彼は死神

こあら

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15 「お主、匂うな」

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「教えましょうか?彼の過去。」


「知ってるんですか?」


「えぇ、彼を狩ったのは私ですから。」


「そうなんですか!?」


「はい。8年前彼が殺された瞬間を見届け魂と体を切り離しました。魂は天に行き地獄か天国に行くか、このままこの世に残るか決断します。しかし彼はどちらも拒否したんです。」


「どうして?」


「殺した相手の生を自ら終わらせたいと、しかしそれは許されません。それでも彼は諦めませんでした。彼の面白い意志に私は取引を持ち掛けました。」


「どんな、取引ですか?」


「殺した相手が死ぬ際、切り離す役目を任せる死神となる代わり、役目を終えた後は地獄に100年居ること。」


「100年、っですか…」


「えぇ、本来死神は自らなることはできません。それを無視して無理やりなろうとすれば対価を払わなければなりません。」



「…。」

そんなことになってるなんて知らなかった…



セツさんは…誰に、殺されたんですか?」


「彼の母親です。」


「お母さんに!?どうして…」


「彼の母親は金銭目的で自分の子供を殺していました。そして、彼が留学中に腹違いの妹を薬で殺し、それに気づいた彼のことも殺したのです。」


「そんな…、ひどい…。」

(だから、って、過去形に言ってたんだ…)


「彼は死神として仕事を完ぺきにこなし、母親が死ぬ時を待っているのです。」













「どうです?彼のこと、少しは分かりましたか?」


「…はい。」


「まぁ、もっと知りたいなら彼のズボンとパンツを下ろして」

「はいはい、そこまで。離れて離れて」


セツさん。」


「お待たせ」


「待ちくたびれたよ~。」


「眼鏡はお呼びじゃない」

しっし、っと追い払う




さっきの話のせいかセツさんの顔が見れない


「大丈夫?眼鏡に何かされなかった?」


「いえ…」

「…。それじゃ、…審問会、行くぞ」



「はい。」








審問会

そうデカデカと扉の上に書かれている



「ふぅ…」

一息つきつくと扉がギィっと音を立てて開く

私のすぐ隣にはセツさんが居て、クロさんもついてくれている

1歩、また1歩と中へと進む





部屋の中には眼鏡の人を含め5人の死神が裁判官のように座っていた

緊迫した空気の中私は発言場へと促される




「先ほどぶりですね。」

最初に口を開いたのは眼鏡さんだった




「それで、今回はなんだ」

次に話し出したのは眼鏡さんの隣に座った綺麗な女の人だった

少し不機嫌そうにも見えたが、それはどうやら眼鏡さんに向けてだった



「この者は人間ではないか。なぜ狩らない。」

「今回はそのことについて着ました。彼女は死ぬ予定では無いのに我々の姿が見えてしまうのです。」

クロさんが説明をしてくれた


ざわめきはじめる





「面白そうだろ?コレット。」


「こっち見るなクソ眼鏡」


(綺麗な顔に似合わない言葉使い…)


「お嬢さん凄いでしょ?コレットのこのゲテモノでも見るかのような目。」


「あはははは…」

無理な作り笑いで誤魔化す



「お主、匂うな」


「っえ、」

(うそ、私臭い?)

慌てて自分を嗅ぎ匂いを確認する



「あ、臭い意味ではない」


「ではどのような匂いなのですか?コレット。」



「何者かが関わっておる。あまりいいモノとは言えない。」




「恐らく、それが原因で私たちが見えるみたいですね。」

私と同い年くらいに見える女の子が口開く



「この者に誰が関わっているのだ?」

続けて大柄の男性が言う



「…。」


「そんなこと分かるわけなかろう」


(そりゃそうだ。そんなに簡単に分かったら、誰も困らない。)


「なんだかな、臭いんじゃよ。お主、我々に会う前に誰かに会ったか?」


セツさんたちに会う前は特には…」


「記憶にないだけかもしれません。そうなると記憶を操れる程の人物ということになりますね。」


「まさかと思うが、お前じゃなかろうな」






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