底辺オタクがチート性能ガチ盛りなフタナリ美形に転生~魔法王国の王様に俺はなる!

篠崎笙

文字の大きさ
60 / 83
ローラン・ロートレック・ド・デュランベルジェの人生

Mon amour pour toi s’accroît de jour en jour.(あなたへの恋情は日々強くなるばかり)

しおりを挟む
国王退位前、最後の舞踏会の招待状が来た。

次期国王候補であるアンリは、さぞ注目されるだろう。
娘を持つ貴族が本気を出してくるに違いない。拉致されて媚薬などを使われないよう、気を付けなくては。

普段、そんな誘惑は俺を盾にして逃げていたが。
ヴェルソー侯を次期国王にと推す一派も、アンリの命を狙ってくるだろう。

貞操だけでなく、命も狙われるとは、人気者は辛いな。

さすがに今回だけは、俺一人では心許ないと判断したのだろう。
アンドレも魔法で変えていた髪の色を戻し、王子として参加して、アンリの警護につくという。


俺とアンドレに対抗し得る剣士はそういないだろうが。念には念を入れて。


*****


「……や、もう、ここを出ないと……、」
色っぽく身もだえるアンリの尻に、腰を叩きつける。

「まだ、大丈夫だ」
俺の精を、たっぷり注いで。

俺の匂いを刻みつけるように摺り込んでやる。


抱いて色っぽくなったアンリを見せるのは、本当に嫌だが。
もうすでにアンリは俺と身体を重ねる関係になったのだと、知らしめなければならない。

俺がアンリの補佐に回ったことは、すでに広まっているだろう。
よほど鈍感でなければ、察するはずだ。


今は、愛人という認識でもいい。

アンリのこの顔を目にすれば。少なくとも、若い娘は近寄って来ないだろう。
後は、その親達を俺が魔力で威嚇するだけだ。

アンリは俺のものだ。


自分でなるように仕向けたというのに。
いざアンリが他人から注目された時、自分でも驚くほど腹が立った。我ながら狭量すぎる。

アンドレが髪の色を戻し、王子の服を着ているのを見て。
アンリがそれに対し、似合うと言っていたのにも、苛々してしまった。俺はそんなこと、一度も言われたことがないからだ。

……俺の正装は、似合っていないのだろうか。


その日、ヴェルソー侯アレクサンドルが自らアンリに挨拶をするのに足を運び、自分は元々国王になる気はなく、アンリを応援しているのだと、申し訳なさそうに言った。

なら、周囲にもはっきり意思を伝えて、勝手に動いてる臣下や親戚を止めろ。
そう言いたいが。無理だろうことはわかっている。

この気弱で善良なだけの無能が野心を抱かなくて、本当に良かったと思う。
本気で王を目指したら、身分からして一番有利だからな。


それに、さすがにこのお人よしの侯爵を行動不能なまでに傷つけたり、暗殺するのは気が咎める。


*****


いつもは無理矢理アンリの手を取り、俺と踊ってもらっているが。

今日は体調不良だという名目で、踊るのは中止だと言うと、
皆残念そうな顔をしていた。

自分がアンリと踊れなくても、踊る姿を見るだけで充分眼福だからな。


「……はぁ、」

アンリが気だるげに溜息を吐いた。
わざと、で中断したので、欲求不満なのだろう。

「回復魔法は掛けたが。疲れたのか?」
「…………」
お前のせいだろう、というような恨めし気な視線を向けられた。

「悪かった。城に戻ったら、すぐ続きをしよう。……あんたが満足するまで、たっぷりとな」
と耳元で囁いたら。
みるみるうちに、アンリの色白の頬が、薔薇色に染まった。

だからそんな可愛くて色っぽい顔を、俺以外に見せるな。
自分でそうさせといて、何を言ってるんだという感じだが。


「アンリ様、飲み物はいかがですか?」
「俺がもう渡した。果物も」
アンドレが近寄ってこようとするのを阻止する。

この男、隙を見てはアンリの世話をしようとするから油断できない。
世話係なので、当たり前と言えば当たり前なのだが。

今日は第七王子として参加しているのだ。
王子なら、王子らしく凛とした佇まいで立ってろ。給仕係が困惑しているだろうが。人のことは言えないが。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

オレの番になって──異世界に行って愛猫の番にされる話

まめ
BL
不慮の事故により、異世界に転移することになった神木周。 心残りは、唯一の家族だった愛猫・ネロのことだけだった。 ──目覚めた草原で再会したのは、見覚えのある大きな黒い獣。ネロが追いかけてきてくれたのだ。 わからないことばかりの異世界だけど、ネロがいるからきっと大丈夫。 少しずつ心をほどき、神に招かれた世界で穏やかな毎日を楽しむ周たち。 しかし、そんな彼らに不穏な気配が忍び寄る―― 一人と一匹がいちゃいちゃしながら紡ぐ、ほのぼの異世界BLファンタジー。 こんにちは異世界編 1-9 話 不穏の足音編 10-18話 首都編 19-28話 番──つがい編 29話以降 全32話 執着溺愛猫獣人×気弱男子 他サイトにも掲載しています。

推しのために、モブの俺は悪役令息に成り代わることに決めました!

華抹茶
BL
ある日突然、超強火のオタクだった前世の記憶が蘇った伯爵令息のエルバート。しかも今の自分は大好きだったBLゲームのモブだと気が付いた彼は、このままだと最推しの悪役令息が不幸な未来を迎えることも思い出す。そこで最推しに代わって自分が悪役令息になるためエルバートは猛勉強してゲームの舞台となる学園に入学し、悪役令息として振舞い始める。その結果、主人公やメインキャラクター達には目の敵にされ嫌われ生活を送る彼だけど、何故か最推しだけはエルバートに接近してきて――クールビューティ公爵令息と猪突猛進モブのハイテンションコミカルBLファンタジー!

転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜

隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。 目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。 同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります! 俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ! 重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ) 注意: 残酷な描写あり 表紙は力不足な自作イラスト 誤字脱字が多いです! お気に入り・感想ありがとうございます。 皆さんありがとうございました! BLランキング1位(2021/8/1 20:02) HOTランキング15位(2021/8/1 20:02) 他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00) ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。 いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!

転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される

Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。 中1の雨の日熱を出した。 義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。 それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。 晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。 連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。 目覚めたら豪華な部屋!? 異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。 ⚠️最初から義父に犯されます。 嫌な方はお戻りくださいませ。 久しぶりに書きました。 続きはぼちぼち書いていきます。 不定期更新で、すみません。

処理中です...