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第1奮
しおりを挟む今日こそは出さねばならない。
いや、出すんだ。
ここ最近、おれのひりだす屁は凄まじい悪臭を放っている。
人間とは思えない臭いだ。
おれはもう、人間ではなくなっているのかもしれない。
今日は休みだ。
一日中、脱糞に費やすことができる。
いやいやちょっと待て。
一日中、便座に座っているのなんてゴメンだ。
さっさと日課を済ませて遊びにいきたい。せっかくの休日なんだし。この貴重な日を脱糞だけに費やすなんて虚しすぎる。
だが、日課は滞っている。
原因はわからない。
外食を昼も夜もマックで済ませているからだろうか?
家に帰れば嫁さんや彼女が待っていて手づくり料理でもふるまってくれれば、この問題は解消するのかもしれない。
……とはいってもいないものはしょうがない。
いまは独りだ。
いや多分、これからもずっと独りだろう。
おれはもう、恋愛市場から遠ざかってしまった、さえないオジサンなのだから……。
くだらない自虐にひたるのはやめよう。
おれの目下の目標は無事脱糞を成し遂げることだ。
出すぞ!
なんとしても出すんだ。
これ以上、自分の屁で悶絶はしたくない。
悲壮なる決意を胸に秘め、おれはトイレのドアを開け、便座に腰を下ろした。
第2奮につづく
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