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第1章

第三十五話 「ヒアン様の病気」

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「ゴホッ!ゴホッ!」 

「大丈夫ですか?大王様。」

「あぁ。大丈夫だ。」

「ギロ様をお呼びいたしましょうか?」

「いい。心配してくれて、ありがとう。」

「大王様……わかりました。なにかあったら、教えてくださいね。」

ガチャン。

「ふぅ、やっと出て行ってくれたー。さ、薬を飲もう。」

ぱくっ。
ゴクゴクゴックン。

「あー、スッキリしたー。さ、仕事に行こう。」

ガチャッ。

「おっやじー!真莉亜がハンコのインク、切れたってー!……って、あれっ?いねぇ。どこに行ったんだろ、あの、クソ親父。もう、勝手に持って行くぞー……ん?なんだ、これ。処方薬……?ま、まさか!」


                                  ☆


「親父ーっ!」

「お、ジュンブライト。どうしたんだ?そんなにあわてて走って来て。」

はぁ、はぁ、はぁ。

「……親父、実は、話があるんだよ。」

「話?なんの?」

「これさ、これ!」

俺は親父に、薬が入った袋を見せた。

「!?」

「これは一体、どーゆーことだ!説明してくれ!」

すると、親父は、「はぁ。」と、ため息をついた。

「バレたなら、仕方ない。話すとしよう。」


                            ☆


フフフフフーン、フフフフフーン♪

「今日もいい天気だね、道華。」

「う、う~!」

うふふふふ。かわいい。

「真莉亜~!」

リリアさん!
リリアさんが、私のところまで走ってきて、ひざに両手を置いて、「はぁ、はぁ、はぁ。」と、息切れをした。
どうしたんですか、リリアさん。
私が聞くと、リリアさんは、顔を上げた。

「……真莉亜、大変よ!」

へっ?どうしたんですか?

「……いいから早く来て!」

わっ!ちょっと!いきなり手をにぎらないでくださいよぉ~!


                                ☆
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