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ローラン・ロートレック・ド・デュランベルジェの人生
Je t’aime à croquer.(食べたいくらい愛している)
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アンリのことが、際限なく、欲しくなる。
いっそ、幻滅できるような欠点でもあれば、と思ってしまう。
生きた人間ならば、醜い部分があって当然だというのに。アンリにはそれがない。
「なあ、アンリ。あんたはどうして俺を受け入れてくれたんだ?」
寝顔に囁いてみる。
「ん~、」
吐息が耳をくすぐったせいか、くすぐったそうに身を捩らせ、笑みを浮かべた。
そんな可愛らしい寝顔をして。
どんな夢を見ているのか。
あんたの夢の中に、俺は存在しているのか?
*****
アンリが恥ずかしがるので、寝室は薄暗くしているが。
明るいところで、アンリの肢体を見てみたくなった。
アンリはまだ、夢の中だ。
意外にも朝が弱いようで、起き抜けはいつもぼんやりしている。こんなかわいい姿を毎朝見ていたアンドレが心底憎らしいが。
あいつはもう二度と見られないのだと、無理矢理溜飲を下げた。
アンリの顔に光が当たらないよう、寝台のリドを開き。
肢体を覆っていたクヴェルテュルをめくると。
アンリの傷一つない白い肌が陽光に晒され、光を弾いている。
……美しい。
数時間前まで、俺の下で身悶え喘いでいたとは思えないほど、清らかな姿だ。
陶器のように白く、滑らかな肌。
細い首、浮き出た鎖骨は。天才的彫刻家でも再現不可能だろう。
黒い髪は、猫のようにやわらかく細い。
アンリは腋にも股間にも陰毛が生えていない。腕や脛も産毛程度だ。
俺が刺激したせいか、少しだけ膨らんだ乳房はツンと上向いている。
今は淡い色の乳首や乳暈は、刺激してやると充血し、美味そうに赤く色づく。
男と女では臍の位置が違うものだが、アンリの臍はその中間くらいにある。
中性的、とはよく言ったものだ。
その美貌も、女にしては固く、男にしてはやわらかい。
どちらでもあり、どちらでもない身体。
まさしく神の御業のような、奇跡的な存在だ。
*****
ほっそりした脚を持ち上げ、左右に開かせる。
まだ未発達な男性器は、大きさも色も形も子供のようでかわいらしい。舐めしゃぶると甘い蜜を出してくれる。
睾丸はギュイモーヴのようにやわらかで肌触りが良く、いつまでも弄っていたくなる。
その下には、筋のような女性器がある。
指を入れるのもきついほどだった。
アンリが本気で拒絶したのは、そこに触れた時だけだったな。
なのでそれ以来、そこには触れていない。
完全体の女性器について、とある噂がまことしやかに囁かれている。
一度男性器を挿入されれば、女の性に目覚め、挿入された相手としか性行為を受け付けなくなる、というものだ。
完全体自体が貴重な上、その報告数もあいまいで。その情報は信用できたものではないが。
もし本当に、それだけでアンリが俺だけしか見なくなるのなら。
今すぐにでも、アンリの女性器を貫いてやりたい。
だが。
俺が欲しているのは、女になったアンリじゃない。
そのままのアンリだ。
結婚したら、子を作らなければならなくなるが。
アンリが嫌がるなら、ここに挿れることはない。別の方法を考えなければ。
*****
「……ロロ……? 何をしている……?」
怒りを押し殺したような声。
アンリはすっかり目を覚ましていた。
半眼で睨まれている。
どんな表情でも、アンリは綺麗だ。
「おはよう、アンリ。今朝は良い天気だから、日光浴も悪くないだろう?」
にっこり笑って言うと。
怒ったアンリに、寝台から蹴り落された。
真っ赤になって胸と股間を手で覆う仕草がそれはもう可愛かった。少々痛い目に遭ってもお釣りがくるくらいのご褒美だった。
しかし。
”エッチ”というのは何だろう?
舌打ちなどの類ではなさそうだったが。
いっそ、幻滅できるような欠点でもあれば、と思ってしまう。
生きた人間ならば、醜い部分があって当然だというのに。アンリにはそれがない。
「なあ、アンリ。あんたはどうして俺を受け入れてくれたんだ?」
寝顔に囁いてみる。
「ん~、」
吐息が耳をくすぐったせいか、くすぐったそうに身を捩らせ、笑みを浮かべた。
そんな可愛らしい寝顔をして。
どんな夢を見ているのか。
あんたの夢の中に、俺は存在しているのか?
*****
アンリが恥ずかしがるので、寝室は薄暗くしているが。
明るいところで、アンリの肢体を見てみたくなった。
アンリはまだ、夢の中だ。
意外にも朝が弱いようで、起き抜けはいつもぼんやりしている。こんなかわいい姿を毎朝見ていたアンドレが心底憎らしいが。
あいつはもう二度と見られないのだと、無理矢理溜飲を下げた。
アンリの顔に光が当たらないよう、寝台のリドを開き。
肢体を覆っていたクヴェルテュルをめくると。
アンリの傷一つない白い肌が陽光に晒され、光を弾いている。
……美しい。
数時間前まで、俺の下で身悶え喘いでいたとは思えないほど、清らかな姿だ。
陶器のように白く、滑らかな肌。
細い首、浮き出た鎖骨は。天才的彫刻家でも再現不可能だろう。
黒い髪は、猫のようにやわらかく細い。
アンリは腋にも股間にも陰毛が生えていない。腕や脛も産毛程度だ。
俺が刺激したせいか、少しだけ膨らんだ乳房はツンと上向いている。
今は淡い色の乳首や乳暈は、刺激してやると充血し、美味そうに赤く色づく。
男と女では臍の位置が違うものだが、アンリの臍はその中間くらいにある。
中性的、とはよく言ったものだ。
その美貌も、女にしては固く、男にしてはやわらかい。
どちらでもあり、どちらでもない身体。
まさしく神の御業のような、奇跡的な存在だ。
*****
ほっそりした脚を持ち上げ、左右に開かせる。
まだ未発達な男性器は、大きさも色も形も子供のようでかわいらしい。舐めしゃぶると甘い蜜を出してくれる。
睾丸はギュイモーヴのようにやわらかで肌触りが良く、いつまでも弄っていたくなる。
その下には、筋のような女性器がある。
指を入れるのもきついほどだった。
アンリが本気で拒絶したのは、そこに触れた時だけだったな。
なのでそれ以来、そこには触れていない。
完全体の女性器について、とある噂がまことしやかに囁かれている。
一度男性器を挿入されれば、女の性に目覚め、挿入された相手としか性行為を受け付けなくなる、というものだ。
完全体自体が貴重な上、その報告数もあいまいで。その情報は信用できたものではないが。
もし本当に、それだけでアンリが俺だけしか見なくなるのなら。
今すぐにでも、アンリの女性器を貫いてやりたい。
だが。
俺が欲しているのは、女になったアンリじゃない。
そのままのアンリだ。
結婚したら、子を作らなければならなくなるが。
アンリが嫌がるなら、ここに挿れることはない。別の方法を考えなければ。
*****
「……ロロ……? 何をしている……?」
怒りを押し殺したような声。
アンリはすっかり目を覚ましていた。
半眼で睨まれている。
どんな表情でも、アンリは綺麗だ。
「おはよう、アンリ。今朝は良い天気だから、日光浴も悪くないだろう?」
にっこり笑って言うと。
怒ったアンリに、寝台から蹴り落された。
真っ赤になって胸と股間を手で覆う仕草がそれはもう可愛かった。少々痛い目に遭ってもお釣りがくるくらいのご褒美だった。
しかし。
”エッチ”というのは何だろう?
舌打ちなどの類ではなさそうだったが。
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