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第8奮
しおりを挟む大正、昭和初期の作家のなかには社会主義運動に傾倒したものが少なくない。
いまより遥かに格差があり、作家自身も貧窮の極みにあるものが多数いたため社会主義に救いを求めたのだ。
だが……
社会主義では救われないことが明らかになってしまった。
いや、救われないどころか却って貧しくなり自由も奪われる最悪の体制を生み出すことになった。
おれは20代の前半ごろ、とある左派系出版社の編集部に面接を受けにいったことがある。
最悪の連中だった。
学歴自慢を鼻にかけ、こちらの意見は聞かず一方的に自説を押し付ける。
政府批判に資本家批判、あげくの果ては、おまえらはバカだから政府に騙されてるんだ、とさえずる始末。
つまるところは衆愚思想だ。おまえらはバカなんだから黙ってオレたちエリートに従えといいたいのだ。
従ってたまるか!
おまえらは批判と否定しかできない能無しじゃないか。
ひと言目にはカネ持ち優遇というが、貧乏人を優遇して富が増えるか?
経済がまわせるか?
おまえらが好きなサブカルは自由市場だから生まれたものだろう。それでメシを食っているおまえらは一体何様なんだ!
……と、いいたい気持ちをぐっと抑え、そのクソ出版社をあとにした覚えがある。
このおれの思想はいまも変わっていない。
おれは典型的な弱者だが弱者救済を掲げるものたちを信用していない。
いい例が民主党政権だ。
日経平均株価は8000円。ドル円相場は80円。
アベノミクスをアホノミクスなどといって揶揄するバカがいるが株価をみてみろ、その初期においては見事に経済を立て直したではないか(その後、やや失速したが)。
当時を思い出してまた、腹が立ってきた。
……ん?
もよおしてきたぞ。
腹を立てると波がくるという法則は確かだ。
今度こそ、この波を引き寄せるのだ。
もうこんなところに閉じこもってばかりいるのはゴメンだ。
おれは決意を新たにして下っ腹に力をこめた。
第9奮につづく
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