炎と消える_僕を消したアイツ 戻レナイ

石川 直生

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現実2 小学6年生 田村要

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 6年生になってから瞬は、樹のグループ以外のクラスメイトにそっけない態度をとられる。一学期は考えないようにしていた。夏休みに塾に行ったときに、そのことを思い知らされる。塾では、授業が終わると伊月くんを待って一緒に帰ったり、自習室に残ったりしていた。その日も、上のクラスに上がった功星を待っていた。功星のクラスが終わり出てくるのを待つ。功星に気付いて駆け寄ろうとすると、功星が、背の高いサッカークラブの男子たむやん(田村 要)に手を引っ張られる。

たむやん「功星、行こ!」
瞬「あ。じゃあ、俺も」瞬は、2人に近付こうとする。
田村「お前は来んな!」
瞬「え」
田村「クラスの女子を入院させるようなヤツ、功星キライだって!」
功星「えっ」
田村「だよな」たむやんが、功星をみる。

功星「河本ちゃんは、そんなことしないよ。放課後は、海辺たちといないじゃん。__塾来てるし」
たむやん「そーかもしんないけど、学校では、いつもアイツらといんじゃん! 功星まで一緒にされんだぞ!」
瞬は、喉がつかえる。声が震える。自分だって、樹たちにうんざりしている。たむやんは、俺も樹と一緒だと思っているんだ。塾にも心安まる場所はない。
瞬「……。ごめんなさい。__けど俺……本当に、まりもの入院のこと知らなかった。アイツらと一緒にいなかった!__やってない!!」
たむやん「__前からイジめてたんだろ? 1回でも、止めろって言ったことあんのかよ」
瞬「……それは」だって__(まりもを)庇ったらこっちにとばっちりがくんじゃん……。お前が、やってみろよ。__なんてこと言えない……。
たむやんが功星の手を取る。
たむやん「功星!いくぞ!__相手にすんな!」功星がたむやんと行ってしまう。
瞬が俯く。
__樹のせいだ!! ホントアイツ!ムカつくムカつくムカつく!!絶対に離れてやる!!瞬は自習室に1人で行ってテキストとノートを拡げる。

©️石川 直生 2023.
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