ヴァンパイア♡ラブforever

田口夏乃子

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第1章

第十七話 「とうとう、ネルさんの子供の父親が明らかに!」

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ウルフ一郎さんがやって来て、私達は、大広間のテーブルのいすにすわった。

「なんだよ、話って。早くしてくれ。」

「ちゃんと答えて。」

「あん?」

「……あなた、ネルのお腹の中にいる赤ちゃんの父親でしょ。」

「!?」

えぇっ!?

「ウ、ウルフ一郎が……。」

「ネ、ネルお姉様のお腹の中にいる赤ちゃんの……。」

「お父さん!?」

「これは一体、どういうことだ!」

「これを見て。」

リリアさんはウルフ一郎さんに、一枚の写真を前に出した。

「はぁ?これ、初めて見たぜ……。」

「うそをおっしゃい!これをよーく見て!」

ん?ああ!赤ちゃんのおしりに、しっぽのようなものが!

「エコーで撮った写真よ。どー見ても、オオカミのしっぽらしいと思って、本人に聞いたら、あなた、ネルを妊娠させたのね。本当のことを言いなさいっ!」

ウルフ一郎さんは、「はぁ。」とため息をついて、顔を上げた。

「お前の言う通り、俺様がネルのお腹の中にいる赤ちゃんの、父親だよ。」

うそ!
ウルフ一郎さんが、ネルさんの子供の父親だったなんて!
リリアさんは、バン!とテーブルをたたいて、立ち上がった。

「なんでこんなことをしたの!」

リリアさん、落ち着いて……。

「こーなると知っていながら、やってしまったんだ!それ以上、なにも言わないでくれ!」

「……妹を愛しているから?」

「えっ?」

「妹を愛しているから、こんなことをしてしまったんでしょう!」

「あぁ、そうさ!俺様は、お前の妹を愛している!だから、あんなことをしてしまったのさ!」

「あなた、何考えてるの!結婚してないくせに、妹にあんなことをするなんて!」

「仕方ないさ!俺様はただ……俺様はただ、ネルを愛しているから、あんなことをしたんだ!」

二人とも、やめてください!

「もういいわ!二度と妹に近づかないで!わかった?」

「おい、リリア!それは言いすぎだろ!」

「あなたはだまってて!」

「……。」

ジュンブライトは、そのままだまりこんだ。

「今後いっさい、妹に近づいたら、警察を呼ぶわよ?」

リリアさんはそう言って、ウルフ一郎さんの横を通った。

「リリア!まってください!」

マドレーヌちゃんは、リリアさんのあとを追った。

「……フッ。」

「おい、なにがおかしいんだ?」

「……フハハハハハ!アハッ、アハハハハ!」

ウルフ一郎さん、泣きながら笑っている……。

「やっぱりそうだよな!?そうなると思っていたよ!フフフ、フハハハハハ!アハッ、アハハハハハ!ウハハ……はは……。」

ウルフ一郎さん、本当は悲しい気持ちでいっぱいなんじゃないのかなぁ?
だって、あんなにきついことを言われたんだもん。

「……ゔ……ゔぅ……。」

「泣かないでくれ、ウルフ一郎くん。彼女を愛する気持ちは、よーくわかった。」

「ゔ……ゔぅ……。」

ウルフ一郎さんは、ヒアン様の胸の中で泣いた。


                                   ☆


ウルフ一郎、帰って来んのがおそいなぁ。
一体、なにしてるんだろ。
ガチャッ。
あ、ウルフ一郎、お帰り。
どうしたんだ?そんなに大きなバックを持って。
そしたらウルフ一郎は、バックをあたしの前に置いた。
えっ……?

「……よう。」

えっ……?

「もう、別れよう。」

お、おい、目を覚ませよぉ。あたしら、恋人だろ?

「いーからこっから出て行け!」

え……。

「もう俺様達は、会ってはいけない関係になった。もう二度と、俺様の前に姿を現すな。わかったか?」

お、おい!まてよ!
あたし、お前がいねぇと、生きていけねぇんだよぉ!

「うっせー!」

ウルフ一郎は、あたしの手を振り離した。
え……。

「さようなら。俺様が来るまで、出て行けよ。」

ウ、ウルフ一郎!まて!
そんなの、ひどすぎる!
あたしのそばから離れないって言ったくせに!
バタン。
そ……そんな……。
あたしは、腰を落とした。
ウ……ウル……ウル……。

「ウルフいちろ~う!」

あたしは泣きながらさけんだ。
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