隣の男の子たちは私を困らせる。

めぇ

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NEXT4.臨時寮は私を困らせる)

trouble6.)

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「歩夢ちゃんそれ重いやろ?オレ持つで」

「え、いいよいいよ!これぐらい持てるし!」

「女の子なんやからこーゆうのは男に任せとき」

バケツに水を入れていたら智成くんが取りに来てくれた。たっぷたっぷの水の入ったバケツだったけど軽々ひょいって持って行った。

「はいっ、これ雑巾あゆむんの~!」

「ありがとうさっちゃん、今日の髪型もかわいいね」

「今日は大掃除仕様三つ編みだよ!」

ウイッグの三つ編みなんてさっちゃんはやっぱり器用だなぁ、今度やり方教えてもらおうかな。私なんてただ2つに結んだだけだもん。

「はい!じゃあ掃除始めるよ~、夏休み初日は掃除からだからね!」

パンッと手を叩いたでんちゃんの合図で臨時寮の夏の大掃除が始まる。

雑巾を濡らして、とりあえず私は…玄関のドア拭きからしようかな。
ガラス張りのドアを届くところから順番に、汚れの目立つところは何度もこすって、ぐーっと腕を最大限に伸ばして上の方も…

「!」

「絶対届かないだろ」

「斗空!」

ひょっと隣に現れて拭いてくれた。

「つーか手でどうにかなる高さじゃないだろ」

「一応気になるところは拭いた方がいいかなって」

「あとで窓拭き用のモップ借りに行った方がいいな」

これもたぶん学校に、基本寮には簡単なお掃除グッズしか置いてないからちと不便で。

「いちいち借りに行くのめんどいね、寮にも置いといてくれたらいいのに」

「一般寮は掃除業者が入るからな、ここは全部自分たちでするけど」

「え、そうなの!?」

「…なんだ、知らなかったのか?」

知らなかったけど、そんなの全然知らなかったけど!

ボロいだけじゃなく距離だってそうだし何かと不便さ出してくる、こう忘れた頃に。

「めっちゃ大変じゃん」

「女子寮行きたくなった?」

ニヤッと笑って見て来るし。

小ばかにしてるな!もうっ!!

「私は行ってもいいけど、斗空が行くなって言うんだもん」

だからちょっと言い返しちゃおうかな、なんて。

「だって斗空は私といたいんでしょ?」

フンッと鼻を鳴らして、からかってやろうかなって思ったのに。

「そうだけど」

何その返し方は!!?
私の方が恥ずかしくなっちゃうじゃん!

かぁーっと顔が赤くなって、ふいっと斗空から視線を逸らした。

「何それ!なんでそんなこと言うの!?」

もうさっき拭いたはずのドアを拭きながら、ぷくっと頬を膨らませる。

今の反応見て絶対バカにされるんだよ…っ


「歩夢の事が好きだから」


初めて聞く、斗空のそんな声。


「って言っただろ?」

「…!」

にこって笑って、そんな顔も初めて見るんだけど。

なんで、そんなに嬉しそうなの…



ねぇ!?



「それってどっち!?どっちの意味なの!?」

「どっちって他に意味あるのか?」

「あるよ!!」

一瞬でその顔はどっかいった。

すんとした無表情でさっきのはなんだったの!?

「あゆむんたち何話してるのー?」

「口だけじゃなく手も動かしてや!」

「だって斗空がっ」

「俺は真面目に掃除してる」

「~…っ」


今日も臨時寮は騒がしくて、いつもと変わらない日常…


なのコレ!?



隣を見ればニッと笑って、少し上から見下ろすように私を見てる。

困ってる私を楽しんでるみたいに。



悔しい。

悔しいけど…



これも嫌じゃなかったり。





そんなこんなで、まだまだ私を困らせる日々は続く…
みたいです。
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