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第1章
第十六話 「ネルさんとリリアさんの、姉妹だけの話」
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あたしの妊娠に、リリア達が気付いて一週間後。
リリアのヤロー、なに探してるんだろ?
「ん~、これでもないっ、あれでもない……あ、あった!」
ん?なんだ?その分厚い本。
「アルバムよ。」
ア、アルバムだとぉ~!?
そ、そんなはずかしいの、とっとと片付けくれぇ!
「あらやだ。せっかく昔のことを話そうと思ってたのに。」
昔のこと?
「そうよ。なんか、あなたと一緒にいた時間が、なつかしくってね。あ、ちょっと来て。」
ん?なんだ?その赤んぼう。
「あなたよ。」
はぁ!?あたしだとぉ!?
こんなにかわいいわけがない!
「あら、そう。23年前の4月7日。あれは桜がいっぱい、咲いてたころかしら?あなたが元気よく、産声を上げていたのよ。」
(23年前)
「ホンギャー、ホンギャー!」
「まぁ、かわいらしい女の子ですねぇ。」
「お母さん!私にも見せて!」
「はい、あなたの妹よ。」
「うわぁ~。かっわいい~♡お姉ちゃんでちゅよぉ~。」
「うおぉぉぉぉ!二人目の孫!そして女の子!ぜーったい、かわいがってあげまちゅからねぇ~♡」
「おじいちゃん、うっさい。」
「ところで、名前はなににする?」
「やっぱ桜がこんなにきれいに咲いてるから、サクラだろ!」
「ううん、もう決めてるの。」
「えっ?」
「……ネル。私のかわいい天使ちゃん。」
「ネ……ネル?」
「かわいらしい名前だなぁ。」
「ネル、よろしくね!」
☆
……ほう。
「あのころのあなたはかわいかったわぁ~♡近所の人達にも、人気があったのよ!今のあなたみたいに。」
ふん、人気度は産まれて来てからあるって、知らなかったなぁ、アハハハハ!
「次。」
リリアがページをめくった。
わ!こ、こいつは誰だ!
「あなたしかいないじゃない。」
ワ、ワンピース着てるし!ぜーったい、あたしじゃねぇ!
しかも髪、結んでるし!
「あなたしかいないのよ。昔のあなたは、3歳から、言葉づかいが悪くなったのねぇ。」
(20年前)
「あら。おつかい?えらいねぇ。あなた、何歳?」
「うっせぇ、ババア。」
「!?」
「あ、すみませーん。」
「ちょっとネル!さっきの言い方、だめでしょ!」
「別にいいじゃねぇか!」
「まーた男らしい口の言い方をして!女の子らしくしたらどーよぉ!」
「やっかましい!誰が「~だわぁ。」とか、「~なのよ~。」とか言うかぶあか!そんなの言ってると、だんだん気持ち悪くなるんだよぉ!」
「あ、そう。じゃあ、お母さんに言いつけるわ。」
「あー!それだけはやめてくれぇ~!」
☆
「あれは一番ひどかった。まるで、そこらへんにいるヤンキーみたいにね。」
そこらへんにいるヤンキーと一緒にすなっ!
「それともう一つ……。」
リリアがまたページをめくった。
「あ、あったわ。」
うわぁ~。剣道してるぅ~!
あ、あたしに剣道を教えてるのは、じいちゃんか。
「そうよ。あの時から、あなたは剣の道に歩んだのよ。」
(20年前)
「でぃやあー!」
「もっと剣をつきつけろ!まだあまい!」
「でぃやあー!」
ゴーン!
「ゔ……!」
「うわぁぁぁぁぁ!先生が頭を打たれたぁぁぁぁぁ!」
「先生、大丈夫ですか!?」
「じいちゃん、大丈夫!?」
「あぁ。大丈夫じゃ。ネル、合格じゃ。」
「うわぁ。ありがとう、じいちゃん!」
「かっわいい~♡よしよし、好きなもの、なんでも買ってやろう!」
「やったぁ~!」
「先生、バカですねぇ。」
☆
あの時から、剣士になることを誓ったんだ。
「そしてもう一つ、あなたは泣き虫だったのよねぇ。」
そ、それだけは言うなっ!
(20年前)
「やーい、泣き虫のネルぅ~!」
「また泣いてやんのぉ~!」
「う、うっせぇ!うわ~ん!」
☆
リリアのヤロー、なに探してるんだろ?
「ん~、これでもないっ、あれでもない……あ、あった!」
ん?なんだ?その分厚い本。
「アルバムよ。」
ア、アルバムだとぉ~!?
そ、そんなはずかしいの、とっとと片付けくれぇ!
「あらやだ。せっかく昔のことを話そうと思ってたのに。」
昔のこと?
「そうよ。なんか、あなたと一緒にいた時間が、なつかしくってね。あ、ちょっと来て。」
ん?なんだ?その赤んぼう。
「あなたよ。」
はぁ!?あたしだとぉ!?
こんなにかわいいわけがない!
「あら、そう。23年前の4月7日。あれは桜がいっぱい、咲いてたころかしら?あなたが元気よく、産声を上げていたのよ。」
(23年前)
「ホンギャー、ホンギャー!」
「まぁ、かわいらしい女の子ですねぇ。」
「お母さん!私にも見せて!」
「はい、あなたの妹よ。」
「うわぁ~。かっわいい~♡お姉ちゃんでちゅよぉ~。」
「うおぉぉぉぉ!二人目の孫!そして女の子!ぜーったい、かわいがってあげまちゅからねぇ~♡」
「おじいちゃん、うっさい。」
「ところで、名前はなににする?」
「やっぱ桜がこんなにきれいに咲いてるから、サクラだろ!」
「ううん、もう決めてるの。」
「えっ?」
「……ネル。私のかわいい天使ちゃん。」
「ネ……ネル?」
「かわいらしい名前だなぁ。」
「ネル、よろしくね!」
☆
……ほう。
「あのころのあなたはかわいかったわぁ~♡近所の人達にも、人気があったのよ!今のあなたみたいに。」
ふん、人気度は産まれて来てからあるって、知らなかったなぁ、アハハハハ!
「次。」
リリアがページをめくった。
わ!こ、こいつは誰だ!
「あなたしかいないじゃない。」
ワ、ワンピース着てるし!ぜーったい、あたしじゃねぇ!
しかも髪、結んでるし!
「あなたしかいないのよ。昔のあなたは、3歳から、言葉づかいが悪くなったのねぇ。」
(20年前)
「あら。おつかい?えらいねぇ。あなた、何歳?」
「うっせぇ、ババア。」
「!?」
「あ、すみませーん。」
「ちょっとネル!さっきの言い方、だめでしょ!」
「別にいいじゃねぇか!」
「まーた男らしい口の言い方をして!女の子らしくしたらどーよぉ!」
「やっかましい!誰が「~だわぁ。」とか、「~なのよ~。」とか言うかぶあか!そんなの言ってると、だんだん気持ち悪くなるんだよぉ!」
「あ、そう。じゃあ、お母さんに言いつけるわ。」
「あー!それだけはやめてくれぇ~!」
☆
「あれは一番ひどかった。まるで、そこらへんにいるヤンキーみたいにね。」
そこらへんにいるヤンキーと一緒にすなっ!
「それともう一つ……。」
リリアがまたページをめくった。
「あ、あったわ。」
うわぁ~。剣道してるぅ~!
あ、あたしに剣道を教えてるのは、じいちゃんか。
「そうよ。あの時から、あなたは剣の道に歩んだのよ。」
(20年前)
「でぃやあー!」
「もっと剣をつきつけろ!まだあまい!」
「でぃやあー!」
ゴーン!
「ゔ……!」
「うわぁぁぁぁぁ!先生が頭を打たれたぁぁぁぁぁ!」
「先生、大丈夫ですか!?」
「じいちゃん、大丈夫!?」
「あぁ。大丈夫じゃ。ネル、合格じゃ。」
「うわぁ。ありがとう、じいちゃん!」
「かっわいい~♡よしよし、好きなもの、なんでも買ってやろう!」
「やったぁ~!」
「先生、バカですねぇ。」
☆
あの時から、剣士になることを誓ったんだ。
「そしてもう一つ、あなたは泣き虫だったのよねぇ。」
そ、それだけは言うなっ!
(20年前)
「やーい、泣き虫のネルぅ~!」
「また泣いてやんのぉ~!」
「う、うっせぇ!うわ~ん!」
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