逍遙の殺人鬼

こあら

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遅刻したのは僕のせいだからと笑いながら言う臼田うすたさんは、私の方に歩いてくると君のせいじゃないよと頭を優しく撫でてくる

なんか……嬉しくない…


「なに、お前ら一緒に寝たの?」

「そうだよー」なんて軽いノリで返す彼はもちろん!と言ったような感じだった
その返事に、うっわ…と呟き私を白い目で見てきた


「っあ、でも手は出してないよ」

「抱きしめただけ」とてのひらをひらひらと見せる
それを聞いて今度は臼田うすたさんに冷めた目を突きつける

"抱きしめただけ"、その言葉に頬が赤くなる
わざわざ言わなくても…
そう思うもすでに遅し
「はぁ…」とジャンさんのため息が私の方まで聞こえた

「ハメるのは勝手だが、時間は守れよ」

「やだなー。僕たちまだそこまで進んでないよー」


""!?
"まだ"とは?









「はぁーー、どうでもいい。着替えは?」

「トランクの中」

その言葉にトランクの方へ行き中にあった服に着替え始める

「…っ!?」

いくら人通りが少ないからと言って上半身裸になるなんて…

くるっと背を向け彼を見ないようにする
ちょうどそこには臼田うすたさんが居て目が合う
先程の言葉を思い出し、恥ずかしながら近寄る


「あの…寝顔…………」

見たんですか?っと聞こうと思ったけど、恥ずかしくて続きが言えない


「見たよ。ちゃんと。じっくりと。」

「……………っ…。」


だけでも恥ずかしいのに、"ちゃんと"、"じっくりと"と重ねて忸怩じくじさせてくる
両手で顔を覆い、赤面する顔を隠す

背を向けて寝たはずなのに、寝返りでもしていつの間にか向かい合う形になってしまったのか…
他に変なことしなかったかな…?

「可愛かったよー」と追い打ちをかけるように言ってくる臼田うすたさんに、もうやめてください…と彼の口元を両手で覆う

これ以上言われたら恥ずかしさでパンクしそう…
目をパチパチさせる彼を直視できずにいる

髪なんか切らなきゃ良かった…
無駄に恥ずかしのは、前髪の隙間から見えるこの瞳のせいなのか…
そんなことを考えていると着替えを終えたジャンさんが「うっざ」と呟く

昨日のスーツを脱ぎ後に流した髪を崩しハーフアップの髪型にしなおすと、Tシャツにフード付きのパーカ、ジーパンとラフな格好になり変わっていた

その服装でもサマになってしまうのだからずる
臼田うすたさんの右ポケットに手を突っ込んだかと思うと、知っていたかのように丸眼鏡を取り出すと、そのまま眼鏡をかける
人を選びそうな丸眼鏡は臼田うすたさんもジャンさんもモデル並みに似合っている

臼田うすたさんも慣れているように、眼鏡については何も言わなかった


「かめ髪切った?」

「ちさちゃんに切ってもらっちゃったー」

良いでしょーっと何故か自慢げに話す臼田うすたさんに「あっそ」と興味な下げに対応する
あまりにも冷たい態度に、本当に一緒に暮らしていたのか?と思わせる
「お腹空いたー」と嘆く臼田うすたさんを睨み、知るか!っとお腹に蹴りを入れる
なんと暴力的…………………………

「僕たち何も食べてないんだよー」

「俺だって食ってねぇーよ!!」

じゃぁ何か食べようと提案する臼田うすたさんに、「お前が買ってこい」と乱暴に扱う
近くのコンビニにご飯を買いに行くことになった臼田うすたさんは「手出すなよ」とだけ告げてそそくさと走っていく

「バカが!」
臼田うすたさんの背中に叫ぶが彼は振り返らなかった
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