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第1章

第四十三話 「ジュンブライトの思い出(前編)」

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翌日、ヒアン様のお葬式が行なわれた。
葬式には、たくさんの国民が訪れた。
みんな、悲しみに包まれながら、やって来る。
テレサさん、クリスさん、紅葉、アキちゃん、ソラちゃん、リナンさん、ソアンさん、ルルアちゃん、ジャンさん、フタバさん、シュンくん、アルマさん、アンクさん、アクアさん、ギラ様、そして、ネルさん、ウルフ一郎さん、ガオンくんもやって来た。
みんな、突然の死に、とても悲しんでいる。
ヒアン様の遺体が入った棺は、レオン様のお墓のとなりに葬られた。

「親父、親父ー!」

「ジュンブライト、やめろ!」

「うるせぇ!ほっといてくれよ!親父は.....親父は...俺の大切な人だったんだぁ!」

ジュンブライト.....。



                              ☆


それから2日後。
ジュンブライトは、部屋にひきこもってしまった。
トントン。

「ジュンブライト、入っていい?」

「あぁ。入れ。」

私は、ドアを開けた。

「ここに、今日の夜ご飯置くから、ちゃんと食べてねっ。」

「あぁ。」

ガッチャン。

「.....親父、親父.....。」


                             ☆


                       ー34年前ー


「ゔぅ、レオン、なんで君は、私を置いて、逝ってしまったんだい?早すぎるよ.....。」

「兄さん、悲しまないでレオンお義姉様は、兄さんの心の中で生きている。だから、悲しまないで。」

「ルアン.....。」

「それに、一人じゃないし。」

「う、う~!」

そっか.....私には、この子がいたか.....。
私は、ジュンブライトをだっこした。

「う、う~!」

ジュンブライト.....ずっと、私のそばにいてくれ。


                            ☆


                    ー7ヵ月後ー


「えー、国民の意見の中で、最も多かったのが.....。」

「うぇーん、うぇーん!」

「ん?赤ちゃんの声?」

「あー、私、出ま~す!」

私が会議室を出て、部屋に行ってみると.....。

「うぇ~ん、うぇ~ん!」

あぁ、ジュンブライト、どうちたんでちゅか~?

「どうやら、ミルクのようですねぇ。」

ミルクかぁ.....よし、まかせろ!

「んく、んく、んく.....。」

ふぅ、やっとおさまったぁ~。
さーてと、私はそろそろ会議に.....。

「うぇ~ん、うぇ~ん!」

もう、どうしたんだよぉ。

「どうやら、大王様と離れたくないようです。」

ちっ。はぁ。ったくぅ。


                                ☆


「国民の意見の中で、最も多かったのが、新しい公園を設立して欲しい。この意見を聞いて、大王様、どう思われますか?」

「あ、はいっ!えっと、この意見での答えは.....。」

「う、う~!」

「ん?赤ちゃんの声?」

「あ、いやっ。きっと空耳でしょーう。作れる範囲がないので、無理という.....。」

「あい、あい!」

「さっきからうるさいぞ、ヒアン様。」  

「あ、すみません。ちょっと失礼。」

ジュンブライト、静かにしなさい!
私は小さな声で言った。

「あい、あい~!」

って、言っても無理か。赤ちゃんだもの。

「大王様?大王様!」

あ、はいっ!

「さっきから様子がおかしいですぞ。なにか、あったのですか?」

あ、いやっ、なんでもありませ~ん。アハハハハハハ。

「ふーん。ならいい。話の続きに入りますぞ。」

はーい。


                                ☆


「ジュンブライト、会議中は静かにしなさい。わかったか?」

「う、う~。」

って言ってもムダか。赤ちゃんだもの。

「兄さん、僕が見とこうか?」

あ、いいよ。大丈夫。

「ほんとにぃ?」

あぁ!だいじょーぶ!
私は、ニカッと笑った。

「ヒアン様、始まりますぞ!」

あ、はーい!
じゃあな、ルアン!
私は、ジュンブライトをだっこひもに載せて、会議室に走って行った。

「本当に、大丈夫だろーか。」

「さぁ。」

「まぁ、あの子のことだから、いーじゃない?」

「ですよねぇ。」


                              ☆


「さて、次の会議の内容ですが.....。」

ふぅ。やっとこれで会議が終わるぅ。
さて、ジュンブライトは、おとなしくなったかな?
あれ?いない!
どこにいるんだ?ジュンブライトぉ。

「大王様、なにしてるんです?」

あ、いやっ。探し物ですぅ。

「早く見つけてください。」

はーい。
ジュンブライトぉ、ジュンブライトぉ。どこ行った~?
返事してくれぇ~。

「あい、あい!」

あ、いた!
ジュンブライト、こっちにおいで.....!?

「う、う~!」

ジュ、ジュンブライトが、立ってる!

「ジュンブライト!すごいぞ!さすが、私の子供だ!」

「う、う~!」

アハハハハ!

「大王様!」

!?
おそるおそる、後ろを振り返ると.....。
う、うわぁ~。みんな、こわーい目で、私を見てるぅ~。

「会議中、大きな声を出さないでください。」

はい、すみません.....。
あぁ、恥ずかしい.....。


                           ☆
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