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2章 修行【魔界】
25話
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コカビエルはラディの修行を行っていたが、自分ができることが終わり、ソフィアの様子を見に来た。
「あら ソフィアちゃん、魔力の扱いが上手くなったわね~」
コカビエルはソフィアの頭を撫でる。
ソフィアも嫌がる素振りも見せず、ニコニコとした顔で撫でられている。いつもと違うのは、耳が少し赤くなっていることぐらいだろう。
「ありがとうございます、コカビエル様。私の方はメフィスト様が残した紙で何とかなりましたわ」
ソフィアは、わざわざ紙というところを強調して言う。……何度目かは分からないがあえて言おう。あれは一応紙ではあるが名称をつけるなら正しくは本だろう。明らかにメフィストに喧嘩を売っているソフィアにコカビエルの笑顔は多少ひきつっていた。
(………ソフィアちゃんは結構根に持つタイプね)
また、ソフィアの魔力の扱い方が短期間で上達したことに、コカビエルは本当に感心していた。
それは、元人間であるソフィアが悪魔の体に馴染むまでの期間が、普通では考えられないくらい早かったからだ。人間であった頃の数十倍という量の魔力の扱いをたった2週間で習得した。メフィストが残していった紙だけで……
しかも、コカビエルはソフィアからその本を少し見せてもらったが
「………メフィスト、人に教えることに関しては壊滅的ね」
思わずそう言ってしまうくらいの内容だった。
細かい字でびっしりと書かれており、図やグラフなどもない。本当に文字しか書かれていなかった。
さらに、その内容は話口調で書かれており、指南書というよりももはや日記だった。
最初、それを見たコカビエルは受け取る本を間違えたのかと思ったが、問おうとしたソフィアの真顔を見て、察した。
「……ま、まあこれでソフィアちゃんは問題なく界移動できるわね!」
コカビエルは、多少ひきつった笑顔ではあったが、明るい声で締めくくった。ソフィアは笑顔で返事をする。コカビエルはそれにうなずくと「後は」と言い、自分が先程までいた場所を心配そうに見つめる。
ソフィアも同じ方向を見た。だが、その顔はコカビエルとは対照的に、大丈夫という確信に満ちた顔をしていた。
「ラディ様ならば、必ず成し遂げられます」
ソフィアは断言した。
その頃、ラディはコカビエルにより、全身を特殊な炎で炙られていた。
しかし、もう熱さは感じない。全身へ完璧に魔力を巡らせたラディの今の課題はそれを長時間保つことだった。
現在、炙られ始めてすでに一時間経っていた。
ラディが、体内の魔力を完璧に制御したのは、修業を始めて一週間だった。最初は命の危機を感じて無我夢中で行っていた制御も、今は考えなくても体が勝手に行っている。
生物として異常なスピードで進化を行っているラディにコカビエルも恐怖と興味をもった。
本当に、メフィストが手にしていなければ自分のものにしたいほどに……
ラディは人間の状態でそれなのだ。悪魔達が欲しがるのも納得の逸材だった。力あるものを従えることが悪魔達の中では重要なことだった。
「あら ソフィアちゃん、魔力の扱いが上手くなったわね~」
コカビエルはソフィアの頭を撫でる。
ソフィアも嫌がる素振りも見せず、ニコニコとした顔で撫でられている。いつもと違うのは、耳が少し赤くなっていることぐらいだろう。
「ありがとうございます、コカビエル様。私の方はメフィスト様が残した紙で何とかなりましたわ」
ソフィアは、わざわざ紙というところを強調して言う。……何度目かは分からないがあえて言おう。あれは一応紙ではあるが名称をつけるなら正しくは本だろう。明らかにメフィストに喧嘩を売っているソフィアにコカビエルの笑顔は多少ひきつっていた。
(………ソフィアちゃんは結構根に持つタイプね)
また、ソフィアの魔力の扱い方が短期間で上達したことに、コカビエルは本当に感心していた。
それは、元人間であるソフィアが悪魔の体に馴染むまでの期間が、普通では考えられないくらい早かったからだ。人間であった頃の数十倍という量の魔力の扱いをたった2週間で習得した。メフィストが残していった紙だけで……
しかも、コカビエルはソフィアからその本を少し見せてもらったが
「………メフィスト、人に教えることに関しては壊滅的ね」
思わずそう言ってしまうくらいの内容だった。
細かい字でびっしりと書かれており、図やグラフなどもない。本当に文字しか書かれていなかった。
さらに、その内容は話口調で書かれており、指南書というよりももはや日記だった。
最初、それを見たコカビエルは受け取る本を間違えたのかと思ったが、問おうとしたソフィアの真顔を見て、察した。
「……ま、まあこれでソフィアちゃんは問題なく界移動できるわね!」
コカビエルは、多少ひきつった笑顔ではあったが、明るい声で締めくくった。ソフィアは笑顔で返事をする。コカビエルはそれにうなずくと「後は」と言い、自分が先程までいた場所を心配そうに見つめる。
ソフィアも同じ方向を見た。だが、その顔はコカビエルとは対照的に、大丈夫という確信に満ちた顔をしていた。
「ラディ様ならば、必ず成し遂げられます」
ソフィアは断言した。
その頃、ラディはコカビエルにより、全身を特殊な炎で炙られていた。
しかし、もう熱さは感じない。全身へ完璧に魔力を巡らせたラディの今の課題はそれを長時間保つことだった。
現在、炙られ始めてすでに一時間経っていた。
ラディが、体内の魔力を完璧に制御したのは、修業を始めて一週間だった。最初は命の危機を感じて無我夢中で行っていた制御も、今は考えなくても体が勝手に行っている。
生物として異常なスピードで進化を行っているラディにコカビエルも恐怖と興味をもった。
本当に、メフィストが手にしていなければ自分のものにしたいほどに……
ラディは人間の状態でそれなのだ。悪魔達が欲しがるのも納得の逸材だった。力あるものを従えることが悪魔達の中では重要なことだった。
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