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第1章

第二十五話 「スイーツ大会!」

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こんにちは。真莉亜です。
私は今週、ある大会の審査員に選ばれました。
その大会は……そう、スイーツ大会ですっ!
ん?スイーツ大会とはなにかって?
その名の通り、スイーツをつくって、競う大会ですっ。
年齢は、8歳から70歳までだったかな?
優勝した人はなんと、パティシエになれるんですっ!
あと、私はヴァンパイア界の食べ物は食べられないんで、ジュンブライトが私の代わりに食べるんです。

「いやぁ、楽しみだなぁ、スイーツ大会!」

うん、そうだね。
私、初めてだから、緊張しちゃう。

「大丈夫だって!はぁ、早く青虫のババロアが食べてぇ~。」

あんた、それが目的で、私の代わりに食べようと言ったんだね。

「侵入者!侵入者発見!」

えっ!?侵入者!?

「まてーっ!」

「ひぃぃぃぃぃぃ!」

家来が追いかけてるのは……ええ!?お、女の子!?
8歳ぐらいの女の子で、パティシエの服を着ていて、黄色い髪をぐるぐる巻いていて、目がくりくりしている女の子。

「誰か助けてぇ~!」

って、私の方に向かってるぅ~!
と、女の子は私の後ろに隠れた。

「侵入者はどこだ!」

「おい、お前ら!」

ジュンブライトが怒ると、家来はビクッと震えた。

「こんなガキをつかまえようとするなんて、バッカだぜ。もう少し、家来らしくしろよ!」

「は、はい、すみませ~ん!」

家来達は、ジュンブライトに怒られて、その場を去っちゃった。
もう、大丈夫だよ。

「はい……ありがとうございますっ。助けてくれて!」

いいえ、どういたしまして。

「あっ、名前、言ってなかったですねっ。私はプリン!よろしくですっ!」

「プ、プリン!?ハハハーン、おいしそうな名前だなぁ~。」

ジュンブライト、よだれ!

「私はこう見えて、パティシエなんですっ。」

えっ!?パティシエなの!?

「はいっ!まぁ、パティシエっていうより、その見習いなんですけど。」

へぇー。

「ところで、なんでお前、この城に侵入してきたんだ。だめじゃないか。」

そうだよ。
門番さんにたのめばよかったじゃない。
そしたら、プリンちゃんは、顔をしゅんとした。

「実は私、人見知りなんです。門番さんのところに来た時、ビビって、それから、お城の裏から入りました。」

そうなんだ……。
プリンちゃん、昔の私にそっくりだね。

「で、このお城に何の用だ。」

「実は私、一週間後に行なわれる、スイーツ大会に出るんですっ。」

プ、プリンちゃんも!?

「はいっ!」

プリンちゃんは笑顔でうなずいた。

「けど、私、ヘタなんです。」

なにが?

「……スイーツをつくるのが。」

えーっ!?

「私、有名なパティシエのところに弟子入りしてるんです。そこではいっつも、失敗ばかり。師匠からは、「お前にはパティシエという道を歩かせない。」と言われたんです。」

プリンちゃん、パティシエになりたいんだ。

「はいっ!ヴァンパイア界一のパティシエになりたいんですっ!けど、そのためにはお菓子作りを頑張らないと……そこで、このお城にある、スイーツにくわし~いお方がいると聞いて、駆けつけたんですっ!」

スイーツにくわし~いお方……。

「ん~!このドーナッツ、おいしいですぅ~!」

「マドレーヌ、そんなに食べると、太っちゃうわよ?」

「うるさいですぅ!私はスイーツが大好きだから、あまり太らないんですよっ!」

マ、マドレーヌちゃん!?

「えっ?」

「王女様!」

プリンちゃんはマドレーヌちゃんのところへ行き、マドレーヌちゃんの両手をぎゅっとにぎった。

「こ、これ、どーなってるんですかぁ~!?」

「王女様、私においしいスイーツをつくれる方法を、教えてくださいっ!」

プリンちゃんの目、キラキラしてる……。
本当に、マドレーヌちゃんがたよりなんだね。

「私、スイーツ作りがヘタクソで、このままじゃ来週にあるスイーツ大会に間に合いません……マドレーヌ様!どうか、私に力をくださいっ!」

プリンちゃんは、マドレーヌちゃんに向かって、お辞儀をした。

「顔を上げてください。」

プリンちゃんは、顔を上げた。

「いいですよ。その代わり、ビシバシ鍛えてやりますからねっ。」

「あ……ありがとうございますぅ、マドレーヌ様ぁ!」

プリンちゃんはマドレーヌちゃんにだきついた。

「わぁ!もう、びっくりするじゃありませんかぁ。」

「えへへへへ。」


                                        ☆
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