終生飼育は原則ですから

被保護編 338年

338年2月2-3

　邸の厨房を借りて料理もした。やっぱり自分が食べるものを作るって基本だよね。結局、自分がおいしいと感じるように作るんだから、自分が作るものは安定していつもおいしい。

　スパイスも手に入るものが増えたから、安定のカレーを作ってみた。ターメリックさえあればカレーらしきものは作れるもんだ。
　レイサスは食べられる。レイサスが食べるんだから他の人もいけるんじゃないかと大鍋で作った。だめなら私が三日かけて食べるさ。

　好評だった。やっぱり安定のカレー。
　邸で働いている皆さんにも分けたかったけれど少なくなってしまったので、近いうちに倍量を作る。失敗しないといいけど。まあカレーなら失敗してもどうにかごまかせるか。
　スパイスにはレシピもつけて売るといい。目新しい食べ物には利用法も添付しないと。

　ずっとシルヴィオの邸にいたけれど、王宮に移ることになっている。
　本来王太子は王宮に住んでいるけれど、イユリスに戻ってから、レイサスはずっとシルヴィオ邸にいた。私を王宮に連れて行くのが危険だったから、レイサスもシルヴィオ邸にいた。
　私はひとりでもよかったんだけどね。レイサスは責任感が強い。

　今回も、レイサスだけ戻ればいいと思うけど、私も行くのだそうだ。まあ身分としては護衛だから。
　この機会に距離を取って添い寝習慣も廃止したかった。

　ソサイゾは薬を与えられて自死し、王妃とは和解したから、王宮はたぶん安全なはず。
　あとは元ソサイゾ派が、再びの王子たちの仲違いを狙って、私含め誰かを狙ったりしなければ。
　そうなっても原因はわかっているし、あの二人はもう大丈夫だと思う。