彼は死神

こあら

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33 「ぜぇって言わねぇ」

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急に手を離し眼鏡をカチッ、っとなおす


「やりましたね。」


「え?」


「これは絶対やりましたね。間違いない。」


「会ってそうそう、んなこと言ってんじゃねぇよ」


「どうだったんですか?感想は?」


「んで、そんな事いちいち報告しなきゃなんねぇんだ!」


「勿論、私は先輩であり上司です。君は報告の義務があります。報告・連絡・相談。ほう、れん、そう!」


「それは仕事の話だろ!!」


「まさか…。2回じゃないですよね?」


「2回?」


「まぁっ。…。なぜ報告しないんですか。ゴムだってあげたのに。」


「声がでけぇ」


「ゴホンッ。花穂カホさん、ご無事で何よりです。」


「クロさん!!会いたかったぁ。」

(今朝はクロさんの手料理食べれなかったなぁ)




















「私てっきり昨日きりだと思っていましたが。」


「っ…。」

「それが…。」


「その顔、絶対何かありましたね。」



「どうやら今度はセツさんのに、なったみたいで…。」



おぉ、っとざわめく


嬉しさと恥ずかしさが相まって徐々に顔が赤くなる


こんな公開処刑されるとは…






「よかったのぅ。一件落着か?」

「あ、あの、よかったら、印見せてもらってもいいですか?」

「私も見たい‼」

「私もぜひ。どんな印か気になりますね。」

花穂カホさん、良ければ私にも見せてください。」


一気に囲まれ群がる

どこにあるの?と探す



「あの…、実は舌なんです。」


「舌⁉なんて下心満載なところに。」


「っえ⁉そうなんですか?」

「っば、ちげぇし…」




「どんな形かしら。」

「あ、あのセツさんですから、きっとかっこいいマークに違いありませんよ。」


「ハートだったりして。」





気になって仕方ない皆にベロを少し出して印を見せる




あんなに盛り上がっていた空気は一気にシーンっとし、静まり返る

まだ印がどんな形なのか知らない私はみんなに聞く


「どんな、マークでした?私まだ知らなくて。」



「…」

「…。」

「、…。」

「…。」

「…」

「なるほど。」



(何だろう…みんなの反応)


「ヒロくん、あれって…」


「か、かっこよくは、ない、ですね。」



「主、このマークはなんですか⁉」



「…」


「君らしいですね。」




眼鏡の人以外は分からない様子で逆にざわめく

(コレットさん…、あんな顔もできるんだ…)



「印は正直ですね。」


「うっせ」



(?)


「ほら、お嬢さんに説明してさしあげなさい。待ってますよ。」


「ぜぇって言わねぇ」


「?????」



ぷいっ、っと顔を背ける

教えてくれないの?と聞くと、恥ずかしくて無理と目すら逸らされてしまう



「な、なんか、バツ印みたいなマークでした。」


「…、バツ?」


(…。え?)





ハートとかまるとかではなく、バツ?








どうしてか聞こうと思い、彼の方を見ると、反対の方に顔を逸らす


「なんで…?」



(私はセツさんにとって、バツなの!?)








「ば、ばつ印ってロマンティックじゃないいですよね?」


「そうねぇ。」



「…?」





「お嬢さん。」

「眼鏡さん…。」



見かねた眼鏡さんがこちらに歩いて来る




「彼はきっと教えてくれないでしょう。」


「そんなぁ…。セツさんにとって、私はバツなんでしょうか…」


「私は彼が留学していたことを知っているので分かりましたが、あれはバツはバツでも意味があるんです。」


「…。ダメ、とかですか…?」


「いいえ。お嬢さんはルーン文字というものを知っていますか?」


「るーん、文字?ですか?」


「はい。舌のバツ印はルーン文字の×、ギューフと呼ばれる文字です。主に贈り物という意味を見っていて、他にも、祝福、愛情、友情などもあります。」


「は、はぁ…?」



「私の訳が正しければ、貴方を祝福するまたは、貴方に愛情を送る、といったところではないでしょうか。彼はお嬢さんのことをとても愛してるみたいですね。」


「っあ、愛⁉…。」


〖ぜぇって言わねぇ〗

(あれって、照れたんだ)




そういうことならバツ印でもいいと思えた

他の人が分からなくても、彼と自分が分かっていればそれで十分だ



セツさんセツさん。」


「んぁ?…何度聞かれても言わねぇぞ」





耳元に近寄り彼以外に聞こえない大きさで話す









「私も、愛してる。」





「っんな!何で…っ」








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