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第6話 運動神経抜群なの尊い
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「次の体育は隣のクラスとバスケの試合だね」
隣の席の東都が立ち上がりながら話しかけてくれた。
「極悪人の千田くんを監視しなくちゃいけないからね。ついでに試合も見てあげるよ」
「その設定気に入ってんの?」
「えへへ。割と気に入ってる」
「気に入ってるならしゃーない。監視されてんなら、ださいところは見せないようにしないと」
「千田くんって運動神経どうなの?」
「並じゃないかな」
「ふぅん。そんなことを言って実は運動音痴な千田くんなのでした」
「勝手なナレーションすんな」
あははと笑い合う。
「そういう東都は運動神経どうなんだ?」
「私? 私も並くらいじゃないかな」
「俺も極悪人の東都を監視しなくちゃならんからな。試合、見させてもらうぞ」
「あはは。ださいところだけは見られないようにしないと」
♢
本日の体育は男女共に体育館にて、隣のクラスとのバスケの試合だ。
体育は先に女子からのスタートとなり、男子は端っこで見守ることになった、んだけど──。
「詩音!」
「おっけ!!」
東都にボールが集まり、華麗なレイアップシュートを決めていた。
「詩音!」
「まかせて!!」
かと思ったら、スリーポイントシュートも見事に決めやがった。
カッコ良すぎて尊いわ。
「東都さん。運動神経抜群だね」
隣で一緒に見ていた大きな筋肉質の体に、爽やかアイドル系の顔をしたアンバランスボディな友人、風見晴人《かざみはると》が東都のパフォーマンスを見て呟いた。
「あんなに運動神経良いのに運動部じゃないなんて勿体ないよ。陽から言ってあげなって」
「なんで俺?」
「きみ、最近東都さんと仲良いじゃないか」
「隣の席だからな。よく喋るよ」
「隣の席だからって仲良くなるわけじゃないだろ」
「それは言えてるな」
「もしかして、東都さんに惚れちゃってたり?」
「そう見えるか?」
「陽ってわかりにくいからなぁ」
俺ってわかりにくいんだ……。
「東都さんはめちゃくちゃモテる。そりゃものすごくモテる」
「へぇ。そうだったんだ。そんな話を聞いたのは初めてだ」
「表向きは西府《さいふ》さんがNo.1にモテるんだろうけど、実際は東都さんの方がモテているんじゃないかな」
「あの見た目でモテないってのがおかしい話か」
「うかうかしてると他の人に取られちゃうよ?」
晴人の言葉に少し考えてみる。
彼氏持ちの東都と一緒に秘密の共有。
「それは嫌だな」
「あれ? 陽、まさか本気で──?」
「千田くん」
いつの間にか女子の試合は終わっていたようで、爽やかな汗を流している東都が俺の前に立っていた。
「監視してた?」
「ああ、してたぞ。つうか、なにが運動神経並だ。上級者レベルじゃねぇかよ」
「私、奥ゆかしい大和撫子だからね。謙虚なんですよ」
「大和撫子はひとりでバスケ無双しねぇよ」
そう言ってやると、Vっとピースしてきやがる。
「次は私が監視する番だね」
「東都のプレー見せられた後とか絶対に無理だわ。監視はなしということで」
「だめでーす」
「だめかー」
「じっくり監視しまーす」
「ミスしても笑うなよ」
「先に笑っておくね。あははー」
「くそ。笑ったことを後悔させてやらー」
「頑張ってね、千田くん」
「おう」
「なにこのイチャイチャカップルの尊い会話。僕は何を見せられているんだ?」
その後、東都に遅れを取るわけにはいかず、俺はバスケの試合を無双してやった。
「なんだ、ただの運動神経が良いカップルか」
「晴人。なにか言ったか?」
「んにゃ、なにも。末永く爆発して欲しいだけ」
物騒な奴だな、おい。
隣の席の東都が立ち上がりながら話しかけてくれた。
「極悪人の千田くんを監視しなくちゃいけないからね。ついでに試合も見てあげるよ」
「その設定気に入ってんの?」
「えへへ。割と気に入ってる」
「気に入ってるならしゃーない。監視されてんなら、ださいところは見せないようにしないと」
「千田くんって運動神経どうなの?」
「並じゃないかな」
「ふぅん。そんなことを言って実は運動音痴な千田くんなのでした」
「勝手なナレーションすんな」
あははと笑い合う。
「そういう東都は運動神経どうなんだ?」
「私? 私も並くらいじゃないかな」
「俺も極悪人の東都を監視しなくちゃならんからな。試合、見させてもらうぞ」
「あはは。ださいところだけは見られないようにしないと」
♢
本日の体育は男女共に体育館にて、隣のクラスとのバスケの試合だ。
体育は先に女子からのスタートとなり、男子は端っこで見守ることになった、んだけど──。
「詩音!」
「おっけ!!」
東都にボールが集まり、華麗なレイアップシュートを決めていた。
「詩音!」
「まかせて!!」
かと思ったら、スリーポイントシュートも見事に決めやがった。
カッコ良すぎて尊いわ。
「東都さん。運動神経抜群だね」
隣で一緒に見ていた大きな筋肉質の体に、爽やかアイドル系の顔をしたアンバランスボディな友人、風見晴人《かざみはると》が東都のパフォーマンスを見て呟いた。
「あんなに運動神経良いのに運動部じゃないなんて勿体ないよ。陽から言ってあげなって」
「なんで俺?」
「きみ、最近東都さんと仲良いじゃないか」
「隣の席だからな。よく喋るよ」
「隣の席だからって仲良くなるわけじゃないだろ」
「それは言えてるな」
「もしかして、東都さんに惚れちゃってたり?」
「そう見えるか?」
「陽ってわかりにくいからなぁ」
俺ってわかりにくいんだ……。
「東都さんはめちゃくちゃモテる。そりゃものすごくモテる」
「へぇ。そうだったんだ。そんな話を聞いたのは初めてだ」
「表向きは西府《さいふ》さんがNo.1にモテるんだろうけど、実際は東都さんの方がモテているんじゃないかな」
「あの見た目でモテないってのがおかしい話か」
「うかうかしてると他の人に取られちゃうよ?」
晴人の言葉に少し考えてみる。
彼氏持ちの東都と一緒に秘密の共有。
「それは嫌だな」
「あれ? 陽、まさか本気で──?」
「千田くん」
いつの間にか女子の試合は終わっていたようで、爽やかな汗を流している東都が俺の前に立っていた。
「監視してた?」
「ああ、してたぞ。つうか、なにが運動神経並だ。上級者レベルじゃねぇかよ」
「私、奥ゆかしい大和撫子だからね。謙虚なんですよ」
「大和撫子はひとりでバスケ無双しねぇよ」
そう言ってやると、Vっとピースしてきやがる。
「次は私が監視する番だね」
「東都のプレー見せられた後とか絶対に無理だわ。監視はなしということで」
「だめでーす」
「だめかー」
「じっくり監視しまーす」
「ミスしても笑うなよ」
「先に笑っておくね。あははー」
「くそ。笑ったことを後悔させてやらー」
「頑張ってね、千田くん」
「おう」
「なにこのイチャイチャカップルの尊い会話。僕は何を見せられているんだ?」
その後、東都に遅れを取るわけにはいかず、俺はバスケの試合を無双してやった。
「なんだ、ただの運動神経が良いカップルか」
「晴人。なにか言ったか?」
「んにゃ、なにも。末永く爆発して欲しいだけ」
物騒な奴だな、おい。
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