君が僕を呼んだから

radio (寝寝寝)

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2章 修行【魔界】

メフィストの冒険? ①

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「はぁ」

僕はラディ達と別れ下界に独り来た。まさか、次に下界に来ることになるのは、3人でだと思って楽しみにしていたのに……何で独りで来ているんだろうかと少しだけ寂しくなる。

「ラディは僕の思惑通りには本当に動いてくれないんだよね。まあそれが面白いんだけど。でも……はぁー、面倒だな。ラディの近くにはいれないし、カイセルと何だったかな? イカれ女?アバズレ? まあ愚か者共か……… 殺さないなら良いって言ってたけど……僕、力の調節苦手なんだよね」

僕にとって人間なんて、虫と変わらない。あっ、ラディ達は違うよ。彼らは特別。

でも、人間なんて少し撫でただけで体ぐちゃぐちゃにしちゃう自信がある。

「………あっ! そうか、ラディは殺さなければ良いって言ってたけど、解釈の仕方を変えれば最終的に復讐できる状態で残しとけば良いってことだよね!」

「あー良かった」と僕が言うと目の前の男がここでやっと声を出した。

「あの、なぜここにあなたがいるのです? ここ私の家なんですが………」

目の前の黒髪の男は、エメラルドの瞳に不満を表しながら眉を潜め問う。

「んん? 何でって、君にちょっとお話があってきたんだよ」

その言葉に、目の前の男はぎょっとして後ずさる。

「あなたが来ると、ろくなことがない! 正直、国から離れている私には関わらないで頂きたいんだが……」

「ふふ、君の言葉を僕が聞く道理はないよね?」

君の意見は聞かないと圧をかける。

「う、それは、まぁ……」
男は言葉を発しながらも視線をさまよわせる。

「まあまあそんな身構えなくてもいいよ。それこそ今日は君の国に来てるわけでもないしね。それに………今日僕は、君達魔人の神様として来たんじゃなくて、私用なんだよね~」

それを聞いた時の男の表情はとても面白かった。ポカーンと口を大きく開け、目も真ん丸にしていた。目がポロリと落ちそうだと思ったほどだ。
 そこから再起動したと思ったら、この人は何を言ってるんだ?と理解できないものを見る困惑した表情。


「僕ねー、契約者ができたんだ」

これを言った時、男は再度目を落とすんじゃないかというくらい大きく開けると………

バタッン!

「あーあ、白目向いて気絶しちゃったよ。魔王ともあろう者が情けない。まだ本題にも入ってないのに」

男……魔王は意外と繊細だった。だから、からかうのが止められない。
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