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39 久しぶりの吸血
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飲ませてって言ったらくれるの?
それは…。もう他の人に血をあげないでとルークに言われている。もしもここで俺が頷けば彼を裏切ることになってしまう。
でも、そのせいでロウが体調不良になるのも放っておけなかった。
「血を飲んだら元気になる…?」
そう尋ねると彼はゴクリと喉を鳴らした。
「めっちゃなる」
そして期待するように目を煌かせる。
「わかった…。す、少しだけなら…」
俺たちは人気のない非常階段まで歩き出した。
階段の踊り場で彼は俺の服のボタンをはずし始めた。
「本当に飲んでいいのか?」
「う、うん」
「嫌だって言っても止められないけど…」
そういうと彼は俺の首に噛み付いた。久しぶりの感覚だ。鋭い牙がゆっくりと首に刺さっていく。
じゅるっと音を立てて血をすすった。
ロウは俺の肩を強く掴む。少し痛いくらいだ。
「ぅ…はぁ…んん…」
忘れてた…。首から飲まれるのは苦手だったんだ。俺は腰の力が抜けてその場にへたり込んだ。
そんな俺を追いかけるように彼も屈む。壁に押さえつけ牙をもっと深くに突き刺した。
「んんっ…ぁ…まって…ろぅっ痛いっ」
「かわいい…」
抵抗する両手首を壁に貼り付けると彼は体を密着させた。
ツーと鎖骨に流れた血も彼の舌が舐め取っていく。
「ふっ…っっ…ぁ…ぅ…」
階段だと音が響くからできるだけ声を漏らさないようにしているのに彼がそれを許さない。
「唇噛むと切れるからやめろ。ほら血が出てる…」
唇に強く歯を立てたせいかほんのり血の味がした。
そしていつの間にか至近距離に彼の整った顔がある。
そこからは時間が随分とゆっくりに感じた。
彼は長いまつげを伏せると、ゆっくりと顔をこちらに近づけた。
唇に柔らかい感触がして彼に舐められたのだと一秒後に理解した。
「え」
ロウは熱っぽい瞳で俺を見つめる。
そのとき
「ノイスくんはロウのことどう思ってるの?」
なぜかさっきのミウさんのセリフが頭をよぎった。
ロウはふいっと視線を外した。
なぜかものすごく恥ずかしくなってこっちまで顔が赤くなってしまう。
「えっと…ろ、ろう?」
「治療」
「へ?」
「ヴァンパイアの唾液には傷を治す効果あるから。唇切れてたらからそれだけ」
「あ、ああ…」
うわっ恥ずかしい。そうだよな。びっくりした…。
「早く戻ろうぜ」
彼は立ち上がるとこちらに手を差し出した。その手をとるとぐいっと勢いよく引かれる。
ロウは名残惜しそうにノイスの手首を見つめた。
「やっぱあげなければよかった…」
「え?なにが?」
「べつにー」
それから彼は今日一ご機嫌で皆の元へ戻ったのだった。
それは…。もう他の人に血をあげないでとルークに言われている。もしもここで俺が頷けば彼を裏切ることになってしまう。
でも、そのせいでロウが体調不良になるのも放っておけなかった。
「血を飲んだら元気になる…?」
そう尋ねると彼はゴクリと喉を鳴らした。
「めっちゃなる」
そして期待するように目を煌かせる。
「わかった…。す、少しだけなら…」
俺たちは人気のない非常階段まで歩き出した。
階段の踊り場で彼は俺の服のボタンをはずし始めた。
「本当に飲んでいいのか?」
「う、うん」
「嫌だって言っても止められないけど…」
そういうと彼は俺の首に噛み付いた。久しぶりの感覚だ。鋭い牙がゆっくりと首に刺さっていく。
じゅるっと音を立てて血をすすった。
ロウは俺の肩を強く掴む。少し痛いくらいだ。
「ぅ…はぁ…んん…」
忘れてた…。首から飲まれるのは苦手だったんだ。俺は腰の力が抜けてその場にへたり込んだ。
そんな俺を追いかけるように彼も屈む。壁に押さえつけ牙をもっと深くに突き刺した。
「んんっ…ぁ…まって…ろぅっ痛いっ」
「かわいい…」
抵抗する両手首を壁に貼り付けると彼は体を密着させた。
ツーと鎖骨に流れた血も彼の舌が舐め取っていく。
「ふっ…っっ…ぁ…ぅ…」
階段だと音が響くからできるだけ声を漏らさないようにしているのに彼がそれを許さない。
「唇噛むと切れるからやめろ。ほら血が出てる…」
唇に強く歯を立てたせいかほんのり血の味がした。
そしていつの間にか至近距離に彼の整った顔がある。
そこからは時間が随分とゆっくりに感じた。
彼は長いまつげを伏せると、ゆっくりと顔をこちらに近づけた。
唇に柔らかい感触がして彼に舐められたのだと一秒後に理解した。
「え」
ロウは熱っぽい瞳で俺を見つめる。
そのとき
「ノイスくんはロウのことどう思ってるの?」
なぜかさっきのミウさんのセリフが頭をよぎった。
ロウはふいっと視線を外した。
なぜかものすごく恥ずかしくなってこっちまで顔が赤くなってしまう。
「えっと…ろ、ろう?」
「治療」
「へ?」
「ヴァンパイアの唾液には傷を治す効果あるから。唇切れてたらからそれだけ」
「あ、ああ…」
うわっ恥ずかしい。そうだよな。びっくりした…。
「早く戻ろうぜ」
彼は立ち上がるとこちらに手を差し出した。その手をとるとぐいっと勢いよく引かれる。
ロウは名残惜しそうにノイスの手首を見つめた。
「やっぱあげなければよかった…」
「え?なにが?」
「べつにー」
それから彼は今日一ご機嫌で皆の元へ戻ったのだった。
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