51 / 65
異世界の王様、日本へ行く。
王様、日本の昔を知る
しおりを挟む
一旦元の世界に帰るのかと思ったら。もう少し、この世界のことを学んでみたい、とバルが言うので。
今日はうちに泊っていくことになった。
そういえば、こっちの世界に興味津々だったっけ。
俺の説明より、実際に見た方がいいだろうし。
異世界の王様、日本の一般家庭にお泊りする。……なんて。動画にでもしたらバズりそうだな。しないけど。
無理してご馳走を出すより、いつもの食事の方が王様的には珍しくて面白いんじゃないかと言ったけど。
その日の夕食は、いつもよりも豪華だった。
お刺身なんて、お祝い事くらいでしか見ないぞ。
あ、俺の結婚祝いがあったか。
やったー。
あっちでは野菜も魚も火を通さないと食べないってバルが言ったら、ここでは衛生的に問題ないので生食可なんだって親父が説明してた。
堆肥を使ってたころは、食事時に言えないようなこともあったらしい。
うええ。
*****
夕食の後。
この国のことを聞きたいと言ったバルに。
祖母ちゃんは、自分が生まれた頃には終わったけど。世界的な戦争があったって話をした。
今は平和に見えるこの国も。
戦時中は敵国からの空襲でこの辺りも一面焼け野原になって、人が大勢死んだとか。敗戦した日本は、しばらく外国のいいなりになってたとか。
そこから今みたいに発達したのは、他の国の良いところを真似したり、失敗しても諦めず、発展させようと頑張った人たちのお陰だという。
今でも地震や台風で被害が出たりしてるけど。
今まであった情報の蓄積により、更に耐震強化したり、土手や堤防などの対策を立てたり。
他の国に支援したお礼に、他の国が復興支援してくれたこととか。
外国は相変わらず宗教問題とか部族間の争いとかでドンパチしてるけど、日本は軍隊の所持をせず戦争をしないことが憲法で決まってるとか。
へえ、スマホが出来たのはつい最近なのか。
祖母ちゃんが子供の頃は、電話には交換手とかいたって。
携帯電話が俺みたいな子供にも普及したのはここ最近で。
30年くらい前には写真も撮れないしwebも見れない、鞄みたいに大きいのしかなかったって。
すげえ。
ポケベル? なにそれポケモンのグッズ?
百年くらい前まで、東京は江戸で。着物姿のお侍さんがいて、日本刀持ってたんだよな?
そう考えると、進化が早いなあ。
だいたいの歴史は習ったつもりだけど。リアルな昔話は初めて聞いたかも。
周りのものみんな、あるのが当たり前みたいに思ってた。
でも、異世界に行ってわかったよ。
先祖たち、昔の人たちの、それこそ命をかけて得た知識と経験の積み重ねで、日本の今があるんだ。
「魔法で元通りに直してしまうのは、民の成長を阻害するのだろうか……?」
過保護すぎたのか、と悩むバルに。
親父が言った。
「すぐに解決できる方法があれば、手を貸すのは間違いではないかと。今までされてた事を急にやめたら、それはそれで不満が出るものです。これは施される国民側の勝手な意見ですが」
人間は、欲深いから。
それが当たり前になっちゃうと、無くなったら不満を覚える。それ以上を求める。
やっぱりバルみたいに、発展を抑えて人口管理しながらやってくしかないのかな。
セントロ王国以外の国は、どんな様子なんだろう?
バルも諦めたくらいだし。
神様が絶望しちゃうような状況なんだろうな。
*****
風呂に入る時、バルはスイッチ一つで風呂が沸くのにも驚いてた。
これ? これはガスで沸かしてるんだよ。
仕組みは知らない。
知らないのに使えるって、考えてみたらすごいことだよな。
あっちの世界ではボイラーで沸かしてるそうだ。
薪をくべるの? キャンプみたいだ。でも、毎日だと大変そうだな。
狭いから、一人ずつしか入れないし、足を伸ばせないけど。
狭いユニットバスも、これはこれで面白い、と笑った。
バルから見れば、小人の家だもんな。今はサイズ感合わせてるけど。
風呂から出て。
バルは脱衣所に用意されてた俺の甚平を着てる。
XXLなんだけど。足が長いから、まるで短パンみたいに見えるな……。
我が家には客室なんていう洒落たものはないので、バルが寝るのは俺の部屋だ。
珍しそうに見回してる。
普通の男子高校生の部屋が珍しいようだ。そりゃそうか。
生まれながらの王様だもんな……。
「エロ本とかは隠しておきな」
母ちゃんが、予備の布団と枕、替えのカバー一式を抱えてきた。
「ももも、持ってねえし!?」
エロ本なんて。
友達が買ってきたのをみんなで見ることはあったけど、あんまりぐっとこなかったし。
そんなもん買う金があったら、おやつ買って食う。
*****
俺のベッドのシーツとか枕カバーを交換して。
床に布団を敷いて。
母ちゃんは、バルに俺のベッドを勧めると、あんたは布団で寝な、って言って部屋を出て行った。
もちろん俺もそのつもりだったんだけど。
マットも無く、布団直に敷くとか。息子に冷たくない?
「じゃあ、バルはそこで寝て」
ベッドを指差す。
「……独り身のように、私に寂しく一人寝をさせるつもりか?」
バルに腕を引っ張られて。
ベッドの上に、正面で向かい合った格好で、横になった。
一応、俺が足を伸ばしても大丈夫な大きさだけど。
バルには狭い。
「一人用なんで、狭くてごめん」
「なに、たまにはこういうのも良いものだ」
ぎゅっと抱き締められて。
クーラーは効いてるけど、身体が熱くなってきた。
もう、脊髄反射みたいに身体に教え込まれちゃってるし。
今日はうちに泊っていくことになった。
そういえば、こっちの世界に興味津々だったっけ。
俺の説明より、実際に見た方がいいだろうし。
異世界の王様、日本の一般家庭にお泊りする。……なんて。動画にでもしたらバズりそうだな。しないけど。
無理してご馳走を出すより、いつもの食事の方が王様的には珍しくて面白いんじゃないかと言ったけど。
その日の夕食は、いつもよりも豪華だった。
お刺身なんて、お祝い事くらいでしか見ないぞ。
あ、俺の結婚祝いがあったか。
やったー。
あっちでは野菜も魚も火を通さないと食べないってバルが言ったら、ここでは衛生的に問題ないので生食可なんだって親父が説明してた。
堆肥を使ってたころは、食事時に言えないようなこともあったらしい。
うええ。
*****
夕食の後。
この国のことを聞きたいと言ったバルに。
祖母ちゃんは、自分が生まれた頃には終わったけど。世界的な戦争があったって話をした。
今は平和に見えるこの国も。
戦時中は敵国からの空襲でこの辺りも一面焼け野原になって、人が大勢死んだとか。敗戦した日本は、しばらく外国のいいなりになってたとか。
そこから今みたいに発達したのは、他の国の良いところを真似したり、失敗しても諦めず、発展させようと頑張った人たちのお陰だという。
今でも地震や台風で被害が出たりしてるけど。
今まであった情報の蓄積により、更に耐震強化したり、土手や堤防などの対策を立てたり。
他の国に支援したお礼に、他の国が復興支援してくれたこととか。
外国は相変わらず宗教問題とか部族間の争いとかでドンパチしてるけど、日本は軍隊の所持をせず戦争をしないことが憲法で決まってるとか。
へえ、スマホが出来たのはつい最近なのか。
祖母ちゃんが子供の頃は、電話には交換手とかいたって。
携帯電話が俺みたいな子供にも普及したのはここ最近で。
30年くらい前には写真も撮れないしwebも見れない、鞄みたいに大きいのしかなかったって。
すげえ。
ポケベル? なにそれポケモンのグッズ?
百年くらい前まで、東京は江戸で。着物姿のお侍さんがいて、日本刀持ってたんだよな?
そう考えると、進化が早いなあ。
だいたいの歴史は習ったつもりだけど。リアルな昔話は初めて聞いたかも。
周りのものみんな、あるのが当たり前みたいに思ってた。
でも、異世界に行ってわかったよ。
先祖たち、昔の人たちの、それこそ命をかけて得た知識と経験の積み重ねで、日本の今があるんだ。
「魔法で元通りに直してしまうのは、民の成長を阻害するのだろうか……?」
過保護すぎたのか、と悩むバルに。
親父が言った。
「すぐに解決できる方法があれば、手を貸すのは間違いではないかと。今までされてた事を急にやめたら、それはそれで不満が出るものです。これは施される国民側の勝手な意見ですが」
人間は、欲深いから。
それが当たり前になっちゃうと、無くなったら不満を覚える。それ以上を求める。
やっぱりバルみたいに、発展を抑えて人口管理しながらやってくしかないのかな。
セントロ王国以外の国は、どんな様子なんだろう?
バルも諦めたくらいだし。
神様が絶望しちゃうような状況なんだろうな。
*****
風呂に入る時、バルはスイッチ一つで風呂が沸くのにも驚いてた。
これ? これはガスで沸かしてるんだよ。
仕組みは知らない。
知らないのに使えるって、考えてみたらすごいことだよな。
あっちの世界ではボイラーで沸かしてるそうだ。
薪をくべるの? キャンプみたいだ。でも、毎日だと大変そうだな。
狭いから、一人ずつしか入れないし、足を伸ばせないけど。
狭いユニットバスも、これはこれで面白い、と笑った。
バルから見れば、小人の家だもんな。今はサイズ感合わせてるけど。
風呂から出て。
バルは脱衣所に用意されてた俺の甚平を着てる。
XXLなんだけど。足が長いから、まるで短パンみたいに見えるな……。
我が家には客室なんていう洒落たものはないので、バルが寝るのは俺の部屋だ。
珍しそうに見回してる。
普通の男子高校生の部屋が珍しいようだ。そりゃそうか。
生まれながらの王様だもんな……。
「エロ本とかは隠しておきな」
母ちゃんが、予備の布団と枕、替えのカバー一式を抱えてきた。
「ももも、持ってねえし!?」
エロ本なんて。
友達が買ってきたのをみんなで見ることはあったけど、あんまりぐっとこなかったし。
そんなもん買う金があったら、おやつ買って食う。
*****
俺のベッドのシーツとか枕カバーを交換して。
床に布団を敷いて。
母ちゃんは、バルに俺のベッドを勧めると、あんたは布団で寝な、って言って部屋を出て行った。
もちろん俺もそのつもりだったんだけど。
マットも無く、布団直に敷くとか。息子に冷たくない?
「じゃあ、バルはそこで寝て」
ベッドを指差す。
「……独り身のように、私に寂しく一人寝をさせるつもりか?」
バルに腕を引っ張られて。
ベッドの上に、正面で向かい合った格好で、横になった。
一応、俺が足を伸ばしても大丈夫な大きさだけど。
バルには狭い。
「一人用なんで、狭くてごめん」
「なに、たまにはこういうのも良いものだ」
ぎゅっと抱き締められて。
クーラーは効いてるけど、身体が熱くなってきた。
もう、脊髄反射みたいに身体に教え込まれちゃってるし。
9
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
公爵子息だったけど勘違いが恥ずかしいので逃走します
市之川めい
BL
魔王を倒した英雄によって建国されたグレンロシェ王国。その後は現在までに二人、王家の血を引く者から英雄が現れている。
四大公爵家嫡男、容姿端麗、成績優秀と全てにおいて恵まれているジルベールは、いつか自分も英雄になると思い、周りには貴公子然とした態度で接しながらも裏では使用人の息子、レオンに対して傲慢に振る舞い性的な関係まで強要していた。
だが、魔王の襲来時に平民であるはずのレオンが英雄になった。
自分とレオンの出生の秘密を知ったジルベールは恥ずかしくなって逃走することにしたが、レオンが迎えに来て……。
※性描写あり。他サイトにも掲載しています。
【完結】召喚された勇者は贄として、魔王に美味しく頂かれました
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
BL
美しき異形の魔王×勇者の名目で召喚された生贄、執着激しいヤンデレの愛の行方は?
最初から贄として召喚するなんて、ひどいんじゃないか?
人生に何の不満もなく生きてきた俺は、突然異世界に召喚された。
よくある話なのか? 正直帰りたい。勇者として呼ばれたのに、碌な装備もないまま魔王を鎮める贄として差し出され、美味しく頂かれてしまった。美しい異形の魔王はなぜか俺に執着し、閉じ込めて溺愛し始める。ひたすら優しい魔王に、徐々に俺も絆されていく。もういっか、帰れなくても……。
ハッピーエンド確定
※は性的描写あり
【完結】2021/10/31
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、エブリスタ
2021/10/03 エブリスタ、BLカテゴリー 1位
限界オタクだった俺が異世界に転生して王様になったら、何故か聖剣を抜いて勇者にクラスチェンジした元近衛騎士に娶られました。
篠崎笙
BL
限界ヲタクだった来栖翔太はトラックに撥ねられ、肌色の本を撒き散らして無惨に死んだ。だが、異世界で美少年のクリスティアン王子として転生する。ヲタクな自分を捨て、立派な王様になるべく努力した王子だったが。近衛騎士のアルベルトが勇者にクラスチェンジし、竜を退治した褒美として結婚するように脅され……。
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
BLゲームのモブに転生したので壁になろうと思います
雪
BL
前世の記憶を持ったまま異世界に転生!
しかも転生先が前世で死ぬ直前に買ったBLゲームの世界で....!?
モブだったので安心して壁になろうとしたのだが....?
ゆっくり更新です。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる