35 / 51
LOVE4.RAN/見させてよ、Love Song
Song6.)
しおりを挟む
昨日乾かしておいたハケはちゃんと乾いていた。
今日はもうハケを使うことがないから、回収して教室のロッカーの中にでも入れておけばいいか。全部が終わったら職員室に返しに行くことになってるからね。
明日は文化祭、カラフル喫茶の準備もラストスパートに差し掛かる。
でもその前に…
駆け足で階段を上ってコンコンッと2階ドアを叩いた。
聞こえてたかはわからないけど、だって演奏していてそんな音聞こえないと思うから。
「音!ズレてますよ!!」
返事を聞く前にドアを開けた。というか私も何か言われても聞こえないから。
「藍ちゃん…っ」
どれぐらいぶりかな、ここまで来るの。
もう久しく来てなかったから遠いと思ってしまうほどに。
「駿二先輩も奏も、もっとお互いの音聞いて!奏が自由に弾いてるせいで駿二先輩焦ってまた誤魔化してますよね!?」
「折原さっ」
「望月さんもまだ声出せるでしょ!」
「はいいぃっ」
特に防音になっていない軽音部の部室、外に音は丸聞こえで廊下にいる時からずっと聞こえていた。
聞きながらここまで来た。
今のはそれを踏まえて気になったこと。
「藍、来てくれたんだ」
「…あたり前でしょ、こうして意見述べるのも私の仕事なんだから!」
奏と目を合わせたら、ついこんな言い方してしまった。
腕を組んでふいっと、視線を逸らして。
だって奏が笑ったから。
ドキッとして、恥ずかしくて。
「さっすが藍ちゃん!アドバイスが的確!!」
「言われる前にやってください、明日本番ですよ?」
「だよね~~~っ、よしやろう!も1回やろう!!」
駿二先輩が大きな声で呼び掛ける。
それに、うんっと奏が頷いた。
この景色を見るのもどれぐらいぶりかな、こんなにいい景色だったんだ。
みんなが演奏している姿を見るのは。
私も自然と顔が緩んだ。
「折原さん、あのっ」
奏と駿二先輩があーでもないこーでもないと話始めたところ、抜け出して来た望月さんが私の元へ駆け寄って来た。
「すごいね、一瞬でどこがよくなかったかわかっちゃうんだ!私の声までっ」
「何度も聞いたからね」
それも飽きるほどに。
始業式の時、録画した映像で。
「もう望月さんの歌い方の癖までわかってるから」
「ほんとに!?私でもわからないのにっ!?」
聞きすぎて、私も上手く歌えるんじゃないかって錯覚しそうになるぐらい。
「ありがとう、望月さん」
「…え?」
「昨日、手伝ってくれて。おかげで今日部活に来られたから」
「そんな…っ」
望月さんの方を見た。
にこっと笑って見せた。
「ありがとう」
今日はもうハケを使うことがないから、回収して教室のロッカーの中にでも入れておけばいいか。全部が終わったら職員室に返しに行くことになってるからね。
明日は文化祭、カラフル喫茶の準備もラストスパートに差し掛かる。
でもその前に…
駆け足で階段を上ってコンコンッと2階ドアを叩いた。
聞こえてたかはわからないけど、だって演奏していてそんな音聞こえないと思うから。
「音!ズレてますよ!!」
返事を聞く前にドアを開けた。というか私も何か言われても聞こえないから。
「藍ちゃん…っ」
どれぐらいぶりかな、ここまで来るの。
もう久しく来てなかったから遠いと思ってしまうほどに。
「駿二先輩も奏も、もっとお互いの音聞いて!奏が自由に弾いてるせいで駿二先輩焦ってまた誤魔化してますよね!?」
「折原さっ」
「望月さんもまだ声出せるでしょ!」
「はいいぃっ」
特に防音になっていない軽音部の部室、外に音は丸聞こえで廊下にいる時からずっと聞こえていた。
聞きながらここまで来た。
今のはそれを踏まえて気になったこと。
「藍、来てくれたんだ」
「…あたり前でしょ、こうして意見述べるのも私の仕事なんだから!」
奏と目を合わせたら、ついこんな言い方してしまった。
腕を組んでふいっと、視線を逸らして。
だって奏が笑ったから。
ドキッとして、恥ずかしくて。
「さっすが藍ちゃん!アドバイスが的確!!」
「言われる前にやってください、明日本番ですよ?」
「だよね~~~っ、よしやろう!も1回やろう!!」
駿二先輩が大きな声で呼び掛ける。
それに、うんっと奏が頷いた。
この景色を見るのもどれぐらいぶりかな、こんなにいい景色だったんだ。
みんなが演奏している姿を見るのは。
私も自然と顔が緩んだ。
「折原さん、あのっ」
奏と駿二先輩があーでもないこーでもないと話始めたところ、抜け出して来た望月さんが私の元へ駆け寄って来た。
「すごいね、一瞬でどこがよくなかったかわかっちゃうんだ!私の声までっ」
「何度も聞いたからね」
それも飽きるほどに。
始業式の時、録画した映像で。
「もう望月さんの歌い方の癖までわかってるから」
「ほんとに!?私でもわからないのにっ!?」
聞きすぎて、私も上手く歌えるんじゃないかって錯覚しそうになるぐらい。
「ありがとう、望月さん」
「…え?」
「昨日、手伝ってくれて。おかげで今日部活に来られたから」
「そんな…っ」
望月さんの方を見た。
にこっと笑って見せた。
「ありがとう」
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる