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第1章

第二十二話 「マドレーヌ、手伝いますっ!」

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こんにちは。真莉亜です。
妊娠8カ月になりましたぁ。
もう、こんな早いんですね。
ていうか、階段を下るの、すっごく大変。
誰か手伝ってくれる人、いないかなぁ~?

「……。」


                               ☆


って、また階段をのぼるの~?
もう、いやです。
エレベーター、つくればいいのに。

「真莉亜お姉様ぁ~!」

ん?どこからか、声が聞こえるぞ?
後ろを振り向くと……あ!

「マドレーヌちゃん!」

どうしたの?「はぁ、はぁ。」息切れをして。

「階段、一人ではのぼれないんでしょ?」

えぇ。それが?

「私、手伝いますっ!」

えっ!?いいの!?

「はいっ!だって私は、あと2ヵ月で、お姉様になるから!」

マドレーヌちゃんは、ニカッと笑った。
ありがとー、マドレーヌちゃん!
真莉亜、泣きそうです。

「さぁ、お手を。」

うんっ。
私はマドレーヌちゃんと一緒に手をつないで、階段をのぼった。
いやあ~、楽だよぉ~。
マドレーヌちゃん、優しいねっ。

「いやあ、それほどでもぉ~。」

うふふふふ。照れてる照れてる。

「さ、着きましたよ!」

「ありがとー、マドレーヌちゃん。助かったよぉ~。」

「いいえ。こまった時は、お互い様ですっ!」

マドレーヌちゃんは、ウインクをして、ガッツポーズをした。
本当に、助かるよ、マドレーヌちゃん。


                             ☆


「なに?マドレーヌが、お手伝いをぉ~?」

はい。
最近、一緒に階段をのぼったり、下ったり、立ち上がる時とすわる時、手をかしてくれたりしてるんです。

「ほう。なるほど。マドレーヌはあー見えて、結構頑張り屋さんだしなぁ。」

あんなに小さかったマドレーヌちゃんが、こんなに成長するなんて、思ってもいなかったよ。

「マドレーヌはあー見えて、真莉亜さんのことが、大好きらしいからなぁ。」

ですよねぇ。

「人懐っこいところが、かわいいんだよぉ~♡」

あのう、ルアン様?

「あ、すまんすまん!うっかりしとった!」

「なにを話してるんですか?」

「ヒアン様!」

「実はぁ、マドレーヌの話をぉ……。」

「マドレーヌの話?」

はい。
最近、マドレーヌちゃんが手伝ってくれるんです。

「へぇー。あの子らしいなぁ。」

でしょ?
優しいところが、あの人にそっくりだし。
ガチャッ。

「真莉亜お姉様!一緒に遊びましょう!」

うん!

「マドレーヌ、お前、真莉亜さんの手助けをしてるんだってな。」

それを聞いて、マドレーヌちゃんの顔は、まっかっか。

「う……うるさいっ!いちいち言わないでっ!」

バタン!

「マ、マドレーヌ、な、なんでそんなに私に冷たくなってしまったんだ……。」

「まあ、お年頃だからなぁ。」


                                    ☆
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