炎と消える_僕を消したアイツ 戻レナイ

石川 直生

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炎と消える ラスト

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 22歳の瞬は、現実1に戻る。瞬の祖母の離れに転がっている瞬。両手を後ろ手にガムテープで縛られている。両足もガムテープでぐるぐると巻かれている。芋虫のように転がっている瞬のところに23歳の海辺 樹がやってくる。瞬は、起き上がることが出来ず、倒れたままでいる。
樹「__前から、お前のことが気に食わなかったんだよ」樹が、瞬の脇腹を蹴って、太腿を蹴る。
瞬「だったら、放っておいてくれたらよかったのに。ムカつくなら、無視してくれりゃよかったのに」
樹「__グループから抜けて欲しくなかった。他のヤツらと仲良くしてんのが、許せなかった。__俺から、離れようとするお前が、目障りで仕方がなかった」
瞬「なんで。俺なんていてもいなくても一緒だろ。他のヤツにイジワルすんなって、人に喧嘩売んなっつっただろ。こーゆうこと、すんなって言ってんの」そうだ。思い出した。前にもこんなことがあった。
樹「そしたら、お前は離れてくじゃん。こうでもしないと、他のヤツのものになんじゃん」
瞬「俺は、誰のモノにもならない。俺は、俺だけのモノだよ。束縛とか俺大嫌い。__もう、どこかに消えて」

樹「そ。俺の夜の奴隷になるんなら、放してやるよ。命乞いでもしろよ」
瞬「わかった。言うこと聞く。……けど、ここじゃ嫌だ。シャワー浴びてきて。あと、今日は準備ができてないから無理」
樹が、なんとも言えない表情をする。樹が、ここを出るなよ、と言い置き離れを出ていこうとする。

ガタガタガタと離れが揺れる。樹が、出ようとすると大きな揺れがくる。離れが崩れる。屋根瓦に埋もれる2人。砂埃で息苦しい。
瞬「ちっくしょ。アイツ。ガムテープ取ってくんないと動けない……。誰か!! 誰か助けて!!」
樹「瞬、大丈夫か?」
「大丈夫なワケあるか!! ガムテープが邪魔で逃げられない!!」
「そうか。俺も動けない」
「え?」
「梁の下敷きになった」
「ウソ?」
「ウソついてどーすんだよ」沈黙が過ぎる。瞬は、泣き出した。
「アホ!! 樹のせいだ!アホ! バカ!クズ!ドアホ!!」
「大声出すんなら、助けが来てからにしろよ」

©️石川 直生 2023.
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