逍遙の殺人鬼

こあら

文字の大きさ
29 / 333

29

しおりを挟む
バッグや靴、アクセサリーや洋服などが綺麗に並べられどれも高級感あふれる品々
完璧に制御された室内装置によって、熱くも寒くもない丁度よい温度に設定されていると言うのに私は冷や汗をかいていた

「いらっしゃいませ」と感じの良い綺麗なお姉さんに促されるまま中へと進む
「何かお探しですか?」と店員さんに聞かれると、そのままの流れで臼田うすたさんが口を開く

「この子に似合う服を見繕ってもらえますか?」

「っえ!?」

かしこまりましたと言うと1度その場を離れる
それを確認するとどうして私の服?っと臼田うすたさんに尋ねる
私を無視するように前を通り過ぎるジャンさんはイスに座った

「就職祝?」

「そんなのいらないです。それに、こんな高いものもらえませんって…」


そう言っていると先程の人が戻って来た
こちらなんてどうでしょうか?っと見せられた服はとても可愛く、胸元にリボンが付いたワンピースだった

「可愛いねー」なんて言う臼田うすたさんは着てみなよと私に試着を促す
その流れに逆らえず結局試着室に入ってしまった









試着してみたものの

(似合ってない……………………)

やはり私には甘すぎるデザインで、着負けしてしまっている
これではこのワンピースが可哀想だ
何度姿見で色んな角度で全身チェックするが、やはり似合っていない



「おい、まだかよ」

「早くしろ」と不機嫌そうに言い放つジャンさんに、試着室のドアを開き明らかに似合っていない格好を見せる

「っは」

今この人笑った?
鼻で笑ったよね?

その破壊力抜群な鼻で笑う音によりさらに現実を突きつけられる

えぇえぇ、わかってますよ
似合ってませんよね
だからってそんな風に笑わなくても…いいのに…


「あれ?臼田うすたさん……は…」

「トイレ」

着ろといった本人が居なくてどうする……………………
そんなことを考えていると「早く次着ろよ」と言ってくるジャンさん
なぜ私は命令されているんでしょうか…?

ドアを閉め、渋々次の服を着る

____________________が……

胸元の空いたドレス風のワンピース
イヤイヤイヤ……
私の貧相な体にこれは拷問でしょ…………

「長ぇーー」

ジャンさんの嘆きにドアを少し開き隙間から顔を出す
早く出ろよと言う彼に、笑わないでくださいねと言うがヤダと断られてしまう

「……。」

「早く出ろよ」

俺を待たせるなと、脅迫に近い勢いで言うもんだから嫌々ながらもドアを開き見せる
私を見たジャンさんは、お祈りでもするかの如く両手を組み下を向いたまま手をおでこに当てる
肩は微かに上下に揺れていた

「……笑わないでください…」

「くっそ似合ってねぇーー」

だから見せたくなかったのに………………………

笑う彼を置いて試着室のドアを閉じる
そそくさとワンピースを脱ぎ自分の服に着なおす

やっぱり私にはこれが1番いい…………

試着室から出て服をお店の人に返す


(元々高くてもらうのは忍びなかったから似合わなくて、逆に良かった)

逃げるように出口に向かう私の首根っこを掴んだのはジャンさんだった
まだ終わってねぇ、そう言うと次これ着ろっと違う服を渡される 

「どうせ似合いませんよ…」

「うっせ、早く着ろ」

荒々しく試着室に戻され、仕方ないからそれを着る
どうせ似合わない…
そう思いながらも着ると驚く

それは白色で膝丈のワンピース、ウエスト部分に太めのベルトのようなものが巻かれていて、中央に丸い金属のアクセサリー
腕の部分がシースルーの素材でできていてこれから暖かくなる、今にピッタリなデザインだった
模様はなくシンプルと言えばシンプル
だけど、手抜きではなく余計な飾りが必要ないと言ったところだ

恥ずかしながら見惚れしてしまっていると、ジャンさんと臼田うすたさんの話す声が聞こえた
トイレから戻って来たのかな?

今までスカートやワンピースみたいなひらひらしたものを避けてきた私だったが、この素敵なワンピースに魅入ってしまっていた

「ちさちゃーん、着れたー?」

「おっせーんだよ」

2人の声に応えるように試着室のドアを開けた
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...