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第1章
第七話 「久しぶりの再会」
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「久しぶりだなぁ、ネル。」
「!?」
く、黒いオオカミで、黒いサングラスをかけているのは……。
ウルフ一郎!
「今までどこに行ってたんだ、ネル。」
「ひ、人違いです。ごめんなさい。」
横を通ろうとすると、ウルフ一郎は、あたしのうでをがっしりつかんだ。
は、離せよぉ!
「離すもんか。俺様、ずっとまってたんだぞ、お前を。」
!?
「お前の帰りを、ずっとまってたんだぞ。一人で。」
ウルフ一郎……。
「……ごめんな。またせて。」
「いいんだ。大人の事情……だから。」
ウルフ一郎……。
あたしは、ウルフ一郎にだきついた。
……2年間、さびしかったろ?あたしがいなくなって。
「あぁ。雨が降る日も、嵐が来る日も、雪が降る日も、ずっと。」
ウルフ一郎が、あたしを優しくだきしめた。
そう……。
「おつかいか?」
あぁ。
あのクソババア、あたしが方向オンチと知っていながら、たのんできたんだよ!
「そう……。じゃあ、一緒にすっか?おつかい。」
へっ?
すると、ウルフ一郎が、あたしの手をぎゅっとにぎった。
「この手を離すなよ。」
ウルフ一郎……。
うん、わかった。
☆
おつかいをし終わったあたし達は、ウルフ一郎の家の辺りを散歩していた。
「真莉亜ちゃん、妊娠したんだってよ。」
「えっ!?春間真莉亜が、妊娠しただとぉ!?何ヵ月!?」
「二カ月。あの子、いっつも赤ちゃんに、話しかけるんだよ~ん♡俺様、そういう真莉亜ちゃんを見て、胸がキュン♡ってするんだよ~ん♡」
ふーん。バカらしい。
「なんだとぉ~!?」
もう二度と、あの女の話をするな。
「……わかったよぉ。」
プルプルプルプル。
ん?電話が鳴ってるぞ。
「あ、うん。」
ウルフ一郎は、ケータイを取り出した。
「もしもし?」
「『兄貴!なにしてるんですか!もう、夕ご飯の時間ですよ!』」
「あ、ごめん。今、帰るから。」
「『早く帰って来てくださいよ!』」
「わかったよぉ。」
ブーブー。
「ごめん、ネル。俺様、家に帰るから。また明日な。」
いやだ!ずーっと、一緒にいよう!
「わがまま言うなよぉ。明日も、お前を迎えに行く。」
いやだ!離れたくないー!
「ネル……。ちっ、わかったよ。お前の親に連絡すっから。」
やったぁ!ありがとう、ウルフ一郎!
あたしは、ウルフ一郎にだきついた。
「ちょっ……いきなりだきつくなよぉ!」
ごめん。
☆
荷物は、親が持って来てくれたし、これで、ウルフ一郎と二人っきりになれる♡
「ここだ。」
へっ?なにこれ。
木でできた家だけど……。
「ここに住め。」
はぁ~!?
ふざけんじゃねぇ!
なんでここに住まなきゃならないんだよぉ!ああん?
「お前が俺様んちに来たら、ウルフ三郎がやかましくなるから。あと、付き合っていることは、ウルフ三郎にはナイショにしてる。あと、ここは離れだ。ここなら、誰も来ない。」
ご飯とかはどーするんだよぉ!
「俺様がお前の分をつくって持って来るから、安心しろ。」
ちぇ、わかったよ。
あたしは、ドアを開けた。
うわぁ~。
……なんで、ベッドとテーブルといすしか、ねぇんだよぉ。
「アハッ、ちゃんとトイレもお風呂もあるから、安心して。」
アハじゃねぇ!
こーんなところで一人……かぁ~。
「大丈夫!俺様がたまに、遊びに来るから!」
ふーん。
「じゃあな、ネル!」
ウルフ一郎はそう言って、出て行った。
ふぅ。ここで寝よう。
あたしは、ベッドで寝始めた。
☆
「ネル、ネル!」
う~ん、なんか、あたしの体を押してるような……。
「ネル、しっかりしろ!」
うわっ!なんだよぉ。
「よかったぁ。飯、届けに来たら、お前が死んでると思って、びっくりしたんだよぉ。」
勝手に死なせるなっ!
で、飯はどこだ?
「テーブルの上にある。」
おぉ!チャーハンじゃねぇか!
いっただっきま~す!
ぱくっ。
ん~、おいし~い!
あたしはどんどん、チャーハンを食べた。
「おいおい、そんなにあわてて食べるなよぉ。」
ぐ……!
「って、おい!大丈夫か!?」
う、うん……。
「お茶、飲め!」
ウルフ一郎が、あたしの口にお茶を運ばせた。
う……ゔぅ……もう、大丈夫だ。
「ったく、あわてて食べるから、こんなことになるんだろう。」
す、すみません。
「おかわり、すぐ持ってくるけど、いる?」
うん!いる!
「じゃあ、ちょっとまってて。」
ウルフ一郎は、からっぽになった皿を、持って、出て行った。
☆
一人で寝る夜。
マ、マジでこわい……。
ザー、ザー、ザー。
ヒュー、ヒュー。
ひぃぃぃぃぃぃ!
こ、こわい……。
ゴロゴロゴロゴロ……ピカー!
うわぁぁぁぁぁぁぁ!
こ、こわいよぉ~。
ガチャ……ピュー!
「ネル、大丈夫か!?」
ウ、ウルフいちろ~う!
あたしは、ウルフ一郎にだきついた。
「もう、こわかったぁ~。」
「お前のことが心配で心配で……一緒に寝るか?」
うん……。
あたしがうなずくと、ウルフ一郎は、あたしのとなりに寝た。
「おやすみ、ネル。」
「おやすみ、ウルフ一郎。」
あたし達はだきあいながら、目を閉じた。
☆
「!?」
く、黒いオオカミで、黒いサングラスをかけているのは……。
ウルフ一郎!
「今までどこに行ってたんだ、ネル。」
「ひ、人違いです。ごめんなさい。」
横を通ろうとすると、ウルフ一郎は、あたしのうでをがっしりつかんだ。
は、離せよぉ!
「離すもんか。俺様、ずっとまってたんだぞ、お前を。」
!?
「お前の帰りを、ずっとまってたんだぞ。一人で。」
ウルフ一郎……。
「……ごめんな。またせて。」
「いいんだ。大人の事情……だから。」
ウルフ一郎……。
あたしは、ウルフ一郎にだきついた。
……2年間、さびしかったろ?あたしがいなくなって。
「あぁ。雨が降る日も、嵐が来る日も、雪が降る日も、ずっと。」
ウルフ一郎が、あたしを優しくだきしめた。
そう……。
「おつかいか?」
あぁ。
あのクソババア、あたしが方向オンチと知っていながら、たのんできたんだよ!
「そう……。じゃあ、一緒にすっか?おつかい。」
へっ?
すると、ウルフ一郎が、あたしの手をぎゅっとにぎった。
「この手を離すなよ。」
ウルフ一郎……。
うん、わかった。
☆
おつかいをし終わったあたし達は、ウルフ一郎の家の辺りを散歩していた。
「真莉亜ちゃん、妊娠したんだってよ。」
「えっ!?春間真莉亜が、妊娠しただとぉ!?何ヵ月!?」
「二カ月。あの子、いっつも赤ちゃんに、話しかけるんだよ~ん♡俺様、そういう真莉亜ちゃんを見て、胸がキュン♡ってするんだよ~ん♡」
ふーん。バカらしい。
「なんだとぉ~!?」
もう二度と、あの女の話をするな。
「……わかったよぉ。」
プルプルプルプル。
ん?電話が鳴ってるぞ。
「あ、うん。」
ウルフ一郎は、ケータイを取り出した。
「もしもし?」
「『兄貴!なにしてるんですか!もう、夕ご飯の時間ですよ!』」
「あ、ごめん。今、帰るから。」
「『早く帰って来てくださいよ!』」
「わかったよぉ。」
ブーブー。
「ごめん、ネル。俺様、家に帰るから。また明日な。」
いやだ!ずーっと、一緒にいよう!
「わがまま言うなよぉ。明日も、お前を迎えに行く。」
いやだ!離れたくないー!
「ネル……。ちっ、わかったよ。お前の親に連絡すっから。」
やったぁ!ありがとう、ウルフ一郎!
あたしは、ウルフ一郎にだきついた。
「ちょっ……いきなりだきつくなよぉ!」
ごめん。
☆
荷物は、親が持って来てくれたし、これで、ウルフ一郎と二人っきりになれる♡
「ここだ。」
へっ?なにこれ。
木でできた家だけど……。
「ここに住め。」
はぁ~!?
ふざけんじゃねぇ!
なんでここに住まなきゃならないんだよぉ!ああん?
「お前が俺様んちに来たら、ウルフ三郎がやかましくなるから。あと、付き合っていることは、ウルフ三郎にはナイショにしてる。あと、ここは離れだ。ここなら、誰も来ない。」
ご飯とかはどーするんだよぉ!
「俺様がお前の分をつくって持って来るから、安心しろ。」
ちぇ、わかったよ。
あたしは、ドアを開けた。
うわぁ~。
……なんで、ベッドとテーブルといすしか、ねぇんだよぉ。
「アハッ、ちゃんとトイレもお風呂もあるから、安心して。」
アハじゃねぇ!
こーんなところで一人……かぁ~。
「大丈夫!俺様がたまに、遊びに来るから!」
ふーん。
「じゃあな、ネル!」
ウルフ一郎はそう言って、出て行った。
ふぅ。ここで寝よう。
あたしは、ベッドで寝始めた。
☆
「ネル、ネル!」
う~ん、なんか、あたしの体を押してるような……。
「ネル、しっかりしろ!」
うわっ!なんだよぉ。
「よかったぁ。飯、届けに来たら、お前が死んでると思って、びっくりしたんだよぉ。」
勝手に死なせるなっ!
で、飯はどこだ?
「テーブルの上にある。」
おぉ!チャーハンじゃねぇか!
いっただっきま~す!
ぱくっ。
ん~、おいし~い!
あたしはどんどん、チャーハンを食べた。
「おいおい、そんなにあわてて食べるなよぉ。」
ぐ……!
「って、おい!大丈夫か!?」
う、うん……。
「お茶、飲め!」
ウルフ一郎が、あたしの口にお茶を運ばせた。
う……ゔぅ……もう、大丈夫だ。
「ったく、あわてて食べるから、こんなことになるんだろう。」
す、すみません。
「おかわり、すぐ持ってくるけど、いる?」
うん!いる!
「じゃあ、ちょっとまってて。」
ウルフ一郎は、からっぽになった皿を、持って、出て行った。
☆
一人で寝る夜。
マ、マジでこわい……。
ザー、ザー、ザー。
ヒュー、ヒュー。
ひぃぃぃぃぃぃ!
こ、こわい……。
ゴロゴロゴロゴロ……ピカー!
うわぁぁぁぁぁぁぁ!
こ、こわいよぉ~。
ガチャ……ピュー!
「ネル、大丈夫か!?」
ウ、ウルフいちろ~う!
あたしは、ウルフ一郎にだきついた。
「もう、こわかったぁ~。」
「お前のことが心配で心配で……一緒に寝るか?」
うん……。
あたしがうなずくと、ウルフ一郎は、あたしのとなりに寝た。
「おやすみ、ネル。」
「おやすみ、ウルフ一郎。」
あたし達はだきあいながら、目を閉じた。
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