君が僕を呼んだから

radio (寝寝寝)

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1章 死。【奈落】

10話

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「あ、あぁ……わかった」

目の前の悪魔の本性を垣間見てしまい、なんとも言えない気持ちになったが、状況を思いだし我にかえった。


「メフィスト! ソフィアは? 俺はこうして甦ったがソフィアはどうしたっ?」

俺がそう問うとメフィストは笑顔から一変し無表情になった。

「あ~、あの女ね。正直僕はあれとは契約してないし、ラディの気が向こうにいっちゃうから嫌い。でも、ラディが望んでいそうだったし、ご主人様の命令は聞かなきゃいけないからね。本当に嫌だけど、あの女もこの空間に連れてきて甦らしたよ。」


「よ、良かった」
俺は涙を流しながらソフィアが蘇ったことを喜んだ

「メフィストありが「ただし、」!」

「ただし、あの女はラディとは違って、死んでから時間が経ってたし、心も体もボロボロにされちゃってたからそのままじゃ蘇生できなかったんだよね」

「なっ、じゃあどうやって蘇生したんだよっ!?」

「それは、ほら。僕、結構力がある悪魔じゃない? だから、あの女には僕が新しい肉体をプレゼントしてあげたんだよ。元々の人間の肉体を媒体に悪魔の肉体を、ね?」

「なっ!? では、もうソフィアは人間ではないが無事なのか?」

「フフフフ、ラディはもう人間じゃないあの女のことなんて嫌い?」

「いや、そんなはずないだろう? 体が異なろうと、種族が変わろうとソフィアはソフィアだ!」

「あはっはっは! 即答!本当に僕のご主人様はあの女のことが大好きだねぇ~。妬けちゃうよ」

パチンッ

笑いながらメフィストが指を鳴らすと、メフィストの横の空間が歪み始め、そこから人が出てきた。っと思ったら、その人はそのまま俺に抱きついてきた


「ラディ様!ご無事で良かった!本当に……」

「ソフィア!」

二人して涙を流しながら抱き合っていると


「え~と、僕も居ること、忘れてないよね?」

声をかけられメフィストも居ることを思い出した

「あ~、忘れてはいなかったが……すまん」

「はぁ~、だから、嫌いなんだよその女。ラディ僕のこと忘れるじゃん!」


「申し訳ございません。メフィスト様。」

「お前に名前を呼ぶ許可は与えてないけど」

「はぁ~メフィスト。俺が、ソフィアがメフィストと呼ぶのを許可する。主人の言うことは絶対なんだろ?」


「あ~もう!はいはい。しょうがないな。いいよ、君が言うならね。それが契約だし。」


「ありがとう。メフィスト」
 

「はいはい、じゃあ感動の再会もそこそこに、話を戻して本題に入ろう」

「ああ」
「はい」
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