逍遙の殺人鬼

こあら

文字の大きさ
214 / 333

215

しおりを挟む
脳内フィルターとはとてつもなく都合の良い物を作り上げてくれる
そして、その脳内フィルターの傑作と視界に映るものを、違法レベルに加工合成して見てしまう
それもリアルタイムで…

ジャンさんが少し顔を傾けて近づくその仕草に、私は勝手にキスされるものだと思った
私は思わず、瞼を下ろして少し肩に力が入る

私は何を考えていたのか、まるで思い出せない
視界からの情報量ゼロと言う状況に、微かに香るジャンさんの匂いがふわっと鼻に到達する
懐かしい…
とても懐かしいと思わせてくれるその馥郁ふくいくとした香りが、私に近付いた

柔らかい感触
それが触れた後に走る衝撃に、脚の力が抜けそうになった
その不意打ちと言う攻撃に負けそうになった









「なっに、するんですか?!」

「あんたIQ40ぐらいしかないんじゃねぇの?言わないと分からないとか、チンパンジー並みのIQだな」

「っちょっと待ってください!人の平均IQよりも劣ってるじゃないですか!!」

「自覚あったんだな、偉いじゃねぇか」

「いや…自覚したつもりは無いんですが…。それに、質問に答えてないじゃないですか」

プンスカプンスカしてみても、ジャンさんは申し訳なさそうにはしなかった
痛かった…その場所へと手をやって、痛みを抑えるみたいにグッと覆った

痛い時って、別に痛みが無くなる訳じゃないのに無駄に抑えてたり擦ったりしてしまう
無意味だけど、無意識レベルでやってしまっている為気づいた時にはもう、手で痛みの元に触れていた

っあ、あとあれもそう
怖かったりすると、怖い怖い…って言ったり熱いから暑いわーって言ったり、言えば言うほど増していってた気がする
言葉って凄いわ…ってしみじみ思う

「"嫌じゃない"んだろ?」

(っな!?…)「……痛いのは、イヤです……」

彼から視線をずらした
首元に感じるジンジンと居座る痛みに手を添えては、少しでも痛みが消えますようにと擦った

その過程が気に入らなかったのか知らないけど、私の脇腹へと手をやるとそのままヒョイッと持ち上げて、カウンターに座らせた
あまりに軽々やるジャンさんは、相当な力持ちだ
なぜ座らせた?しかもカウンターに
目が丸くなるくらいハテナが頭を回った

しかもジャンさんは、どこからか出したのか分からない黒くて細長い物を手にしていた
それを少し動かせば、シルバー色に輝く物が出てきて一瞬の動きで私の足目掛けて振りかざされた

「ッ?!」

「なぁ」

「…っジャ、ンさん…?」

「これは?」

そう言っては、また新たに取り出した物を手に持って私の首元に向けた
見えない分、少しでも動いたら切れてしまうのではないかと焦る
呼吸によって動く首元ですら危うく感じた

足元に降ろされたそれは小型ナイフのようなもので、私の外腿をかすめていた
あと数ミリ内側に降ろされていたら、もっと大惨事になっていたことは容易に想像できた
指先が用紙によって切れた事がある
それと同じ様な痛みを感じている
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...