彼は死神

こあら

文字の大きさ
35 / 46

35 「シノ…。ガッツリ見られてんぞ…」

しおりを挟む
「そんな…。両親を助けてくれるって約束したのに…、見殺しにしたんですか?」



「まだ調査中ですが、恐らくそうかと。」



(事故の記憶は残ってないけど…、シュンさんがそんな人だったなんて…)


残酷な真実に私は顔を青ざめる



そんな様子を見たセツさんは大丈夫か?と寄り添う



「それから、もう1つ重要な話をします。お嬢さんの処分が決まりました。」


「…どう、なりましたか?」



本来私はここに居るべきではない

5歳の時、事故で亡くなっているはずだった

それをシュンさんに助けられたけど、その代わりに他の誰かの命を奪う結果になってしまった

そんなことを知らず、私は12年間健康に生きた




死んでいるはずの私




(私…、もしかして、死んだりするのかな…。)





「お嬢さんは本来、5歳の時に亡くなっていました。」


「っ…。」


















「死神が処理する前に行われたため、こちらとしてはどうすることもできません。しかし、今もですが一般の方が我々、死神等が見えるのは好ましくありません。」




「っで、では…」




「あなたには、死神の仕事を手伝ってもらいます。」



「あ、あれ?シノさん?」


「遅いではないか、シノ。」


「酒飲みコレットさんのお守りは勘弁。」



シノと呼ばれる口元を包帯のような布でぐるぐる巻きにしたショートカットヘアの女性が現れた


シノさんはまっすぐ私の方へと歩いてくる







「シノ、手続きは終わったんですか?」

「ええ、無事に終わりました。この子がセツの彼女?」


「っあ、あの…」



シノさんは冷たい目が私を見ていた

時間が止まったかのように自分の周りが重く冷たい空気に凍った



シノさんの圧に押されている私をセツさんが支えてくれた




「シノ、あんまこいつを怖がらせんな。初対面なんだから、そんな風に見たらよけぇ怖いだろ」


「っあ、つい…。ごめん。」



(なんだろう…。セツさんと、仲が良さそうな感じ。)

2人の会話に妙な感じを抱く

どことなく雰囲気の似ている2人に、私は黙ってしまった…



「お嬢さん大丈夫ですよ。シノはこう見えて、とっっても、優しい子です。それに、この冷めた目と無言で腹パンしてくる時は、なんとも言えない…」


「ふんっ!」



表情を一切変えず眼鏡さんのお腹を思いっきり殴るシノさん



その光景を見て、恐怖心+不安感で顔がさらに青じめていく



(なっ、殴ったっ…。)


「シノ…。ガッツリ見られてんぞ…」


「っあ、ごめん。」


「謝ることないぞ。この変態キモ眼鏡が悪い。殴られて当然じゃ。」




みんな慣れているみたいに今の光景を冷ややかな目で眼鏡さんを眺めていた

殴られた本人は痛がるどころか笑顔一つ崩さず、どこかスッキリとした顔に見えた




「せ、セツさん…。」


「大丈夫。こー見えて、シノはいいやつだ」


頭をポンポンと軽く叩く



「そ、そうですよ。セツさんに捨てられた後、黒子として拾ってくれたのはシノさんです。ですよね、シノさん?」





「ヒロくんが、…あまりにも可哀想だったから…。」



「捨てられた、って…。」




「そんな目で見るな。こいつ黒子の仕事全くできてなかったんだぞ。3ヶ月も雇ってやったんだ、嬉しく思え」


ぷいっ、っと顔を背けブツブツ呟く




「まぁ、セツの黒子を1週間以上持ったのは、ヒロくんとクロちゃんだけだし…。誇りに思っていいんじゃないかな。」




セツくん意外と注文多いよね~。私もセツくんの黒子だけはやりたくないねー。」


「は、浜さんそんな風に言ったらセツさんに怒れますよ…。」


「ヒロくんは臆病だね~。セツくん仕事早いから、黒子の仕事も早く処理しなきゃいけないし、狩る量も多いから黒子もそれなりできる奴じゃないと仕事が溜まっていく一方だよ。」



「ワシも、50年若かったら行けたぞ。」


「コレットも死神なりたての頃は彼のように狩りに熱中してましたね。あの頃が懐かしい。」




それぞれ思い思いに盛り上がっていく



審問会が時間通りに行かない理由が何となくわかった気がする…



「あの…私の処分は…?」





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...