逍遙の殺人鬼

こあら

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今私は、これまでにない程危機に面している
どうして私は、ギュウ君の背中に隠れて大きな湯船の隅の追いやられている
心臓はドクドクとうるさいし、彼の素肌を感じるしで頭はパンク寸前だ

『どうしよう…出入口は一つしかないのに……』

『こっち来て。いい?静かにしてて。』

そう言って私を背中に隠すと、ギュウ君はなるべく遠くの方に移動した
お湯によってできた煙で、鮮明には見えない状況下で私を精一杯隠してくれる

『ギュウ君…』

『シッ!大丈夫、見えない様にするから。』

頼もしいその言葉に、私の命運を預けた

神よ、どうかお助けに…
今を切り抜けれる様に、どうか、どうかお力を…









「なぁギュウ、今日入ったシスター見た?意外と可愛い顔してたよな?」

「っえ、ええ、そうですね…。」

「でもやっぱシスターって気難しいから、あの子も相当な者かもなー。目の前に綺麗な女性がいんのに、あーも”神に祈りを…”って感じなのはやっぱ無理だよな。俺は夢ん中だけしか、あの修道服を脱がして肌に触れる事しかできねーぜ……。」

「あはは……」

なんでこんな話を聞かなきゃいけないんだ…
男性同士になると、こんな話で盛り上がるものなのか……

それに”可愛い顔”って…
ここに居づらい
元々居るべきではないんだけど……

「ここには若い女って言ったらシスターぐらいで、あとは子どもか老人しかいないしなー。ギュウ、お前どうしてんの?」

「はい?”どう”とは、なんでしょうか?」

「いや、あんなにいい女が目の前にいて欲情とかすんだろ?その後どーしてるよ?1人で抜いてる感じか?」

「俺は別に…」

「嘘だろっ!お前もやってみろ、すげーぞ‼︎っあ、俺この前下町に降りた時スゲー姉ちゃんにやらせてもらったんだけど、最高だったぞ。男とは違う柔らかいあの肌と入った時のあの快感が堪んなくって、またヤりてぇーなー…。」

(できる事なら、今だけ耳を引きちぎりたい…)
そんな話、毎日しているのか?ギュウ君よ…
彼の素肌を感じる今、そんな話をされると余計意識してしまうではないか…

そのせいか、息苦しく感じる
早く、頼むから早く終わってくれ‼︎

「入れる前にこう、ちょっと刺激を与えてやるんだよ。指使って中の、」

「っ俺、そんな話聞かなくていいっす。…自分は大丈夫です。」

「んな連れねー事言うなよ。お前も想像するだろ?あの黒い修道服の下の存在を。あー、目を閉じたら見える、見えるぞ!そんで床に押し倒して…あーー!いい!いい!」

「研さん…俺には早いって言うか……、」

「オメーもー18だろ!想像してみろ、新人シスターでいいからあの修道服を脱がして、少し赤た顔で”っダメ…。”とか言われたら、もーーーー!」

「っ……」

「想像しちゃった?ギュウはああゆう感じが好きなんだー、へぇー。」

「んなっ、…明日三郎さんに”研さんはまだまだ余裕そうです”って言っておきますね。」

その言葉に焦ったのか「お、俺出るわ…」と言ってパタパタと出口に向かったのが分かった
ようやく居なくなったことで、密着する肌を離して私のことを確認する
先程の話のせいかギュウ君は若干顔が赤く見えるが、よく分からなかった

「もう行って大丈夫」と言う彼の言葉で、立ち上がろうとするがクラッとして膝が思う様には立たなかった
そればかりか、彼にもたれかかってしまい身体の体重をギュウ君に預けてしまう

「…もう、ダメ………」

「っえ!?ち、ちさ!?…俺、」

「………」

「おい、顔真っ赤だぞ。おい、大丈夫か?しっかりしろ!」
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