おそろしい男……!
とか言って。


仕事机に置かれた婚姻届を見る。

早くサインをしてくれ、と。あまり口には出さなくなったけど。
それとなく、急かされてる。

好きだって言われて。
プロポーズされて、嬉しかったけど。

まだ、サインする気力がわかないんだよな。
これってマリッジブルーってやつ? いや違うか。


でも、名前を変えたら、役所に届けないといけないんだよな。
銀行とかマンションの権利書とか実印とか書き換えしないといけないし。

銀行の名義が変わったら、出版社にも届けないといけないし。
そしたら、いくらなんでもバレるよな……。


そもそも、結婚するってことに意味があるのだろうか?
何かあった時、他人だと病室に入れないとか、遺産の問題だっけ?

……そういうの、考えたくないなあ。


いっそ、誰も知らないような場所に逃げてしまいたくなる。

ネットさえ繋がればどこでも仕事は出来るし。
宅配が届く範囲なら食事にも困らないし。


★☆★☆★


「逃げたら、どんな手段を使っても探し出して捕まえて、一生、この部屋に閉じ込めるよ?」
いつの間にか帰ってきていた篠塚さんに、耳元で囁かれた。


「……へ?」
「ん? 違ったかな? 郁が、何だかここから逃げ出しそうな感じがしたものでね」
篠塚さんは優しく微笑んだ。

こわっ! エスパーか!


「籍を入れるのがどうしても嫌なら、サインはしなくてもいいが。……郁は、私のものだ。嫌だと言ってももう、一生離さないからね?」
引き寄せられて、キスをされる。


うわあ。ヤンデレだ。
リアルヤンデレだよ、この人!

そういや勝手に合鍵作ったり、不法侵入する人でしたね!


「私なしではいられない身体にしてやらないと、駄目かな?」
もう指を入れてるし。

「はぅ、……あ、」

怖い人だけど。
ぼくだって、もう。離れたくないくらい、好きなんだ。


逃げたいのは、篠塚さんからじゃない。世間からだ。
そう告げると。

「わかった。マスコミはどうにか対処しよう。役所などの手続きも煩わしいなら、全て私が引き受ける」
そう言って。


「だから、もう諦めて、私との婚姻届にサインをしなさい」
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