逍遙の殺人鬼

こあら

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お酒とは怖い物です
あんなに頼もしい春さんはベロンベロンに仕上がってしまっているし、臼田うすたさんはいつも以上に私を甘やかそうとしてくる

こんな状況に、ドキドキして身なりを気にしていた私はそんなことを気にする余地すらなかった
「女、ケントデリカット。」とか、意味不明の事言ってくる朔夜さんの事を薄目で見ている

「ハルもうやめとけ。スピリタスは流石のお前も無理だ。明日起き上がれなくなるぞ」

「声は冷たいのに言葉は優しい、ねぇーちゃんと人間でしょうー?」

「もう喋んな、鳥肌が立つ」

「はぁー?ちゃんと批判だって出来るわよ。ひさしは嫉妬野郎だしー、あんただって性欲の塊じゃない。」









「朔夜さん、廊下で寝ちゃダメですって…。ほら立って」

「分かった弁護士だ。」

「はいはい、弁護士ですね。その前に自室でちゃんと布団かけて寝てくださいねー。いいですかー」

「それで女が被害者だ。」

「うわー凄い、これで小説もバッチリですネ」

はい、任務完了
寒くないようにしっかりと布団もかけて、念の為ゴミ箱を近くに置いておこう
お水も一緒にね…

(大人だし、ひとりにしておいても…大丈夫…だよね?)

扉は念の為開けておいた
そしてリビングに戻ると、何と春さんと臼田うすたさんが2人揃ってビールを呑んでいる
いや、普通に呑んでいる訳ではない
まるでお祝い事でもあったみたいに、互いの腕を組んで呑んでいるのだ

その妙な光景に思わず足が止まる
臼田うすたさんはずっと笑ってる
春さんはずっと喋ってる

「ネイルすらしてないゾウみたいな手してるのよー?InStyleインスタイルをコースターにして受付でおにぎり食ってんの。店の看板となる受付嬢がそんなんで許されるの?」

「あはははは、ハルカがどうして怒ってるのかサッパリでーす。」

「アタシが赤色のパンツ探してたら”こちらなんてどうですか。”とか言って紅唐べにとう色のワイドパンツ出して来たのよ?しかもディスカウント無しで。去年のVOGUEヴォーグに出たヤツなのに、あり得なくない?」

ですか?スターウォーズの最後のジェダイに出てくるあれですよね。」

(…臼田うすたさん、それきっと違いますよ。)
彼に近寄って、大丈夫ですか?と確認すれば「最高ー」とご機嫌の様子です

これ以上呑ませるのは良く無いと判断した私は休むように臼田うすたさんに伝え、彼を取り敢えず私の部屋に連れて行った
おぼつかない足取りの臼田うすたさんは、ずっと笑っていてベッドに座ってもそれは変わらなかった
嬉しいんですか?と酔っ払った彼に聞いてみた
何となく、その笑顔の理由が知りたかった

臼田うすたさんは笑顔で「とわ…」と呟くだけで詳細は語ってくれなかった
そしてそのまま後ろに倒れて眠ってしまった

「”とわ”って…確か、妹さんの」

でも臼田うすたさんの妹さんは亡くなられたはず
生きていたら私と同い年…

もしかして、その亡くなった妹さんと私を重ねて見ていたのかな?
お酒で…酔っぱらってたしね
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