ヴァンパイア♡ラブforever

田口夏乃子

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第1章

第五話 「新しい先生はあの人!」

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「えっ!?先生、もうここの医者をやめるのか!?」

「えぇ。定年退職なので。」

そうですか……。

「じゃあ、誰が真莉亜を診るんだ?医者がいねぇと、無事に赤ちゃん産めないしぃ。」

「大丈夫です。私の跡継ぎになってくれる、新しい専属医者を一人、派遣しました。」

えぇっ!?

「そいつは、誰だ!?」

「えっとぉ、確かもう、ここに来ていると思いますけどぉ……。」

先生が、辺りをキョロキョロ見渡すと。

「うわぁ~!先輩、お久しぶりですぅ~!」

「うわっ!ちょっ、君!なにをする!」

えっ!?男の人が、家来にだきついる!
ん?黄緑の髪の色で、ポニーテールで、髪を長くたらしていて、医者の服装をしていて、身長が175cmある、男の人。
ん?あの男の人の顔、かわいい顔をしている。
ま、まさか……。

「ギロさん!?」

やっぱり!あの天然ぶりは、ギロさんだ!
しかも2年前より、どんどんかっこよくなってるし♡

「お、おい!離れろ!」

「んもう♡先輩ったらぁ、そんなに照れないでくださいよぉ♡」

「おーい、ギロぉ~。そいつは俺じゃねぇぞぉ~。」

「え……?うわぁぁぁぁぁぁぁ!先輩じゃなーい!」

2年前よりも、天然パワーがパワーアップしています。

「じゃあ、この人!?」

「それもちがう!」

「じゃあ、この人!?」

「それもちがう!」

「もしかして先輩、死んだんじゃ……。」

「おい!ギロ!俺は死んでねぇって!」

「ん?うわぁぁぁぁぁぁ!先輩の幽霊がぁぁぁぁぁぁ!」

「だーから俺は死んでねぇって!」

「せんぱ~い!」

ギロさんは、走って、ジュンブライトにだきついた。

「会いたかったですぅ~!」

「ちょっ……ぐ、ぐるじ~い……。」

そのとたん、ジュンブライトは、気を失っちゃった。

「うわぁぁぁぁぁぁ!先輩、大丈夫ッスか~!?」

うっさい。

「う、う~ん。お前、力入れすぎだ。」

「はい、すみません。」

「それと、お前、2年経っても相変わらず、天然だなぁ。」

「俺は何年経っても、天然ですっ!」

「意味わからん。」

ギロさん、お久しぶりです。

「うわぁ~!真莉亜ちゃん!結婚したんだってね!それと、妊娠したんだってね!」

はいっ。

「さわってもいい?」

もちろんっ。いいですよ。

「では、さっそく……。」

ムニュ……。

「って、それは真莉亜の胸!」

「うわぁぁぁぁぁぁ!ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめーん!」

ったく、ますますパワーアップしておる、天然パワー。

「よし、今度こそ!」

ギロさんは今度こそ、私のお腹をさわった。

「うわぁ~、何ヵ月?」

2ヵ月です。

「へぇー。」

ビクッ。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!今、蹴ったよぉ~!」

そこまで驚くこと、ないでしょ。

「ギロお兄様~!」

「あ、マドレーヌちゃん!」

マドレーヌちゃんは、ギロさんにだきついた。

「久しぶりですぅ~。」

「そうだね。マドレーヌちゃん、大きくなったねぇ~。」

ギロさんは、マドレーヌちゃんの頭をなでた。

「えへへへへ。ギロお兄様も、2年前より、どんどんかっこよくなりましたねっ。」

「えへへへへ。おかげで病院では、昔より、どんどんモテテるんだよぉ。」

へぇー。

「ギロ、お前は今、なにしてるんだ?」

「院長をやっていますっ。親父も先生と同じ、定年退職でして。」

ギロさん、お父さんの跡を継いだんですねっ。

「うん!」

ギロさんは、かわいい笑顔でうなずいた。

「それと、かわいい嫁さんももらったし。」

かわいい嫁さんって、まさか……。

「その、まさかだよ。リッちゃん。」

「えぇ。」

えっ!?リリアさんとギロさん、結婚したんですか!?

「えぇ。今まで隠しててごめんなさい。」

「って、お前!聞いてないぞ!結婚してたなんて!」

ジュンブライトが、ギロさんの胸ぐらをひっぱった。

「え……うわぁぁぁぁぁぁ!先輩に招待状書くの、忘れてたぁ~!」

「バカかお前はーっ!」

「ま、ウルフ一郎には書いたけどね。」

一年前に結婚したんですか?

「あぁ。」

「あ。あれはギロか?」

あ、ウルフ一郎さん。

「うわぁ~!ウルフ一郎~!」

ってギロさん!それは普通の犬だって!

「久しぶりだねぇ~。結婚式、来てくれてありがと~!」

「クゥ~ン。」

「って、ギロ!それは俺様じゃねぇ!普通の犬だ!」

「え……うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!まちがえた~!」

「クゥ~ン。」

どこまで続くんでしょうか、天然パワー。

「ウルフいちろ~う!」

ギロさんは、ウルフ一郎さんにだきついた。

「わ!」

「久しぶり~!元気だった~?」

「お前、離れろ!ちょっ、気持ち悪りぃんだよ!」

「だ~いすき~♡」

「ホモかお前はぁ!」

久しぶりの再会に、ギロさんはうれしそう。

「ギロ様がここの専属医者になるってことは、ここに暮らすってことですか?」

「はい、そうです。」

ますます、にぎやかになりますねっ。
ビクッ。
あ、動いた!

「アハハハハハ!」

「今日から、よろしくお願いしますっ。」

ギロさんは、私達に向かって、お辞儀をした。
こちらこそ、よろしくお願いします。

「じゃあ、私は実家に帰るわね。」

実家に帰るんですか!?

「えぇ。たまには帰ろうかなぁ~?と思って。」

「いつ戻って来るんですか!?」

「夕方には帰って来るから、お城でおとなしくしといてね。」

リリアさんは、マドレーヌちゃんの頭をなでた。

「はいっ!」

マドレーヌちゃんは、笑顔でうなずいた。


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