逍遙の殺人鬼

こあら

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「あら、おはようちーちゃん。今朝はよく眠れたかしら?」

「春さんに嘘は付きたくないので…答えはNOノーとだけ言っておきます…」

ひさしの事、気にし過ぎよ。ほっておいても大丈夫よ。」

「心配なもので…」(本当の事を言ったら、また喧嘩するよね…?)

私は既に起きてテーブルにお皿を置くギュウ君におはようと挨拶しながら、朝食のお手伝いをした
心ここにあらずといった心情の私は、蛇口から流れ落ちる水道を見るだけで、何だか気分がモヤッとした

夢で見たみたいに…勢いよく流れ出るそれが重なって見えてしまったんだ…
目を逸らして、何ともないって言い聞かせて支度を続ける

そんな私に気付いたのはギュウ君だった









「なあ、大丈夫か?」

「…ん?なにが?私変な顔してた?」

「……。また悪いクセが出てるぞ。」

「なによ…"クセ"って。私はこの美味しそうな朝食に釘付けになってただけなんですけど」

とぼける私に眉をひそめるギュウ君
分かってるけど、分からないフリして離れる
後ろを付いてくるように近づく彼は、納得いってないみたいだった

「何かあったんじゃないのか?俺にも言えないコトなのか?」

「変なこと言わないでよ…。"何か"ってなに?私は大丈夫だから、」

「分かった。…もう、詮索しないから。無理だけはしてほしくない。」

「無理なんか…してないよ……」

冷たくつけ離した
言ってしまえば心のつっかえは無くなり、幾分か気分も晴れるだろう

_____でも言えない…
言えないのよ…ギュウ君

自分の態度に呆れるが…このモヤモヤを溜め込んだ私は、化けの皮が剥がれたみたいに余裕がなくなった
「女、今日はなんていい日なんだ。」って、いつになくご機嫌な朔夜さんは、椅子に座って私を見た

「……、外曇ってますよ。」(雨が振りそうな雲行き…。)

「今キてるんだ。手伝ってもらうぞ、女。」

「でも私…」

どもって春さんを見た
助けを求めてるたみたいで嫌だったけど、春さんは顔を横に振って言った
あの2人は帰ったと

その言葉を理解するのに少し時間がかかった
瑞貴さんとジャンさんはもうこの家ここには居ないと、春さんは言ったんだ

昨日「おやすみ。」と言って瑞貴さんは眠ったと思った
正確には2人とも眠っていたところ見ていた訳じゃない
でも、春さんは前に言っていた
ここに居ると

「どうして帰ったんですか…!」

「おい、ちさ…。」

勢いのままに聞く私を「落ち着け。」とギュウ君が止める
「気にしなくていいのよ。」と背を向けて、話を終わらせる春さんは朝食を食べましょうと席に着く

どうしてですか?!と聞き続ける私の質問に答えようとはしない
何かあったんですか?と心配する私に「冷めるわよ。」と、春さんらしくない答えに何だか胸騒ぎを覚える

まずはご飯食べようよとギュウ君までもが話題を避けようとしている
そんな2人とは対照的な朔夜さんは晴れ晴れとした顔で言い放った

「むしろ喜ぶべきじゃないか。あんな得体の知れない輩が視界から消えて。」

「何言って…」
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