30 / 170
第1章
第十一話 「新たな命」
しおりを挟む
なぁ、ウルフ一郎。
「なんだ?」
……梅干しが食べたい。
「なんでだ。」
なんだか、すっぱいもん、食べたくなってきた。
「妊娠したら、すっぱいもん食べたくなるって、いうよなぁ。」
あぁ。
早く出してくれ。
「ごめーん。梅干しがもうないんだよぉ。だから、また今度なっ。」
え~?あたし、今すぐ食べたいのにぃ~!
「仕方ないだろ?今度、買って来てやるよ。」
じゃあ、レモンは?
「レモン?あ、昨日のからあげに使ったから、ないわ。」
えー?
じゃあ、オレンジは?
「オレンジ?あ、オレンジジュースに使ったから、ないわ。」
えー?
全部ないじゃん!
「仕方ないだろ?そーゆーこともあるんだよ。」
今すぐすっぱいもん食べたい!今すぐすっぱいもん食べたいー!
「うっせぇ!わがまま言うな、わがままを!また今度買って来てやるって、言っとるやないね!」
トホホホホ。
「ところで、昨日、考えたことがあるけど……。」
「なんだ?」
「……俺様達の子供って、どんな姿で生まれて来るんだろう。」
あ……。確かに。あたしもそう思った。
「あいつんち、ヴァンパイアと人間だろ?俺様達だったら、ヴァンパイアとオオカミだなっ。」
ヴァンパイアキャットの姿で生まれて来るんじゃないの?
「そ、それはやめてくれ!」
じゃあ、お前はどんな姿で生まれて来ると思うんだ?
「ん?俺様か?そうだなぁ~。ヴァンパイアの姿で生まれて来ると思う。」
だろーな。
「けど、ヴァンパイアとオオカミの子だから、すんげぇことになるぞ!」
すごいこと?
「朝はヴァンパイアの姿だけど、夜になると、オオカミになっちまうんだ!ははっ、俺様の予想が当たればいいけどなっ。」
モンスターか。
「お前は?」
あたしはねぇ~。
まぁ、ヴァンパイアの姿だけど、頭の上にはオオカミの耳が生えていて、おしりにはしっぽがある姿と思う。
「それもありえるなぁ~。」
だろぉ?
あたしはニカッと笑った。
「ネル。」
なんだ?
「これだけは言っていいか?」
ああ。
ウルフ一郎は、両手をあたしの肩に置いた。
「必ず、お腹の子と、お前を守る。なにがあっても、俺様が守る。わかったか?」
うん。わかった。
「よし、それでいい。」
ウルフ一郎は、あたしの頭をなでた。
「あと、もしばれて、「父親は誰か。」って、聞かれたら、答えるなよな。」
うん。答えない。
「よし、さすが俺様の恋人だ。」
ウルフ一郎がまた、あたしの頭をなでた。
えへへへへ。
「ネル、愛してる。」
「あたしも。愛してるよ、ウルフ一郎。」
ウルフ一郎は、あたしのほっぺにキスをした。
「じゃあな、ネル。」
「じゃあな、ウルフ一郎。」
ウルフ一郎は、ほほえみながら、ドアを閉めた。
☆
最近、ネルさん、来ないねぇ。
どうしたんだろ。
「よっ。」
その声は……。
「ネルさん!」
超~お久しぶりですぅ~!
「だ、だきつくなっつってんだろ!」
す、すみません。
それよりネルさん、今日、機嫌がいいですねぇ。
どうしたんですか?
「ん?別に。なにもない。」
えー?教えてくださいよぉ。
「やだ。」
もう!いじわるなんだからぁ!
「……ふっ。」
え?今、笑いましたか?
「いや、なにも。」
ふーん。
紅茶、いります?
「あぁ。レモンティーはないのか?」
レモンティー?
あ、ありますよ。
「それを飲むとしよう。」
?
今日のネルさん、すっぱいもの、いただきますね。
「……別に。」
私は、ネルさんのティーカップにレモンティーを入れた。
「サンキュー。」
ネルさんは、レモンティーを飲んだ。
「あー、おいしい!おかわり!」
えっ!?もう飲んだんですか!?
「いーから早く!」
あ、はいっ。
私はまた、ネルさんのティーカップにレモンティーを入れた。
「あー!やっぱりレモンティーはおいしいなぁ!」
今日のネルさん、なんかおかしい。
「なんだよ。あたしをじーっと見つめて。」
い、いやっ。なんでもないですっ。
「あら。いらっしゃい。」
「リリア!」
「今日は真莉亜とティータイム?私もまぜて。」
リリアさんは、いすにすわった。
「ちょっ、お前!なぜ勝手に!」
「いいじゃないの。私もたまに、紅茶を飲みたくて……ん?」
どうしたんですか?リリアさん。
「誰?私のレモンティー、飲んだの。」
「あたしだ。」
正直に言った―!
「あなた、よくも勝手に、私のレモンティーを飲んだわね!」
「うっせー!たまにはすっぱいもんを味わいたかったんだ!」
「言い訳は無用!さぁ、今すぐレモンティーのスティック、買って来て!」
「いやだねーだ!誰がお前のためにレモンティーを買うかぶあか!」
「なんですってぇ?」
「やんのかオラァ!」
二人とも、けんかはやめてくださいっ。
私がけんかを止めると、二人はしゅんとして、いすにすわった。
「レモンティーは、私が買いますから。けんかはしないでください。」
「はい。」
「ごめんね、真莉亜。」
いいですよ。
姉妹(きょうだい)げんかは、誰でもありますし。
それに、私も、妹とけんかしたことがありますし。
「そうね。」
「それよりリリアさん、ちょっと、来てもらってもいいですか?」
「えっ?」
私はリリアさんの手をにぎって、向こうへ行った。
「今日のネルさん、おかしくないですか?」
と、ひそひそ声で話した。
「なんで?」
「だって、すっぱいものとか、味わうんですよ?」
「あぁ。そう言ってみればねぇ。けど、あんまり気にしない方がいいと思うわよ。」
そうですよねぇ。
ま、そのことは、その先わかることなので。
「なんだ?」
……梅干しが食べたい。
「なんでだ。」
なんだか、すっぱいもん、食べたくなってきた。
「妊娠したら、すっぱいもん食べたくなるって、いうよなぁ。」
あぁ。
早く出してくれ。
「ごめーん。梅干しがもうないんだよぉ。だから、また今度なっ。」
え~?あたし、今すぐ食べたいのにぃ~!
「仕方ないだろ?今度、買って来てやるよ。」
じゃあ、レモンは?
「レモン?あ、昨日のからあげに使ったから、ないわ。」
えー?
じゃあ、オレンジは?
「オレンジ?あ、オレンジジュースに使ったから、ないわ。」
えー?
全部ないじゃん!
「仕方ないだろ?そーゆーこともあるんだよ。」
今すぐすっぱいもん食べたい!今すぐすっぱいもん食べたいー!
「うっせぇ!わがまま言うな、わがままを!また今度買って来てやるって、言っとるやないね!」
トホホホホ。
「ところで、昨日、考えたことがあるけど……。」
「なんだ?」
「……俺様達の子供って、どんな姿で生まれて来るんだろう。」
あ……。確かに。あたしもそう思った。
「あいつんち、ヴァンパイアと人間だろ?俺様達だったら、ヴァンパイアとオオカミだなっ。」
ヴァンパイアキャットの姿で生まれて来るんじゃないの?
「そ、それはやめてくれ!」
じゃあ、お前はどんな姿で生まれて来ると思うんだ?
「ん?俺様か?そうだなぁ~。ヴァンパイアの姿で生まれて来ると思う。」
だろーな。
「けど、ヴァンパイアとオオカミの子だから、すんげぇことになるぞ!」
すごいこと?
「朝はヴァンパイアの姿だけど、夜になると、オオカミになっちまうんだ!ははっ、俺様の予想が当たればいいけどなっ。」
モンスターか。
「お前は?」
あたしはねぇ~。
まぁ、ヴァンパイアの姿だけど、頭の上にはオオカミの耳が生えていて、おしりにはしっぽがある姿と思う。
「それもありえるなぁ~。」
だろぉ?
あたしはニカッと笑った。
「ネル。」
なんだ?
「これだけは言っていいか?」
ああ。
ウルフ一郎は、両手をあたしの肩に置いた。
「必ず、お腹の子と、お前を守る。なにがあっても、俺様が守る。わかったか?」
うん。わかった。
「よし、それでいい。」
ウルフ一郎は、あたしの頭をなでた。
「あと、もしばれて、「父親は誰か。」って、聞かれたら、答えるなよな。」
うん。答えない。
「よし、さすが俺様の恋人だ。」
ウルフ一郎がまた、あたしの頭をなでた。
えへへへへ。
「ネル、愛してる。」
「あたしも。愛してるよ、ウルフ一郎。」
ウルフ一郎は、あたしのほっぺにキスをした。
「じゃあな、ネル。」
「じゃあな、ウルフ一郎。」
ウルフ一郎は、ほほえみながら、ドアを閉めた。
☆
最近、ネルさん、来ないねぇ。
どうしたんだろ。
「よっ。」
その声は……。
「ネルさん!」
超~お久しぶりですぅ~!
「だ、だきつくなっつってんだろ!」
す、すみません。
それよりネルさん、今日、機嫌がいいですねぇ。
どうしたんですか?
「ん?別に。なにもない。」
えー?教えてくださいよぉ。
「やだ。」
もう!いじわるなんだからぁ!
「……ふっ。」
え?今、笑いましたか?
「いや、なにも。」
ふーん。
紅茶、いります?
「あぁ。レモンティーはないのか?」
レモンティー?
あ、ありますよ。
「それを飲むとしよう。」
?
今日のネルさん、すっぱいもの、いただきますね。
「……別に。」
私は、ネルさんのティーカップにレモンティーを入れた。
「サンキュー。」
ネルさんは、レモンティーを飲んだ。
「あー、おいしい!おかわり!」
えっ!?もう飲んだんですか!?
「いーから早く!」
あ、はいっ。
私はまた、ネルさんのティーカップにレモンティーを入れた。
「あー!やっぱりレモンティーはおいしいなぁ!」
今日のネルさん、なんかおかしい。
「なんだよ。あたしをじーっと見つめて。」
い、いやっ。なんでもないですっ。
「あら。いらっしゃい。」
「リリア!」
「今日は真莉亜とティータイム?私もまぜて。」
リリアさんは、いすにすわった。
「ちょっ、お前!なぜ勝手に!」
「いいじゃないの。私もたまに、紅茶を飲みたくて……ん?」
どうしたんですか?リリアさん。
「誰?私のレモンティー、飲んだの。」
「あたしだ。」
正直に言った―!
「あなた、よくも勝手に、私のレモンティーを飲んだわね!」
「うっせー!たまにはすっぱいもんを味わいたかったんだ!」
「言い訳は無用!さぁ、今すぐレモンティーのスティック、買って来て!」
「いやだねーだ!誰がお前のためにレモンティーを買うかぶあか!」
「なんですってぇ?」
「やんのかオラァ!」
二人とも、けんかはやめてくださいっ。
私がけんかを止めると、二人はしゅんとして、いすにすわった。
「レモンティーは、私が買いますから。けんかはしないでください。」
「はい。」
「ごめんね、真莉亜。」
いいですよ。
姉妹(きょうだい)げんかは、誰でもありますし。
それに、私も、妹とけんかしたことがありますし。
「そうね。」
「それよりリリアさん、ちょっと、来てもらってもいいですか?」
「えっ?」
私はリリアさんの手をにぎって、向こうへ行った。
「今日のネルさん、おかしくないですか?」
と、ひそひそ声で話した。
「なんで?」
「だって、すっぱいものとか、味わうんですよ?」
「あぁ。そう言ってみればねぇ。けど、あんまり気にしない方がいいと思うわよ。」
そうですよねぇ。
ま、そのことは、その先わかることなので。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる