逍遙の殺人鬼

こあら

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私は取ったスマホを起動させた
当然ロックが掛かっていて解除することは困難だと思われた

(4桁の暗証番号…。)

指紋認証でも、顔認証システムでもなく4桁の番号を組み合わせた暗証番号を打ち込まないと開かないロックだった
顔や指紋なら本人が居るから簡単に解除することができた
しかし、番号となると話は難しくなっていく

0000から9999まで4桁の数字の組み合わせは全部で1万通り
それを1から行うなんて果てしない作業、毛頭する気はない
パソコンとスマホをゲーブルで繋ぎ、後ろを確認して既存の解析ソフトを使用した

1分とかからずに番号が解析され、難なくロックが解除された
私は昔読んだ本を頼りに、自分の頭にしまった記憶を辿ってスマホの情報を掘り出した









「おい女、思ったんだが…何してる。」

「なにがですか?」

「今すごい手付きで移動してなかったか?何してた。」

「朔夜さんが印刷しろって言ったんじゃないですか!手を動かさないで、どうやってしろって言うんですか?」

朔夜さんは腕を組んで「そうだったな。」と納得した
そして、話の続きをし始める
新作についての話で、その口から出る言葉は止まらない

(焦った…。)
いくら朔夜さんが機械に疎いと言えど、流石に私の物ではないスマホを持っていたら違和感を覚えるだろう
少し反応が遅ければバレていた…

「恋愛系には手を出していなかったが、その要素を入れるっていうのも今までにない感じがして新鮮じゃないか?」

「朔夜さん恋愛したこと無さそうなのに…よく書いてみようと思いましたね……」

「何故言い切れるんだ。」

「っえ!?したことあるんですか?恋愛。本当に?」

「女、お前大分失礼な発言だぞ、それ。こう見えても俺は恋愛マスターだ。」

「本当ですか…?」

失礼を承知で言っている
だって…ちょっと、いやかなり考えづらいことですもん

春さんなら分かる
臼田うすたさんも分かる
ジャンさんも…まぁ、分かる
瑞貴さんも………分かるけど…
朔夜さんは…どうなんでしょう…か?

いつ・何処で・どんな方と?
どのくらいお付き合いされてたんでしょか…?

「ははー、さては知りたいんだな。」

「何をです?」

「恋愛技術をだ。助言が欲しいんだろ、目を見れば分かる。」

どの目のことを仰ってるんでしょうか?
この目?
この私の目のことを言っているんですか?

今しているこの目は疑いの目ですよ…
そんな信じ難いその事象的な事実
どこまで信じていいものか……

「別に必要ないです。別に、困ってませんし」

「"困ってない"?」

(そうよ、私には臼田うすたさんと言う立派な彼氏がいるんだし)「全く」

「そうやって安心し切っているとな、近いうちに天地がひっくり返るぞ。追いたいと思わなくなった女など、居なくても同じというものだ。」

何その意味深な言い方…
そんな風に言われると気になってしまうではないか…

それは…と思わず口から出た言葉に、朔夜さんはニヤリと笑って話し出した
それにしまった…と思ったものの、私はちゃっかりちゃんと話を聞く姿勢に入っていた
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