逍遙の殺人鬼

こあら

文字の大きさ
287 / 333

288

しおりを挟む
「そもそも俺は反対だったんだ。あんな狂人。」

「ちょっと、やめて。」

「オカマは幼馴染だから分からないだろうが、アイツのあの目。普通の人とは思えないほど冷たい。」

「黙って食べなさいよ!」

荒げる声はよく響いた
いつもよりもうざったいといった顔で睨み、この話を終わらせようとしてる

「ちーちゃん、まずは食べようよ。ね?」

「春さん…」

私は分かってる
例え朝食を終えても、春さんは詳細には語らないことを
私の望む答えを話してはくれないことを

それもどれも、結果的には私のためだと分かってはいる
でも、納得ができないんだ…

いつも、いつも…私ばかり知らされないこの状況
無力で無知な自分に、腹が立って仕方ない
春さんがその選択肢を取ったのは、私がどうしようもないからだ………









「うむ、やはり機械は女に任せたのは適切だったな。」

「……そうですか…」

「女、俺は褒めてやってるだ。もっと嬉しそうな顔できないのか?」

「ただ文字打っただけなのに、こんなに褒めてくださって感激です」

態度悪いな…私
結局……朝ごはんを食べ終えても聞くことができなかった

しまいには、朔夜さんに捕まって原稿をデータ化させられた
手伝ってもらうとはこの事だったのか…
新作に行き詰まっていたから、書く流れが来てくれたのは喜ばしい事だけど…
素直におめでとうとは思うことができなかった

いつもだったら、部屋中に置かれた本達にだって興味が尽きなくて、読みたいと思えたのに…
今は、そんなこと思えない自分がぽつんと、喜びながら原稿を確認する朔夜さんの前に座っている

「女、今回の話はどうだ。新しい路線に行ってみたんだが、我ながら悪くない所まで来ている気がするんだ。」

「そうですね…」

「特にこの主人公が被害者の話を聞き出す所なんて、感動的だと思わないか?」

「…そうですね」

「おい、女。"そうですね""そうですね"って、壊れたレコードかお前は。いつもなら自分から口出してくるくせに、珍しい事もあるんだな。」

"口出し"ってなんですか…
私はただ、朔夜さんの作品について感想を述べているだけで…口を出しているつもりなんて毛頭ない

(そんな小姑みたいなキャラじゃないもん…)

満足げな朔夜さんは資料だと言って、複数のホームページやら写真やらを印刷してくれと私に言った
私は言われたままに行動し、パソコンで朔夜さんの新作小説の手伝いをこなす
(アシスタント料くださいよ…)

「女、ちょっとかわやに行って来る。ちゃんとやっとけよ。」

「もっと他の言い方ないんですか…?」

朔夜さんは礼儀も何もない会話をして行っしまった
はいはい…と私は言われた通りの仕事をした
そんな私の頭の中に、ある思いが浮かんでしまった

臼田うすたさんの機器なら、私の知らない、知りたい何かがあるのかな…。)
朔夜さんのパソコンを触っていてそんな事を思ってしまう

知りたいと思う私は誰も居ないことを良いことに、別ページを開いてと打った
馬鹿げていることは100も承知
でも…誰も教えてくれないならと、私は静かに臼田うすたさんに近づいて、彼のポケットからスマホを取ってしまった
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

処理中です...