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美しき国王の下着

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俺の”女の部分”って。
特定の条件……女性器に精子を注がれるまで受精可能な状態にならないらしいから、生理もないし、それまでは男と変わりないんだよな。

生理って、しんどくてめちゃくちゃ痛いみたいだから、できればなりたくない……。


『こんな小さいのに、ブラジャーとか必要か? 垂れるほどもないだろ?』
そう言うと、困ったような顔をされた。

『下着が必要なのは、形が崩れないよう、矯正するためだけではありませんよ。……例えば、』

「うわっ!?」
ロロはフリルのシャツに手をかけて。左右に引き裂いた。


*****


「……こうして、枝とかに引っかけて破れたら。ささやかな膨らみが丸見えだ」
とか言いながら、乳首をつんつんとつつかれる。

自分で引き裂いといて、何言ってんだこいつ。
ささやかで悪かったな!

それに、せっかくレースを編んでくれた職人に申し訳ないと思わないのか。もったいない!


俺は今でもまだ、気持ち的には半分以上、男のつもりだけど。
生まれ変わってから、人前じゃ上半身ですら、肌をさらしたことはない。

それは貴族だからって思ってたけど。
身体は半分女だから、アンドレが気を付けて、そういう風に育ててきたんだってわかる。


最近は、少々胸が膨らんできたし。
脱がなくても、生地の薄い服だったら目立つよな。雨に濡れたりして透けたり。

やっぱり必要なのか? ブラジャー。


こっちのパンツは、男女どっちも紐パンなんだよな。
洋服も、だいたい紐で結ぶような凝ったデザインが多いから、脱ぎ着が面倒くさいったらありゃしない。

前世の俺はトランクス派だったから、布地の少ないパンツは少々心許ないんだけど。
ちっさいから布地が小さくても充分隠れるだろ、とか言わない。

一応、ボタンはあるけど。
ジッパーやマジックテープ、ゴムはまだないから、その辺も早急に進化させたいところだ。

優雅とか余裕を高貴とか思ってる貴族の場合、着るのに時間がかかったり人の手を借りないと着れないような服がスタンダードだけど。
着替えなんかに時間を掛けてらんない一般家庭では、手間の掛からない服の方がありがたいだろう。


*****


「白い肌に、この二つの突起も目立つな。……ほら、色が濃くなってきた。果実のようだ」
指先でくにくにしたり、摘まんだりするから、充血してきた。


このエロ伯爵……じゃなくてエロ王佐。

俺が恥ずかしがる姿を見るのが楽しいようで、わざと恥ずかしいことを言ったりしたりするんだからいい性格している。
このエロい口を黙らせるには、キスをして物理的に黙らせたり、ロロの望む行動をしたり。俺が積極的に動かないとやめないんだから困る。


「こんな美味そうな果実を見せられたら、ついばまずにいられなくなる」
ちゅっ、と吸い付かれる。お前は鳥か。

『そうなったら、こうやって隠すし』
ロロの顔を押しのけて、自分の手で胸を覆い隠した。

ちっさいから、全部余裕で隠れるぞ! これがほんとの手ブラってか。


「なら、手がふさがってたら?」
恋人つなぎするみたいに、手を握り込まれてしまった。

まったく、しょうがない奴だな。


『……その時は、ロロ以外の誰にも見られないよう、ロロが身体で覆い隠してくれるんだろ?』
ロロは大きいから、腕の中にすっぽりと納まって、隠れられるだろう。


「もちろんだ。こんな色っぽくて可愛いあんたの姿、誰にも見せないに決まってる」
嬉しそうに、抱き締められた。

この返事で正解だったようだ。


*****


そういえば。
今日は結婚式で。嬉し恥ずかし初夜な訳だ。

その前からエロいことしたっていうか、されまくってたけど。


俺のことを独り占めしたいから、妊娠はさせたくない。
つまり、女の部分には挿入しないとか言ってたが。本当だろうか?
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