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2 新しい客
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俺は週に2回、月曜日と金曜日にルークのもとへ通っていた。彼はすごい額の給料を提示してくれるから、それだけでもかなりの収入になる。
王都でバイトを探すより全然稼げた。しかしまだ金が足らない。
妹の学園は金持ち向けのエリート校だから学費はバカ高いんだ。
あとルークのもとへ通いやすくするため、俺も王都に住んでいた。だから生活費、家賃代がかなりかかっていた。今にも壊れそうなボロボロアパートでも王都の地価はかなり高い。
そろそろ客を増やそうか。フリーターには時間だけはある。追加で週3日ぐらい仕事を入れても大丈夫だろう。
この仕事を始めて2ヶ月目にして、ようやく流れが掴めてきた。抱かれるのも吸血されるのもそこまで危険はないことに気づいた。
ヴァンパイアの好みの血液であれば案外仕事はもらえるんだ。体を張る仕事だしライバルはあまりいない。
ありがたいことにルークは俺の血を絶品だと言ってくれる。
俺は仕事を仲介してくれる施設にいき血液のサンプルをとってもらった。
あとは依頼が来るのを待つだけ。運良くお気に入りになれたらルークのように月単位で継続してくれるかもしれない。
翌日早速何件か依頼がきた。まずはその中で一番収入が高い依頼主のもとへ行くことにした。
ルーク程ではないがかなりの金額を提示している。高額依頼は大抵危険か面倒な仕事か体を要求されるかのどれかだと思う。
でも背に腹は代えられない。もしかしたらルークみたいに優しく羽振りがいい当たりの客かもしれないし。
指定された場所は大きな大きな屋敷だった。王都でここまでの敷地があるのはかなりのお金持ちだと思う。なんか怖くなってきた…。
屋敷のインターフォンを鳴らし名乗るとすぐに執事のような男性が俺を出迎えた。
「お待ちしておりました」
黒いスーツに、白髪の混じった髪をワックスでしっかり固めた男性は深くお辞儀をする。
最低限のマナーしかわからない俺は緊張して勢いよく頭を下げた。
「よ、よろしくお願いします!」
その後門をくぐり抜け敷地内に通された。庭は真っ赤なバラが咲き誇っており、きちんと手入れされている。計算しつくされた美しい庭はもはや芸術の域に達していた。
屋敷の中もやはりとてつもなく広い。
玄関を入ると真っ赤なカーペットに大きなシャンデリア、そして至る所に絵画が飾られていた。
「うわぁ」
こんなすごいところ俺の泥だらけの靴であがっていいのか本気で心配になる。
そのままスーツの男性は1階の小さな部屋へと案内した。
そして小さな机を挟んで対面に座ると早速話を切り出す。書類のようなものをこちらに差し出してきた。どうやら契約書のようだ。
「依頼内容の件なんですが…。実はお坊ちゃんの吸血の練習になっていただきたいのです」
「吸血の練習ですか」
あらかじめ送られてきた依頼内容の通りだった。
「お坊ちゃんは今年18歳になるのですが、まだ生きた人間から吸血したことがないのです」
ヴァンパイアにとって血は嗜好品だから飲まなくても別に死ぬわけではない。大抵は人間の恋人を作ってその人からもらうことが多い。
もしくは俺みたいな人間を雇って血をもらう金持ちもいる。一般的なのは輸血パックを買って飲むという方法。鮮度は落ちるが手軽に入手することができる。まぁ、ジュースみたいなものか。
18の男の子が生の血を飲んだことがないというのは有りがちなことだと思うけど。
「吸血はヴァンパイアの本能。お坊ちゃんにも若いうちから経験してほしいと旦那さまから申し付けられているのです」
彼は次に、厚みのある封筒を手渡した。
「これは本日のお給料でございます」
「え、こ、こんなに頂いてもいいんですか?!」
重さで分かる。かなりの金額が入っている。しかも前払いなんて…。
「継続することができれば更に上乗せしますよ」
「はぁ…」
多分当初の依頼内容の倍は貰っていると思う。なんだか怪しくなってきた。こんなにうまい話があっていいのか。
「継続することができればというのは…?どのくらいの期間の契約になりそうですか?」
俺は探りを入れるように質問を重ねた。
執事は眉を下げながら小さな声で呟く。
「今まであなたのようなお方に何人か依頼をしました。ですがみんな初日でやめていったんですよ」
「そうなんですか…」
「いえ実際には追い払われてしまったのです。お坊ちゃんは少々気が強く…」
男性はそこで言葉を濁した。
「とりあえずお坊ちゃんの気に障るようなことはしないで頂きたいのです。逆らわないこと、身長・見た目に触れないこと。約束してください」
「わ、わかりました」
もしかしたらお坊ちゃんはかなり気性が荒いのかもしれない。怪我でもさせられないか心配だ…。
でもこんなに高額なバイトはそうそうない。できるだけ気に入られるように頑張ろう…っ。やばかったら逃げればいい。
王都でバイトを探すより全然稼げた。しかしまだ金が足らない。
妹の学園は金持ち向けのエリート校だから学費はバカ高いんだ。
あとルークのもとへ通いやすくするため、俺も王都に住んでいた。だから生活費、家賃代がかなりかかっていた。今にも壊れそうなボロボロアパートでも王都の地価はかなり高い。
そろそろ客を増やそうか。フリーターには時間だけはある。追加で週3日ぐらい仕事を入れても大丈夫だろう。
この仕事を始めて2ヶ月目にして、ようやく流れが掴めてきた。抱かれるのも吸血されるのもそこまで危険はないことに気づいた。
ヴァンパイアの好みの血液であれば案外仕事はもらえるんだ。体を張る仕事だしライバルはあまりいない。
ありがたいことにルークは俺の血を絶品だと言ってくれる。
俺は仕事を仲介してくれる施設にいき血液のサンプルをとってもらった。
あとは依頼が来るのを待つだけ。運良くお気に入りになれたらルークのように月単位で継続してくれるかもしれない。
翌日早速何件か依頼がきた。まずはその中で一番収入が高い依頼主のもとへ行くことにした。
ルーク程ではないがかなりの金額を提示している。高額依頼は大抵危険か面倒な仕事か体を要求されるかのどれかだと思う。
でも背に腹は代えられない。もしかしたらルークみたいに優しく羽振りがいい当たりの客かもしれないし。
指定された場所は大きな大きな屋敷だった。王都でここまでの敷地があるのはかなりのお金持ちだと思う。なんか怖くなってきた…。
屋敷のインターフォンを鳴らし名乗るとすぐに執事のような男性が俺を出迎えた。
「お待ちしておりました」
黒いスーツに、白髪の混じった髪をワックスでしっかり固めた男性は深くお辞儀をする。
最低限のマナーしかわからない俺は緊張して勢いよく頭を下げた。
「よ、よろしくお願いします!」
その後門をくぐり抜け敷地内に通された。庭は真っ赤なバラが咲き誇っており、きちんと手入れされている。計算しつくされた美しい庭はもはや芸術の域に達していた。
屋敷の中もやはりとてつもなく広い。
玄関を入ると真っ赤なカーペットに大きなシャンデリア、そして至る所に絵画が飾られていた。
「うわぁ」
こんなすごいところ俺の泥だらけの靴であがっていいのか本気で心配になる。
そのままスーツの男性は1階の小さな部屋へと案内した。
そして小さな机を挟んで対面に座ると早速話を切り出す。書類のようなものをこちらに差し出してきた。どうやら契約書のようだ。
「依頼内容の件なんですが…。実はお坊ちゃんの吸血の練習になっていただきたいのです」
「吸血の練習ですか」
あらかじめ送られてきた依頼内容の通りだった。
「お坊ちゃんは今年18歳になるのですが、まだ生きた人間から吸血したことがないのです」
ヴァンパイアにとって血は嗜好品だから飲まなくても別に死ぬわけではない。大抵は人間の恋人を作ってその人からもらうことが多い。
もしくは俺みたいな人間を雇って血をもらう金持ちもいる。一般的なのは輸血パックを買って飲むという方法。鮮度は落ちるが手軽に入手することができる。まぁ、ジュースみたいなものか。
18の男の子が生の血を飲んだことがないというのは有りがちなことだと思うけど。
「吸血はヴァンパイアの本能。お坊ちゃんにも若いうちから経験してほしいと旦那さまから申し付けられているのです」
彼は次に、厚みのある封筒を手渡した。
「これは本日のお給料でございます」
「え、こ、こんなに頂いてもいいんですか?!」
重さで分かる。かなりの金額が入っている。しかも前払いなんて…。
「継続することができれば更に上乗せしますよ」
「はぁ…」
多分当初の依頼内容の倍は貰っていると思う。なんだか怪しくなってきた。こんなにうまい話があっていいのか。
「継続することができればというのは…?どのくらいの期間の契約になりそうですか?」
俺は探りを入れるように質問を重ねた。
執事は眉を下げながら小さな声で呟く。
「今まであなたのようなお方に何人か依頼をしました。ですがみんな初日でやめていったんですよ」
「そうなんですか…」
「いえ実際には追い払われてしまったのです。お坊ちゃんは少々気が強く…」
男性はそこで言葉を濁した。
「とりあえずお坊ちゃんの気に障るようなことはしないで頂きたいのです。逆らわないこと、身長・見た目に触れないこと。約束してください」
「わ、わかりました」
もしかしたらお坊ちゃんはかなり気性が荒いのかもしれない。怪我でもさせられないか心配だ…。
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