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第1章

第三十七話 「ネルさん、ウルフ三郎さんと留守番をする」

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ピンポーン。
はーい。
ガチャッ。

「よっ、ネル。元気かい?」

バカ親父!

「これはこれはお義父様!お元気でなによりです。」

「私はいつ、君のお義父様になったのかね。ところで、ウルフ一郎くんは?」

ウルフ一郎は、今日から、お城に泊まりに行ってるよ。

「アハッ。そうかいそうかい。ネル、コーヒーをつくってくれ。」

え~?そんなの、自分でやりなよぉ~。

「いーじゃないか、今日ぐらい。ねー、ガオンー。」

「う、う~!」

はぁ。
世話が焼けるバカ親父だぜ。
飲み終わったら、帰れよー。

「はーい。」

「あ、ネル様!自分がやりますっ!」

えっ、いいよー、ウルフ三郎。お前はだまって、いすにすわってろ。

「遠慮しないでー。これも、お義父様に認めてもらう、大チャンスなんですから。」

ウルフ三郎は、目をキラーンとさせた。
それが目的なら、しなくていい。

「えっ!?そ、そんなぁ~。ネル様、冷た~い。」

だまれ、この、変態ヤローがっ!

「うぇ~ん!お義父様、ネル様がいじわるをするぅ~!」

「私は知らんっ。」


                               ☆


ふぅ。親父は帰ってくれたし、夜ご飯も食べたし、あとは風呂に入るだけ。

「ウルフ三郎、あたし、風呂に入るから、ガオン、よろしくねー。」

「アイアイサー!」

ガチャン。

「ニヒッ。」

ガチャッ。

「そ~おっと、そ~おっと。」

ガラ……。

「じー。」

シャー。

「ふぅ、気持ちい~。」

(はあ。ネル様のヌード、サイコー♡ニヒニヒニヒ♡あ、鼻血出そう。ズー!)

ボカッ!

「ゔ!」

「なにやってんだい、あんたぁ!」

「か……母ちゃん!」

あ、お義母さん。お久しぶりです。

「な、なんで来たんだよぉ!」

「あんたがネルに、いやらしいことをしてないか、心配でねぇ、見に来たんだよ。そしたら、のぞきをしていて!貴様、あたしはそーゆー子に育てた覚えはないよっ!」

こ、こわっ。

「ひぇぇぇぇぇぇ!す、すみませ~ん!」

「おまけに、ガオンを一人ぼっちにさせやがって!ゆるさん!」

「ね、寝ていたから、いいじゃないかぁ。」

「よくないっ!」

あのう、うちの旦那も、のぞきをするんでぇ。

「なんだってぇ!?あたしは二人の息子を、変態にした記憶はないよっ!」

「母ちゃん、男って、そーゆー生き物なんだよ。」

「うっさい!生き物だろうが、なんだろーがしらないが、あたしはゆるさないよっ!」

「そ、そんなぁ~。」

「うぇーん、うぇーん!」 

あ、ガオンが起きちゃった。
あたしは、入浴室を飛び出し、ベッドで泣いているガオンをだっこした。

「よしよーし、もう、泣かないの。いないなーい、ばあ!」

「えへへへへ、えへへへへ!」

ふっ、かわいい。

「お義母さん、ガオン、お願いできます?」

「あぁ。まかせといて。」

あたしはお義母さんにガオンを渡した。

「うぇーん、うぇーん!」

「なんで泣くのー!?」

「母ちゃんがこわいからだよ。」

「うっさい。」

さあてと、お風呂に再び、入ろ~う。

「ニヒニヒニヒ。」

「どこに行くんだい。」

「ひっ!や、やっぱ行きましぇーん!」


  
                                ☆
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