終生飼育は原則ですから

乃浦

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被保護編 337年

337年10月3

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 紹介してくれる人を見つけたから軍に行ってくる。
 今日の朝、ともやが言い出したときは驚いた。いつ、どこで。
 パーティの時に見つけたそうだ。あの時ともやは姿を消していた。護衛はつけているが、なぜ私が側にいられないのか。

 軍に行くからには護衛はエランではない方がいい。
 副将軍のロディン候はソサイゾ派だが、隊長達は中立に近いから大丈夫だろう。
 それでも兵の中にソサイゾ派がいるかもしれないから、護衛には警戒するように伝える。

 昼前にともやは執務室に戻った。実に楽しそうな顔で、ファリオンの腕をつかんで入ってきた。
 ファリオン!
 何が起こった?

 ファリオンは困惑している。私に目礼をよこした。その様子を見ると、ともやが無理に連れてきたな。
 エランもシルヴィオも呆気に取られている。

「どうぞお掛けください。手伝ってほしいのは間違い探しです」
 ファリオンを席に座らせ横から教えているが、ともや、何を。
 色々指示しているがファリオンは上の空だ。
「集中してください」
「兄上は私がここにいない方が」
「大丈夫です。私は部下を、一緒に仕事をする人間を選ぶ権限を与えられています」
 何て事だ。相変わらず彼女は正しい。だがファリオンを。なぜだ。

 昼になると彼女が言った。
「昼食を取ってきます。ファリオン殿下、どうぞ」
 丁重に扱いながら行動を決定させる。一緒に部屋から出て行った。

 その瞬間、シルヴィオの馬鹿笑いが響いた。
「っっありえない、ふふふふはははは」
 身を捩って笑っている。煩い。

 説明が必要だ。ともや、何を考えている。どうやってファリオンを連れてきた。どうするつもりなんだ。
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