みらい。

ばななちゃん

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狂い

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 中学生。それは、一番難しい年頃なのでは無いのだろうか。勉強、部活、人間関係…どんどん「普通」が無くなっていく。そんな体験をしたのではないだろうか。しかし、それは人生の過程である。そのような状況にどれだけ、馴染み、対応していくのか、人によって差異があるであろう。

 私は、いつものアラームでいつもの時間に起きた。そして、いつものようにご飯を食べる。いつもと違うのは、着慣れない制服と中学校へ向かうことだけだ。そして、外に出ると友達のあみがいた。
「おっはよー!中学校楽しみだね!クラス一緒がいいなぁ…」
 私は、いつも通り明るく言った。あみとは、小学校六年間ずっと同じクラスで家も近かった。
だから、一緒に行くこともまたいつも通りである。
 学校に着くと、クラスが書かれた紙が張り出されていた。あみとそれを見ると、クラスは私が一組、あみが三組となっていた。クラスが離れたのだ。私のクラスに同小の子もいたが、仲のいい人はみんな離れた。絶望的だった。しかし、私は新しくスタートできるという喜びもあった。
 入学式が終わり、自己紹介の時間となった。担任の門田先生からはじまり、出席番号順に自己紹介をしていた。私は成瀬陽向だから、ちょうど真ん中だった。みんなが、緊張して自己紹介をしていき、いよいよ私の番がきた。
「成瀬陽向です!好きなことは、バレエです!よろしくお願いします!」
無難にこなした。そして、自己紹介が終わった。
 次の時間は、交流会であった。さっきの自己紹介を聞いて、気になる人と話す。というものだった。私は、バレエが好きと言っていた、田畑優菜さんの所へ行った。しかし、あまり喋ることが出来なかった。そのあとも、深く入ることなく話していき交流会が終わった。
 
 数日たち、ようやく慣れてきた頃仮入部の時期がきた。私は、バレエに専念したいがために美術部に入るつもりだった。だから、初日はもちろん美術部へと行った。楽しかった。絵を描くことは嫌いではなかったし、何より楽だった。絶対私は美術部に入る。そう思っていた。
 次の日幼なじみの田中美優に誘われテニス部の体験に行った。どうせ行ったって私が美術部に入ることは変わらない。そう思っていた。
 しかし、コートに入ると何かを感じた。重い空気、でもい心地が良かった。先輩が、一生懸命ボールを拾う。取れるわけないところでも、とにかく走る。そして、打ち続ける。それに私は驚いた。それと同時に、私もこんな風になりたい。と思った。自分でも驚いた。こんな風に思ったことは今までなかった。だから、私はテニス部に入ることに決めた。
 テニス部に入る。それは、本気でバレエの道を行けない。ということでもある。筋肉の付き方がまるで違う。さらに、日焼けをしてしまう。それでも、私はテニス部に入りたいと思った。親は驚きはしたが、反対しなかった。

 部活は、想像と遥かに異なっていた。毎日坂道を走ったり、素振りを二百回以上したり散々だった。長距離は苦手だし、素振りは面白くなかった。何回も辞めようと思った。美術部に入らなかったことを後悔した。でも、辞めなかった。いや、やめれなかったのだ。ジャンケンに勝ってしまい一年生代表になってしまったからだ。それだけではない、ユニフォーム代、ラケット代、シューズ代様々なところでお金を使ってくれた。なのに、ものの一ヶ月で辞める訳には行かない。だから、無難にこなしていった。そうしていているうちに、定期テストの時期がやってきた。
 私は、自分で言うのもなんだが、頭がいい。塾でも一番上のクラスだし、小学校は、百点が当たり前だった。だから大丈夫そう思っていた。親に期待を裏切られないように、私は全力で勉強をした。その努力が実り、百人中六位をとることができた。とても嬉しかった。でも、少し不満であった。こんなに勉強したのに…もう少し上に行けると思ったのに…そう思ってしまったのだ。上には上がいる。どんなに勉強しようと、才能には負ける。実際はそのようなものなのだ。次は、五位以内を目標とし頑張ろう。そう決めた。それを親につたえると、
「五位以内に入ったら、お姉ちゃんのお古のスマホをあげるよ。」
私は驚いた。姉は高校に入るまで、スマホは貰えなかった。これが、妹の特権であることは感じていたが、少し罪悪感があった。でも、目標があることで頑張れる。だから、私は日頃から勉強もするようになった。そんなある日事件が起こった。
 「ちゃんと、やろうよ…。」
私が、言っているのにも関わらずみんなはそれを無視する。十六人を一人でまとめるのは、とても大変な事だ。私は、どう伝えたら聞いてくれるか、一人で考えた。でも、思い浮かばなかった。すると、
「陽向ちゃん!ちょっと来て!」
先輩に呼ばれた。少し怖かったが、走って向かった。
「陽向ちゃん。試合に出れるかもしれないよ。」
先輩は、五人しかおらず、ペアを組むと一人余ってしまうのだ。そこに、一年の私が選ばれた。私は、嬉しかった。でも、それがみんなに知られたらどうなるのだろう。きっといい思いをすることはないだろう。怖かった。しかし、私は、先輩の足を引っ張らないように頑張ろう。そう思い、努力した。
 そして、私は初めてコートで練習をした。それは、いつものメニューと比べ物にならないくらい、楽しかった。最初は、上手くいかなかったりしたが、出来ないからこそ、できた時の達成感を味わうことが出来た。私は、この瞬間テニス部に入って、よかった。心から、そう思った。ところがある日
「ちょっといい?」
真優に、呼び出された。真優は、小学校のころから、ぶりっ子で裏がとても怖かった。だから、とても恐怖であった。
「試合出れるからって、いきんじゃねーぞ?」
と言われた。いつかは、言われる。それは、分かっていた。でも、私は今まで試合に出れることがを自慢することはしなかったはずだ。何故こんなことを言われなければならないのか。言い返したかった。でも、面倒だった。努力をしないくせに試合に出れるとでも、思っているのだろうか。その思いを胸にぎゅっと閉まって、
「ごめんね。」
その一言を告げ、私は練習へと戻った。試合までは、あと一週間しかない。こんなことに、時間を使うのは無駄な事だ。そう思い、練習をしていた。
 ところが次の日、さらに事件が起こった。私のラケットが無くなっていた。すぐにわかった。真優のせいだ。私は、一生懸命探した。
「あった!」
そこは、ゴミ捨て場だった。ボキボキにおられたラケット。それを見て、私は怒りと悲しさを感じた。親が、汗水流して働いたお金で買ってもらったラケット。それを折られたことは、とても悲しかった。そして、それとは別に、こんなことをする人が本当にいるなんて、信じられなかった。小学校の頃はなかった事だ。
 気持ちが追いつかなかった。だから、今日は、部活を休んだ。辛かった。親にどう話そうと考えながら、帰宅した。頭には、辛い、悲しい、怒り。様々な思いがあった。そして、家に着いた。
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