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第18話 東都は連続で告られる
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東都とのカラオケめちゃくちゃ楽しかったなぁ。
まだ脳内に彼女の歌声がリピートされて、脳みそがとろけている状態で学校に来た。
「おーい、陽。またお客さんだぞぉ」
晴人が俺の席にやって来て教えてくれる。
教室のドアの方には西府の姿が見えた。
「やっぱり付き合ってるのか?」
「晴人よ、よぉく考えろ。あの西府だぞ?」
「だよなぁ」
あっさりと言われるのも複雑だ。
晴人に礼を言いながら西府の所へと行く。
「千田くん。例の件、今からでもええ?」
「ああ、お好み焼きの件だよな」
「ほな図書室で」
「あれ。ツッコミなし?」
「関西人が全員お笑い好きやと思わんといて。少なくともウチはあんまり興味ないわ」
「そりゃ悪かった。偏見が過ぎたな。ごめん」
「別に謝る必要はないわ。ほな行きましょ」
♢
例の件ってのは塾の模試が近い西府の勉強を見ることなんだけど……。
学年二位なだけあってこちらから教えることはなにもないな。
「千田くん。ここってあんたやったらどう解く?」
「俺なら──」
「そういうやり方もあるんやね」
こんな感じで、教えるというよりも、意見交換と言った方が近いかも。
「千田くんはやっぱり尊大《とーだい》目指してるん?」
「うーん。どうだろ。まだ詳しくは決めてないが……」
「うそやろ? そんな頭良くて尊大やないなんておかしくない?」
「授業料が心配なんだ。尊大の特待生制度なんて神の子じゃないと無理だろうからな。ある程度レベルの高いところで特待生制度を受けれるところが良いかなって思ってる」
「授業料……」
西府は呟くと、頭を下げてくる。
「ごめなさい。千田くんの家庭の事情も知らずに軽口叩いてもうたね」
「いやいや、何も気にしてないよ。西府は尊大志望?」
「せやね。尊大やないとあかんねん……」
そう言う彼女には、なにか使命めいたものが見える。
西府はこれ以上は喋る気がないみたいに窓の外を見た。
「あ、東都さんやん」
つられて俺も窓の外を見る。
どこか見覚えのある同学年の男子となにか喋っている様子だ。
「東都さんも大変やねぇ」
「どういうこと?」
「ありゃ告られてるんとちゃうん?」
ドキンと心臓が嫌な跳ね方をした。
「夏休みも近いし、ワンチャン告って夏を謳歌したいって感じなんやろなぁ」
「ワンチャンで告るもんなのかな」
「さぁ。男子の気持ちはよぉわからんけど、ウチもここ最近、ああいうの多いで」
「あ、学園人気No.1の美少女がここに」
「そんなもんに興味ないから、テストでNo.1になりたいわ」
はぁと大きくため息を吐く。
「ウチはウチより頭ええ人が良いから断るけど、東都さんも存外理想高いんやね」
言いながら窓の外に視線を送ると、ごめんなさいをしているのが見えた。
「それとも」
言いながらこちらを見てくる。
「もう既に好きな人がおる、とかかな」
「東都に好きな人……」
考えただけで暗くなるな。そいつはきっと東都より年上で外資系で働いている金持ちで、俺なんかよりも背が高くて……。
「ぅぁぁ……」
「なんで勝手に落ち込んでるん?」
「あ、ツッコミ入れた」
「今のは誰でも入れるやろ」
睨まれてしまった。
「ま、人の色恋なんて気にしてる場合やない。ウチは勉強せなあかんし。ほら、千田くん。勉強の続きするで──って!」
西府は窓の外にあり得ないものを見る目で見つめていた。
「ダブルヘッダー!? 東都さん、また違う男子に告られてるやん!」
「うそぉ」
窓の外を見ると、さっきとは違う男子が東都に告白していた。
「あの子、どんだけモテるんよ……」
「流石の西府でも一日二回はないのか?」
「ないない。一週間連続はあったけど、同じ日に二回連続なんてなかったわ」
それはそれで凄い気もするが……。
「東都さん。めっちゃすごいな……」
西府は驚きのあまり、勉強の手が止まってしまっていた。
まだ脳内に彼女の歌声がリピートされて、脳みそがとろけている状態で学校に来た。
「おーい、陽。またお客さんだぞぉ」
晴人が俺の席にやって来て教えてくれる。
教室のドアの方には西府の姿が見えた。
「やっぱり付き合ってるのか?」
「晴人よ、よぉく考えろ。あの西府だぞ?」
「だよなぁ」
あっさりと言われるのも複雑だ。
晴人に礼を言いながら西府の所へと行く。
「千田くん。例の件、今からでもええ?」
「ああ、お好み焼きの件だよな」
「ほな図書室で」
「あれ。ツッコミなし?」
「関西人が全員お笑い好きやと思わんといて。少なくともウチはあんまり興味ないわ」
「そりゃ悪かった。偏見が過ぎたな。ごめん」
「別に謝る必要はないわ。ほな行きましょ」
♢
例の件ってのは塾の模試が近い西府の勉強を見ることなんだけど……。
学年二位なだけあってこちらから教えることはなにもないな。
「千田くん。ここってあんたやったらどう解く?」
「俺なら──」
「そういうやり方もあるんやね」
こんな感じで、教えるというよりも、意見交換と言った方が近いかも。
「千田くんはやっぱり尊大《とーだい》目指してるん?」
「うーん。どうだろ。まだ詳しくは決めてないが……」
「うそやろ? そんな頭良くて尊大やないなんておかしくない?」
「授業料が心配なんだ。尊大の特待生制度なんて神の子じゃないと無理だろうからな。ある程度レベルの高いところで特待生制度を受けれるところが良いかなって思ってる」
「授業料……」
西府は呟くと、頭を下げてくる。
「ごめなさい。千田くんの家庭の事情も知らずに軽口叩いてもうたね」
「いやいや、何も気にしてないよ。西府は尊大志望?」
「せやね。尊大やないとあかんねん……」
そう言う彼女には、なにか使命めいたものが見える。
西府はこれ以上は喋る気がないみたいに窓の外を見た。
「あ、東都さんやん」
つられて俺も窓の外を見る。
どこか見覚えのある同学年の男子となにか喋っている様子だ。
「東都さんも大変やねぇ」
「どういうこと?」
「ありゃ告られてるんとちゃうん?」
ドキンと心臓が嫌な跳ね方をした。
「夏休みも近いし、ワンチャン告って夏を謳歌したいって感じなんやろなぁ」
「ワンチャンで告るもんなのかな」
「さぁ。男子の気持ちはよぉわからんけど、ウチもここ最近、ああいうの多いで」
「あ、学園人気No.1の美少女がここに」
「そんなもんに興味ないから、テストでNo.1になりたいわ」
はぁと大きくため息を吐く。
「ウチはウチより頭ええ人が良いから断るけど、東都さんも存外理想高いんやね」
言いながら窓の外に視線を送ると、ごめんなさいをしているのが見えた。
「それとも」
言いながらこちらを見てくる。
「もう既に好きな人がおる、とかかな」
「東都に好きな人……」
考えただけで暗くなるな。そいつはきっと東都より年上で外資系で働いている金持ちで、俺なんかよりも背が高くて……。
「ぅぁぁ……」
「なんで勝手に落ち込んでるん?」
「あ、ツッコミ入れた」
「今のは誰でも入れるやろ」
睨まれてしまった。
「ま、人の色恋なんて気にしてる場合やない。ウチは勉強せなあかんし。ほら、千田くん。勉強の続きするで──って!」
西府は窓の外にあり得ないものを見る目で見つめていた。
「ダブルヘッダー!? 東都さん、また違う男子に告られてるやん!」
「うそぉ」
窓の外を見ると、さっきとは違う男子が東都に告白していた。
「あの子、どんだけモテるんよ……」
「流石の西府でも一日二回はないのか?」
「ないない。一週間連続はあったけど、同じ日に二回連続なんてなかったわ」
それはそれで凄い気もするが……。
「東都さん。めっちゃすごいな……」
西府は驚きのあまり、勉強の手が止まってしまっていた。
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