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いのりは、いつか何かの形で演劇に関わる仕事につく
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いのりは、マンションに帰り簡単に作ったパスタを食べながら考える。
河本くんに言った方がいいのかなー? ……。んー。けどなんて?
__それに、今は。ダメだ。心がダメージ受けてる。あの男が彼氏ってのは無いとしても。あの若くてカワイイ女の子。あんな若い子に勝てるワケない。いや、アンタ(自分のこと) 勝負する気? 厚かましいよ。
いのりの頭の中で、BLコントが始まる。以下、いのりの演出の舞台。(コント。俳優 瞬と樹 ほぼアドリブ)
瞬が、あの若い男と歩いている。
瞬「なんか、フレンド出来たー♡」
樹「え。どんな女? カワイイ?」
「えー。年上のオバハン。寿司奢ってくれっから。タダでつきあうワケねーじゃん。オバちゃんなんかと」
「えー。お前、ひでえな。俺にも飯奢ってくんねーかな。ババアとつきあいてー。なー。俺もイケるか聞いといて」
「は? なんでだよ! お前、俺がいんだろーが!!」
「イヤー。やっぱさ。男の身体って硬いじゃん。今は、いいけど、男は25までだなー。瞬、お前、オバハンから金取れねーの? 俺にも回してくれよ」
「バカじゃねーの! どっか行けや! クズ!!」
「もー。妬くなよー。今から、部屋くる?」
「……」
「な。機嫌直せって」
「……女がいいんだろ。俺は、もう必要ないんだろ」
「イヤ。あんなん、ただの冗談だって。本気にすんなよ」
「……うん」
「スキだよ。瞬」
「……」2人が、夜の闇に消える。
__という、コントを演出するいのり。
いのり え。私ってBL小説書けんじゃね? 携帯けいたい。携帯に文字を打ち込むいのり。一通り書いてから、ふと手を止める。
ハアーー。何やってんだろ。(こーゆうところが、一人で生きてけるって言われるんだろうな。え。この小説シリアスでいんだよね?)
今日くらいは落ち込ませてよ。
サヨナラ。瞬くん。__スキだったよ。言ってあげないけど。
いのりにとって、BLはただの幻想だ。
いのりの読むBL小説では、大抵受が不憫な目に遭う。受が女子だとして脳内変換して読んでいる。受が、女子、女性だと現実的だし、悲惨で不快で(内容にもよるが) 読んでいられないものもあるからだ。
だから、ファンタジーと思って読んでいる。
もし、瞬と樹がいのりのことを本当にオバハンだと言って、コントの会話が現実だとしたら、BLを法で守るのは、違くないか。
女性スペースに受が入ってくるとしたら、そんなこと認められる訳がナイ。
もし、いのりに瞬の子供が出来たとして。瞬が、好きな男の子と2人で生きていくから、(瞬と男のコで育てたいと) いのりの子供を欲しいと言ってきたら__
絶対に認められない。認める訳がない。多様性を認めろというのなら、イヤだという意見も認めるべきではないのか。
瞬は、恋とか好きとかよくワかんないと言った。
現実はね。もうとうに訳のわからないものになってるよ__
これ以上、女性と子供の権利を奪わないで、いのりは小さく呟いた。
それから携帯を置くと、お風呂の準備をし始めた。
©️石川 直生 2023.
河本くんに言った方がいいのかなー? ……。んー。けどなんて?
__それに、今は。ダメだ。心がダメージ受けてる。あの男が彼氏ってのは無いとしても。あの若くてカワイイ女の子。あんな若い子に勝てるワケない。いや、アンタ(自分のこと) 勝負する気? 厚かましいよ。
いのりの頭の中で、BLコントが始まる。以下、いのりの演出の舞台。(コント。俳優 瞬と樹 ほぼアドリブ)
瞬が、あの若い男と歩いている。
瞬「なんか、フレンド出来たー♡」
樹「え。どんな女? カワイイ?」
「えー。年上のオバハン。寿司奢ってくれっから。タダでつきあうワケねーじゃん。オバちゃんなんかと」
「えー。お前、ひでえな。俺にも飯奢ってくんねーかな。ババアとつきあいてー。なー。俺もイケるか聞いといて」
「は? なんでだよ! お前、俺がいんだろーが!!」
「イヤー。やっぱさ。男の身体って硬いじゃん。今は、いいけど、男は25までだなー。瞬、お前、オバハンから金取れねーの? 俺にも回してくれよ」
「バカじゃねーの! どっか行けや! クズ!!」
「もー。妬くなよー。今から、部屋くる?」
「……」
「な。機嫌直せって」
「……女がいいんだろ。俺は、もう必要ないんだろ」
「イヤ。あんなん、ただの冗談だって。本気にすんなよ」
「……うん」
「スキだよ。瞬」
「……」2人が、夜の闇に消える。
__という、コントを演出するいのり。
いのり え。私ってBL小説書けんじゃね? 携帯けいたい。携帯に文字を打ち込むいのり。一通り書いてから、ふと手を止める。
ハアーー。何やってんだろ。(こーゆうところが、一人で生きてけるって言われるんだろうな。え。この小説シリアスでいんだよね?)
今日くらいは落ち込ませてよ。
サヨナラ。瞬くん。__スキだったよ。言ってあげないけど。
いのりにとって、BLはただの幻想だ。
いのりの読むBL小説では、大抵受が不憫な目に遭う。受が女子だとして脳内変換して読んでいる。受が、女子、女性だと現実的だし、悲惨で不快で(内容にもよるが) 読んでいられないものもあるからだ。
だから、ファンタジーと思って読んでいる。
もし、瞬と樹がいのりのことを本当にオバハンだと言って、コントの会話が現実だとしたら、BLを法で守るのは、違くないか。
女性スペースに受が入ってくるとしたら、そんなこと認められる訳がナイ。
もし、いのりに瞬の子供が出来たとして。瞬が、好きな男の子と2人で生きていくから、(瞬と男のコで育てたいと) いのりの子供を欲しいと言ってきたら__
絶対に認められない。認める訳がない。多様性を認めろというのなら、イヤだという意見も認めるべきではないのか。
瞬は、恋とか好きとかよくワかんないと言った。
現実はね。もうとうに訳のわからないものになってるよ__
これ以上、女性と子供の権利を奪わないで、いのりは小さく呟いた。
それから携帯を置くと、お風呂の準備をし始めた。
©️石川 直生 2023.
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